マインクラフト内でロシア連邦保安庁の仮想建物を爆破しようとした少年に懲役5年の実刑判決
 ここで注意して欲しいのは実際の建物ではないことだ。『マインクラフト(Minecraft)』というビデオゲーム内にある仮想建物である。

 マインクラフトは、自由にブロックを配置し、建物を作ったり、サバイバル生活を楽しめる自由度の高い世界的に人気のゲームである。

 そのゲーム内で、16歳少年が、ロシア連邦保安庁(FSB)の建物を爆破する計画を立てたことが発覚し、ロシアの軍事裁判所で、懲役5年の実刑判決が下されたという。

仮想空間内の建物爆破計画は「テロ活動訓練」にあたると実刑判決 ロシア・シベリアの軍事裁判所で実刑判決を言い渡されたのは、16歳の少年、ニキータ・ウヴァーロフでだ。その罪状は「テロ活動のための訓練」であるという。  シベリア、カンスク在住のウヴァーロフと、他2名は、破壊行為の容疑で裁判中の数学者と活動家を支持する旨のビラをロシア連邦保安庁(FSB、その前身はKGB)の建物を貼ったことで、2020年夏に拘束された。

 その際、ロシアの捜査当局が、彼らのパソコンやスマホなどを押収して調べたところ、マインクラフト内に作った仮想空間内の連邦保安庁の建物を爆破する計画について、やりとりを交わしていることが発覚した。

 捜査当局によると、少年らはゲーム内での爆破装置の作り方を調べたり、廃屋でそれを爆発させる練習もしていたという。

 当初、ウヴァーロフらは「テロ組織への参画」という重い罪に問われていたが、こちらは証拠不十分で取り下げられ、実刑5年の判決となった。

 またウヴァーロフ以外の2名は、当局の捜査に協力したため執行猶予付きの判決が下った。

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【4261】3名俄青年在《Minecraft》遊戲炸掉FSB大樓 被判監最高9年自分はテロリストではない。少年は無罪を主張 地元紙の報道によれば、ウヴァーロフは捜査当局から相当な圧力をかけられたと主張しており、爆破計画については否定しているという。

 法廷では「最後に言いたいのは、私はテロリストではないということです」と、自らの無罪を訴えた一方、仮に有罪になれば「良心と尊厳」をもって刑に服すと述べていたそうだ。

 16歳少年がゲーム内で架空の建物を爆破計画しただけで懲役5年の実刑はひどすぎると一部批判の声も上がっている。近年急増するロシアでの若者のテロ容疑による逮捕 近年、ロシアでは若者がテロ容疑で有罪となり、物議を醸している。

 たとえば2020年8月、無政府主義グループに所属する活動家3名がプーチン政権の転覆を図ったとして実刑判決を受けた。

 さらにロシア連邦保安庁によって4名が執行猶予付き判決を言い渡されたが、こちらは支援者がでっち上げであると主張している。

 また2020年2月、無政府主義と反ファシズムを掲げる若者7名が、テロ容疑などで6~18年の実刑判決を受けた。

 彼らは2017年と18年に逮捕されていたが、その大半が拘束中に拷問を受けて、自白を強要されたと主張している。

References:Russian teenager jailed over ‘Minecraft plot to blow up virtual spy HQ’ | Russia | The Guardian / written by hiroching / edited by parumo

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