
アクション、ホラー、SF、コメディー、ラブストーリー、サスペンスなどなど、映画には様々なジャンルの作品がある。
サイコパスなどの精神疾患は映画のスパイスとして効果的に使用されているようだが、海外で人気があるのは多重人格(解離性同一性障害)なのだそうだ。
『brightside』によると、耐えがたい経験から本人を守る防衛メカニズムの発露でありながら、1つの肉体にいくつもの人格が宿るというその現象は、不吉であると同時に好奇心がかきたてられ、物語をいっそうミステリアスで、スリリングなものに仕立ててくれるのだという。
ということで、多重人格が題材となっている代表的な映画作品が紹介されていたので、そのいくつか見ていこう。もしかしたら、あなたの中に眠る別の人格が目を覚ますかもしれないし、そうでもないのかもしれない。
【1. ブラック・スワン(2010年)】
[動画を見る]
BLACK SWAN | Official Trailer | FOX Searchlight
自己が切り離されるほど何かを求めたらどうなるのか? 才能あるバレエダンサーで、白鳥の湖の主役を演じたいという強烈な野心を抱くニナ(ナタリー・ポートマン)に起きたのがそれだ。
母親からのプレッシャーやライバルとの不健全な競争がニナを追い詰め、徐々に現実と想像との区別がつかなくなっていく。
【2. サイコ(1960年)】
[動画を見る]
Psycho Official Trailer 1960 HD
ベイツというモーテルを1人で切り盛りする青年ノーマン(アンソニー・パーキンス)に隠された秘密を描く。
ヒッチコックによるサイコ・スリラー映画の古典的傑作で、シャワールームで女性が刺殺されるシーンはあまりにも有名。皮肉なことに、プロデューサーは映画がヒットするとは思えず、資金集めには苦労したという。
【3. ふたりの男とひとりの女(2000年)】
[動画を見る]
ふたりの男とひとりの女 (字幕版)
善良な警察官であるチャーリー(ジム・キャリー)。妻を失ったショックと日々のストレスで、彼の中にもう1つの人格ハンクが誕生してしまう。
薬を飲み忘れると目を覚ますハンクの性格は、チャーリーとは正反対で攻撃的。そんな2人が1人のひき逃げの容疑者(レネー・ゼルウィガー)を愛してしまった。
【4. スプリット(2017年)】
[動画を見る]
Split Official Trailer 1 (2017) - M. Night Shyamalan Movie
何者かによって突然誘拐されてしまった女子高生たちを描く。誘拐犯のケビン(ジェームズ・マカヴォイ)には、母親から受けた虐待が原因で23もの人格が宿っており、事件は潔癖症のデニスという人格の仕業だった。
M・ナイト・シャマラン監督の『アンブレイカブル』と『ミスター・ガラス』とストーリー上のつながりがある。
【5. 狂へる悪魔(1920年)】
[動画を見る]
Dr. Jekyll and Mr. Hyde (1920) [Silent Movie] [Horror]
1886年の小説『ジキル博士とハイド氏』が原作と聞けば分かるだろう。これを原作とした映画は1920年だけでも3本製作されているが、もっとも評価が高いのが本作品だ。
医学博士ジキル(ジョン・バリモア)は、心を善と悪に分裂させてしまう薬を作り、自らの中にエドワード・ハイドという恐ろしい悪鬼を誕生させる。やがてハイドはジキル博士を邪悪に染め、彼そのものになっていく。
【6. 真実の行方(1996年)】
[動画を見る]
真実の行方 - 予告編
別人格に乗っ取られた人間が殺人を犯したら、その罪は誰のものなのか? それが本作品のテーマだ。
大司教殺害の罪で逮捕された聖歌隊所属の青年アーロン(エドワード・ノートン)。その弁護を引き受けた辣腕弁護士マーティン(リチャード・ギア)は、彼の多重人格障害を利用して、無罪を勝ち取ろうとする。
【7. Sybil(1976年)】
[動画を見る]
Sybil
解離性同一性障害のアメリカ人女性を描いたノンフィクション『失われた私』が原作。
画家のシビル(サリー・フィールド)は、部分的に記憶がなくなり、気がつくと身に覚えのない傷が出きているという症状に悩み始める。精神科医に助けを求めると、彼女には自分以外に15の人格が宿っていることが明らかになる。
解離性同一性障害が『精神障害の診断と統計マニュアル』に掲載されるきっかけにもなった。日本では2007年に『多重人格・シビルの記憶』というタイトルでテレビ映画化された。
【8. フランキー&アリス(2010年)】
[動画を見る]
Frankie & Alice 2010 Full Movie Halle Berry Movies
人気ストリッパーのフランキー(ハル・ベリー)は、ある日、異常な言動をとったことで病院送りになってしまう。そこで、彼女自身が気づいていないもう1つの人格アリスの存在が明らかになる。
平然と他人を傷つける人種差別主義者であるアリスに脅かされながら、フランキーは自分を取り戻すため、彼女が生まれるきっかけとなった過去に向かい合う決意をする。
【9. イブの三つの顔(1957年)】
[動画を見る]
The Three Faces of Eve | #TBT Trailer | 20th Century FOX
結婚生活に退屈していた貞淑な主婦イブ・ホワイト(ジョアン・ウッドワード)は、突然の頭痛と記憶喪失に悩まされ始める。
夫も妻の異変に気がつき、精神科医の診断を受けると、奔放なイブ・ブラックという隠された人格の存在が明らかに。
さらに明らかになる聡明で上品なジェーンという第三の人格。結局、イブの体はジェーンによって永遠に乗っ取られる。はたして、それは彼女にとって救済だったのか?
【10. ファイト・クラブ(1999年)】
[動画を見る]
ファイト・クラブ (Fight Club)
平凡な日々にうんざりしていた不眠症の”僕”(エドワード・ノートン)は、飛行機の中で石鹸の行商人タイラー・ダーデン(ブラッド・ピット)に出会う。
”僕”はタイラーと殴り合い、その痛みの中で生きている実感を取り戻す。そして、2人はファイト・クラブを設立した。
カルト的な作品でありながら、90年代最高の映画という評価もある傑作。
References:10 Spooky Movies That Transformed the Way We See Multiple Personality Disorder/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:一つの肉体に複数の人格が宿る。多重人格(解離性同一性障害)がテーマの映画10作品 http://karapaia.com/archives/52289850.html