白く美しい歯を手に入れるため、一旦健康な歯を削り「サメの歯」にする施術に歯科医が警告

@drshaadimanoucheri/taysb16/TikTok
 白く美しい整った歯というのは、誰もが憧れることだろう。特に海外では、歯の治療に高額を支払う人も少なくない。


 人気のあるオールセラミック(差し歯)治療やラミネートべニア治療を安価で受けることができるトルコなどの国では、SNSで多くのフォロワーを持つセレブやインフルエンサーに、プロモーションと引き換えに無料で治療を提供しているクリニックもあるようだ。

 しかし、これらの施術をきちんと理解せずに行うことは危険だと歯科医らは警告。TikTokで歯科医がイギリスのタレントが行った施術を例にして注意喚起を促す動画を紹介している。
【オールセラミックとラミネートベニアの違い】

 現在、多くのクリニックが行っている美容目的の審美歯治療。海外でも、オールセラミックとラミネートべニアは人気の施術法だ。

 オールセラミックはいわゆるセラミック製の差し歯(クラウン)のことで、少なくとも歯を2ミリ削り、その上にクラウンを被せる方法。
一方ラミネートベニアは元々ある歯の表面を0.2ミリほど削り、付け爪のようにセラミック製のベニアを貼り付けるという方法だ。

 オールセラミックは、強度を得るために厚みを持つ必要があり、そのため元の歯をべニア施術よりも大きく削って被せる施術を行っている。

 そうした施術を安価にできるトルコでは、プロモーションの代わりにSNSインフルエンサーやタレントなどに無料で治療を提供しているが、クラウン施術をべニアと勘違いして施術を受けていることのリスクを歯科医がTilTokでシェアした。

【海外で安価に施術をする人たちに歯科医が警告】

 イギリスのタレント、ケイティ・プライスは自身のYouTubeアカウントで、トルコで受けた最新の「べニア施術」の様子をシェア。

[動画を見る]
KATIE PRICE: TEETH RECONSTRUCTION (HORRIFIC!)

[動画を見る]
KATIE PRICE: GETTING MY NEW TEETH FITTED!

 1本目のキャプションでも、「べニアの最新治療」となっているが、これはオールセラミック施術だと歯科医がTikTokで指摘した。

@dentist_emi

Let’s talk about Katie Prices ‘veneers’. ##veneers ##dentist

♬ original sound - Dentist Emi

【40歳ごろには入れ歯になる可能性も】

 イギリスのエミー・モーソン歯科医師は、ラミネートべニアとオールセラミック治療には、大きな違いがあるとし、ケイティ・プライスの動画で誇示されたサメのように削られた歯について、次のように注意喚起を促した。


これは、クラウンを被せるために削られた歯です。クラウンとべニアの違いを理解せずに施術を受けることで、後年歯に壊滅的な結果をもたらす可能性があります。

 また、ロンドンのシャーディ・マノウチェリ歯科医師も、TikTokインフルエンサーが受けた施術に対し、同様にTikTokで「クラウンで埋めた歯は、40歳になる頃には入れ歯を必要とする可能性もある」と警告。

@drshaadimanouchehri

##veneers ##veneerscheck ##veneers_smile ##veneersjourney ##dentist ##dentistry ##dentalstudent ##makeover ##pov ##homesalon ##haircare ##fy ##fyp ##foryou ##foru

♬ original sound - Dr S Manouchehri

 更に、アメリカ・デトロイトのゼーナッブ・マッキー歯科医師もTikTokでこのように説いている。

@drzmackie

Difference between crowns & veneers! ##tiktokpartner ##learnontiktok ##veneers ##dentalcrown ##dentist intro vid: @ellisenoorahhamadi

♬ original sound - Your TikTok Dentist

べニア施術は、歯をほんの少し削るだけですが、クラウン施術ではほとんどを削ってしまいます。アメリカやイギリスでは、カスタムメイドのべニア施術をする場合、歯の前歯を最大0.5ミリもしくは全く削らない方法で行っています。


クラウンは、少なくとも2ミリは削ることになるため、多くのインフルエンサーの歯の形はべニア施術ではなくクラウン施術によるものです。

【歯科医ら、健康な歯を削るリスクに注意喚起】

 英米の歯科医は、健康な歯にはクラウンを使用することはないが、トルコなどでは健康な歯を削ってしまうことが多く、必要なスキルを持たない医師も少なくないという。

 事実、歯を削るプロセスは、通常エナメル質で保護された歯の神経を危険に晒すリスクがあるため、健康な歯は削らないことがベストであると歯科医らは説いている。

クラウン施術は、通常抜歯しなければならない虫歯があったり、歯が壊れていたりする場合にのみ行う施術です。

一度歯を削ると、元に戻すことはできません。10年ごとに治療を受ける必要があり、結果的に一生涯費用のかかる治療になってしまうのです。
(マッキー歯科医)

 ちなみに、こちらはクラウン施術とべニア施術の違いを示した動画だ。こちらの歯科医師も、「べニアとクラウンの施術の違いに困惑している患者が少なくない」と述べている。

[動画を見る]
Crowns Vs Veneers - Which is best?
written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:白く美しい歯を手に入れるため、一旦健康な歯を削り「サメの歯」にする施術に歯科医が警告 http://karapaia.com/archives/52296998.html