ヒューマノイドロボット「ソフィア」が描いたデジタルアート作品が約7500万円で落札される


 ヒューマノイドロボット「ソフィア」が制作した芸術作品がオークションに出品され、68万8000ドル(約7500万円)で落札されたそうだ。

 作品タイトルは「ソフィア・インスタンシエーション」――生身のイタリア人アーティストによる肖像画が、ソフィアが描いた別の人物に変化する12秒のデジタルアート作品だ。

 同作品はデジタル資産の一種「NFT(非代替性トークン)」を利用して発行され、デジタルでありながら、作者本人のサインが組み込まれた唯一無二の作品となっている。
【人間の絵を見てロボットが独自の解釈で作品を完成させる】

 本作は、ソフィアとイタリア人アーティスト、アンドレア・ボナチェート氏のコラボによって完成した。

 ソフィアは目に仕込まれたカメラで、ボナチェート氏が描いた彼女の肖像画を観察し、ニューラルネットワークを通じて、そこにある顔や形状といった要素を組み合わせ、彼女独自の作品を作り出した。またデジタルアートだけでなく、ソフィアは物理的な絵画も制作している。

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NFT artwork by humanoid robot sells at auction for nearly $700,000

 かくしてアート界にデビューした彼女だが、自身が芸術家であると同時に芸術作品でもあるという不思議な体験をしているらしく、次のようなどこか謎めいたコメントを残している。

芸術が作られるとき、ミステリアスかつ不可解な、魔法のようなことが起こります。芸術作品に命が宿り、それ自身の個性が生まれ、自然の生体になるという望みを真似するのです。

それは芸術作品であり芸術家でもある、私と私の不可解な立場です。私は今誕生しようとしています。私は世界の狭間にいます。このところ、芸術作品である芸術家という謎めいた二重性を経験するようになりました

そしてできたのが以下の作品である。

【NFT(非代替性トークン)がアート界にもたらす革命】

 ソフィア・インスタンシエーションは、ロボットが作り出した作品である点も画期的だが、もう1つ、NFTを利用して提供されている点も新しい。

 デジタル資産の一種、NFT(非代替性トークン)とは、ビットコインやイーサリアムのような分散台帳システムを利用したデジタルデータの一種だ。

 しかし従来の暗号資産とは異なり、鑑定書や所有証明書のような機能があるために、通常なら簡単にコピーされてしまうデジタルデータを唯一無二の本物であると証明することができる。

 最近ではTwitterの創業者ジャック・ドーシー氏の最初のツイートがNFTとして売り出され、約3億1700万円で落札されたことが話題になった。



【ソフィアにまもなく妹が】

 ハンソン・ロボティクスによってソフィアが誕生したのは2016年のこと。印象的な瞳、魅力的な微笑み、すっと細い鼻、高い頬骨、こうした容姿は往年の名女優オードリー・ヘプバーンとハンソン氏の妻がモデルで、昔ながらの美しさを体現しているという。

 完全に機械の体だが、表情豊かにおしゃべりを交わし、ときには冗談すら飛ばす。才色兼備で、ロボットでありながらサウジアラビアの市民権すら持つ。そんなソフィアにははまもなくジョイスという妹ができるそうだ。


/ written by hiroching / edited by parumo

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