地球に掘られた最も深い穴はロシアの廃墟に存在する。

image by:Rakot13/Wikimedia Commons
 ロシア西部に、ボロボロの金属スクラップや崩れたコンクリートが打ち捨てられている場所がある。一見ただの廃墟だが、注意深く見ていくとこの瓦礫の中にボルトで封印された円形の蓋のようなものがある。


 実はその下には、なんと12kmも続く掘り抜きの穴があいているのだ。

 12kmの深さとはどれくらいなのかというと、海洋でもっとも深いマリアナ海溝の最深部よりも深い。これは、地球に掘られた最も深い穴なのだ。
【科学調査の為に掘られた穴】

 ここは、「コラ半島超深度掘削坑」と呼ばれ、石油の抽出とはなんの関係もない。この竪穴坑は科学調査のためのものなのだ。

 1970年代、旧ソ連の科学者たちが、地球の地殻状況について知るために掘り始めた。


 24年以上にわたって、研究者たちはひたすら地中深く掘り続け、1994年には地下12キロに達した。今日でも、この記録は破られていない。当時、地下12キロまで掘り進んだ技術は、かなりのものといえる。

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コラ半島超深度掘削坑施設(2007年)image by:Andre Belozeroff / WIKI commons
【地球上で最も深い穴から得られたものは?】

 ところで、この大変な作業から得られたものはなんだったのだろうか? 

 まずは、地表から12kmの深さのところに水が存在することがわかった。これは研究者たちがその目で見るまで考えもしなかったことだ。

さらに、7km地点では、大昔に絶滅した単細胞生物の微小化石が24種も見つかった。


 結局、研究者たちは、27億年前にできた岩盤に到達することはできたが、ここを乗り越えて先に進むことはできなかった。

 というのは、この地点の温度は180℃にも達し、当初予想していた温度よりも80℃も高温だったため、通過することができなかったのだ。

 もうこれ以上、さらに深く進むことはできないのだろうか? だが、1994年もかなり昔のことなので、将来、絶対にできないとは言い切れないかもしれない。

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Here's What is at the Bottom of the Deepest Hole on Earth...
References:This Abandoned Soviet Site Is Home to The Deepest Hole on The Planet/ written by konohazuku / edited by parumo

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