
アメリカ、カリフォルニア州で米英合同の軍事訓練が行われていた。それは高度1万メートルからパラシュートで落下する高高度降下低高度開傘(High Altitude Low Opening, HALO)だ。
ところが1人の兵士がコントロールを失い着地に失敗、民家の屋根を突き破って台所に落ちたという。幸いにもこの兵士は軽症で奇跡的に生き残った。
【高高度降下低高度開傘演習】
7月6日、カリフォルニア州兵の基地があるキャンプロバーツでは、英米合同の軍事演習が行われていた。この時行われたのは、高さ1万メートルからパラシュートで落下する“高高度降下低高度開傘(High Altitude Low Opening, HALO)”の訓練だ。
高高度降下低高度開傘は、パラシュートによる潜入作戦に用いられるために開発された降下方法で、その頭文字を取ってHALO降下とも呼ばれている。
視認外である高高度(1万メートル程度)を飛ぶ航空機から降下し、自由落下して低高度(300m以下)でパラシュートを開き敵地に降下・潜入する。
高度1万メートルでは気圧が地上の1/4、大気温は氷点下50度(地表約15度)を下回ることがあるので、ダイバーは酸素マスクと防寒着衣がなければ失神する危険性もあり、HALO降下を行うには十分な訓練が必要となる。
屈強な兵士であっても強烈な寒さや気圧の変化に長時間さらされるため、体調不良を引き起こすことがあるそうで、この訓練の過酷さがわかるだろう。
ちなみに俳優トム・クルーズは、映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の撮影中にHALO降下に挑戦している。
HALO落下訓練風景
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High Altitude Low Opening (HALO) Jump GoPro Footage【着地に失敗した兵士が民家の屋根に突っ込む】
ところが午後4時55分頃、今回の演習で自由落下した兵士の1人が、高さ300メートル以下の低高度でパラシュートを展開するはずがうまくいかず、コントロールを失って同州アラメダ郡サン・ロレンゾにある民家の屋根に激突してしまった。
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複数の通報を受けて現場に駆けつけたアタスカデロ警察と消防隊によると、兵士は軽症で済んだという。更に幸運なことに、民家の住人は当時外出中だった為、他に負傷者は出なかった。
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落下の衝撃音は鳴り響き、複数の近隣住民が何事かと家の周りに集まった。近所に住む看護師のローズ・マーティンさんは、目撃した住人に呼ばれ倒れている兵士に声をかけ、安否確認を行ったという。
兵士は痛そうにしていたものの意識はしっかりしていたという。どこかを負傷している可能性もあるので、ローズさんは兵士を動かさず、救急隊が来るのを待った。
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天井を突き破って落下した兵士は台所に倒れていたそうだが、幸いなことにキッチンカウンターや冷蔵庫に頭をぶつけることなく、うまい具合に床に着地したことで重症を免れたようだ。
ちなみにこのパラシュートはイギリス軍部隊のものであるそうだ。また、残りの訓練グループは指定された着陸場に無事着陸したという。
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Parachutist falls through roof of Atascadero home
記事全文はこちら:軍事演習によるパラシュート訓練着地失敗。民家の屋根を突き破る https://karapaia.com/archives/52304103.html
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