コロナで映画館閉鎖の影響を受け、苦戦するポップコーン製造業者(アメリカ)

映画館閉鎖、その時ポップコーン業者は? dbreen/pixabay
 観客が映画館でポップコーンを食べ始めたのは、大恐慌時代だったという。以来、映画鑑賞のお供に、ポップコーンは欠かせないスナックとなっている。


 コロナ禍により、イベント業、飲食業など苦戦を強いられているが映画業界も例外ではない。更にそこから派生して、アメリカのポップコーン製造業者も経営の危機に瀕している。

 全国の映画館が閉鎖されたままになっているため、大量のトウモロコシの実が余ってしまい、その実を保管する為の保管庫(サイロ)を増設しなければならなくなっているという。『Mental Floss』などが伝えている。
【コロナのパンデミック以来、ポップコーン入手方法に変化】

 パンデミック前は、アメリカの全てのポップコーンの約30%が、家の外で消費されていたそうだ。

 しかし、コロナによるロックダウンは、食料品店で販売されている電子レンジ用ポップコーンの売り上げを押し上げ、映画館用のポップコーンは突然その主要市場を失った。


 特にアメリカでは、映画館用と家庭用のポップコーンは別の業者となることから、映画館用のポップコーンを製造している農家は、これまでは製品を直接劇場に販売していたため、スーパーなど小売業者に持ち込むために必要なパッケージを提供する準備が整っていないのだ。

 そのため、映画館の閉鎖が続くと、ポップコーンとなる穀粒が過剰に余ってしまうという結果になり、映画館に大量のポップコーンを供給していた業者らは現在苦戦の日々を送っているというわけだ。

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【通販で販売する業者も現れる】

 アメリカで最大の映画館用ポップコーンを生産・供給していたPreferred Popcornという企業は、パンデミック以来過剰に余ってしまったポップコーンを保管するために、7つの新しいサイロを設置したと伝えられている。

 それは実に約8000万もの映画館に設置されてあるポップコーン機を満たすのに十分な量だそうだ。

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 他の穀物と比較しても、ポップコーンの殻粒の保存期間は長く、生産者は売れ残った穀粒を約1年間保持してからポップコーンにするために必要な内部の水分を乾かすという。

 しかし今は、国や地域によっては劇場が再開されたところはあるが、まだまだ需要が追い付かず、かなりのポップコーンが余っている事態となっている。


 一時的な解決策としては、大量に消費者に販売することであり、Preferred Popcornは今、穀粒を14kgか23kgの巨大な袋詰めで家庭用にと通販を始めている。

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 映画館に行くことができなくても、十分なポップコーンを購入し、自宅のソファでゆっくりDVD鑑賞することは、もしかしたら小さな慰めにはなるかもしれない。

written by Scarlet / edited by parumo

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