飼い主がコロナで亡くなったことを知らずに、病院で3か月待ち続けた犬(中国)

病院で帰らぬ飼い主を待ち続ける犬 Hans Solo/Twitter
 飼い主を待ち続けた忠犬ハチ公は世界的に有名で、今でも、亡き飼い主の帰りを待ち続ける強い忠誠心を示す犬は、それに例えて語られることが多い。

 最近、中国のハチ公と話題になっている犬がいる。湖北省武漢市で、新型コロナウイルスに感染し亡くなってしまった男性の飼い犬は、その死を知ることなく、入院先の病院で、ひたすら3か月間待ち続けたのだ。

 結局、犬は保護施設に引き取られたが、飼い主をずっと待つ犬の姿を見た患者や病院スタッフらは、強く胸打たれるものがあったようだ。『The Sun』などが伝えている。
【コロナに感染し病院に運ばれた飼い主、5日後に帰らぬ人に】

 今年2月、新型コロナウイルスが猛威を振る武漢市にある武漢太康病院に、1匹の雑種犬(7歳オス)を連れた高齢男性が来院した。

 男性は、コロナウイルスの感染が確認されそのまま入院したが、重篤な肺炎に罹り、5日後には帰らぬ人となってしまった。

 一緒に病院にやって来た犬は、飼い主の死を知る由はない。病院内で二度と帰らぬ男性が現れるのをひたすら待ち続けた。

 一度病院の清掃スタッフが犬を外へ出そうと試みたが、犬はかたくなにその場から動こうとしなかった。

 毎日同じ場所にいる犬を気にかけるよういなった患者や病院スタッフは餌をやるようになった。さらに犬がそこにいる理由も院内で広まっていった。

【犬、院内の売店で働く女性に「小宝」と名付けられる】

 4月13日から病院の1階にある売店の営業が始まり、そこで働くウーさんという女性はロビーで1日過ごしている犬のことを知った。

 事情を聞いて、ウーさんは深く心を痛めたが、ここは病院。生き物を院内に1日中放置しておくことはよくないと思い、何度か車で犬を病院から離れた所へ連れて行ったが、犬は再び飼い主がいると信じている病院へ戻って来たという。

 結局ウーさんは、犬を一時的に世話することに決め、小宝(Xiao Bao)と名付けた犬を店の中へ招き入れるようになった。

 すると、小宝は毎朝店に出勤するウーさんを出迎え、帰宅の時間には見送ってくれるようになったそうだ。

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【3か月間待ち続けた小宝、動物保護協会へ】

 ウーさんや病院スタッフに可愛がられながら、3か月間知らずに飼い主を待ち続けた小宝。しかし、それは終わりを迎えることになった。

 都市封鎖が緩和されたことで、5月中旬になると病院は通常の忙しさを取り戻した。すると患者の多くから、院内に犬がいることへの苦情の声が寄せられたからだ。

 早急な対応を強いられた病院は、小宝を武漢市小動物保護協会に引き取ってもらうよう連絡。そして、小宝は同協会スタッフのケアのもと、獣医院で去勢手術や健康診断を受け、新たな飼い主を探すことになった。


 ウーさんは、短期間でも可愛がっていた小宝の忠犬ハチ公のような元飼い主への忠誠心を思い、「新しい飼い主のもとでも、どうか幸せになってほしい」と話している。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:飼い主がコロナで亡くなったことを知らずに、病院で3か月待ち続けた犬(中国) http://karapaia.com/archives/52291460.html
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