
タブレットでレシピを見ながらお料理中、画面をスクロールさせたいが汚れた手を一旦洗ってからでは面倒だ。
一心不乱にピアノを弾いているとき、気がつけば電子譜面のページをめくらねばならないところまできた。
この「[In]Brace(インブレース)」は、そんな状況を想定して作られたマウスピース型コントローラーだ。両手がふさがっていても舌を使ってデバイスを操作することができるのだ。
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[In]Brace – A Tongue Computer Interface
【マウスピースの球を舌でスライドして操作】
マウスピースの中心にはセンサートラックが走っており、そこには磁石の球が取り付けられている。
それを舌でスライドさせると、その信号が耳に装着するように設計されたワイヤレス送信機に送られる。この送信機から外部の機器に信号を飛ばし、口だけでさまざまな操作を行うという仕組みだ。
口の形は人によってそれぞれ異なるので、マウスピースは自分にぴったりのものを作ればいい。
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【ゲームプレイも口だけで楽々】
[In]Braceは、両手が完全に塞がった状態で、もう一操作したいと思ったときに威力を発揮する。もちろん手が不自由な障害者にとっても大いに役立つだろう。
それ以外にも、たとえば料理のときなど、手が汚れていてベタベタとデバイスに触れたくないような状況でも重宝するかもしれない。
開発者はケルン応用科学大学(ドイツ)の学生ドロテー・クラーセン氏。彼女の修士論文の一環として開発されたものだ。
クラーセン氏は自作の[In]Braceを装着して、レトロゲームの「ポン」ならぬ「タン(舌の意)」というゲームの操作を実演している。操作は簡単で、すぐに手でやるのと遜色ないプレイが楽しめるようになるという。
また[In]Braceは、舌のペロッという動きなど、”ジェスチャー”にも対応している。将来的には、触覚的なフィードバック機能も組み込みたいと考えているそうだ。
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【口の中で操作するならグミ型コントローラーもあるよ】
ちなみに昨年秋には、オークランド大学(ニュージーランド)の大学院生が、「ChewIt(チューイット)」というグミのようなオーラルコントローラーを発表している。
ChewItの内部には、加速度センサーやジャイロスコープが内蔵されており、口の中でキャンディをコロコロと転がすような感覚で操作することができる。
開発者のパブロ・ガレーゴ・カスコン氏によると、今のところ最大の欠点はうっかり飲み込んでしまう危険性があることだそうだ。
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ChewIt. An Intraoral Interface for Discreet Interactions.
両手がふさがった状態でも口の中で操作できるのはとても便利だ。でも何か食べているときはダメってことね。
常に複数部位が忙しい状態にある私としては、そこんところがもどかしいわけだが、体の他の部位を使って操作できるとしたらどこがあいてるだろう?鼻息とかどうだろう?
References:Oral device is a digital joystick/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:舌を使って操作する。ハンズフリーなマウスピース型コントローラーが登場(ドイツ研究) http://karapaia.com/archives/52293475.html