
これは私も常々思っていた疑問なのだが、南の端っこにある南極と、北の端っこにある北極、どちらも地球で一番寒い地域だが、どちらの方がより寒いのだろう?
北半球に住む人だと、北側に行けば行くほど寒いイメージがあるので北極なのかなー?なんて漠然に思っていたが、南半球に住む人だと逆のイメージとなるわけだ。
実はどちらかの方が圧倒的に寒いという。
南極の方が圧倒的に寒かった 北極・南極、どちらとも寒い。その理由は太陽からの光が直接当たらないからだ。真夏であっても太陽は地平線の低いところにあるし、冬になれば数ヶ月顔を出さなくなる。
くわえて白い氷や雪が光を反射してしまうことも、極地を寒くする原因の1つだ。
でもどちらかが圧倒的に寒いのだ。それは南極だ。
ウッズホール海洋研究所によると、北極の平均気温が冬はマイナス40度、夏は0度なのに対して、南極はマイナス60度とマイナス28.2度である。
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Photo by NOAA on Unsplash
なぜ南極の方が寒いのか? 同じ極地でありながら南極が圧倒的に寒いのは、主に大陸であるかどうかの違いだ。北極は陸地にかこまれた”海”であり、南極は海にかこまれた”陸地”なのだ。
北極では水は冷えるのも温まるのも陸よりゆっくりだ。おかげで過激な気温になりにくい。北極海が氷におおわれている時期でも、水の温度が相対的に暖かいため、南極よりも気温が温暖に保たれる。
また北極は海と同じ高さにあるのに対して、南極はもっとも標高の高い大陸だ(平均2300メートル)。標高が高くなれば、気温が下がるのはご存知の通りだ。
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ご覧の通り南極は陸だが、北極は海だ / image credit:iStock氷が厚いのはどっち?量が多いのはどっち? 北極も南極も、1年を通じて氷の厚さが変わる。冬になれば、氷が大きく成長するし、夏の盛りには解けて小さくなる。こうした氷の変化の大半は、成長と融解を繰り返す海氷によるものだ。
北極はほぼ陸に囲まれているので、海氷は南極ほど自由に動き回れない。だから1ヶ所にまとまりやすく、南極よりも分厚くなる。
ゆえに氷が分厚いのは北極で、厚さ2~3m、南極では1~2mだ。
北極の海氷の平均的な大きさは、最小時650万km2、最大時1560万km2。一方、南境の海氷は 最小時310万km2、最大時1880万km2と小さい。
氷の総量なら南極の方が明らかに多い。
南極には海氷だけでなく陸氷もあるからだ。
南極は厚さ4.8kmの氷床が、1370万km2(米国とメキシコを合わせたくらい)もの広さをおおっている。る国立雪氷データセンターによると、南極の氷は、世界の氷の9割を占めるほどの量だという。
膨大な量であるゆえに、南極の氷は夏であってもそれほど量が変わらない。夏に解ける氷は、冬の氷のほんの一部でしかないのだ。
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photo by iStock
北極の氷は減少、南極は増減を繰り返す 北極と南極の氷の調査からは、北極の海氷は過去30年で厚さも面積も大幅に減少していることが明らかになっている。これは北極の温暖化と合わせるように起きている。
困ったことに、これは負のサイクルとなる。氷がなくなると、気温が上がりやすくなり、それがさらなる氷の融解につながる。
一方、南極の陸と海の氷は、過去40年で減ったり増えたりしている。南極の気候には大気と海洋の循環が大きく作用しており、より複雑なプロセスなのだ。
References:Which is colder: The North or South Pole? | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
追記:(2022/06/9)本文を一部訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
北半球に住む人だと、北側に行けば行くほど寒いイメージがあるので北極なのかなー?なんて漠然に思っていたが、南半球に住む人だと逆のイメージとなるわけだ。
実はどちらかの方が圧倒的に寒いという。
その答えはこの後すぐ!
南極の方が圧倒的に寒かった 北極・南極、どちらとも寒い。その理由は太陽からの光が直接当たらないからだ。真夏であっても太陽は地平線の低いところにあるし、冬になれば数ヶ月顔を出さなくなる。
くわえて白い氷や雪が光を反射してしまうことも、極地を寒くする原因の1つだ。
でもどちらかが圧倒的に寒いのだ。それは南極だ。
ウッズホール海洋研究所によると、北極の平均気温が冬はマイナス40度、夏は0度なのに対して、南極はマイナス60度とマイナス28.2度である。
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Photo by NOAA on Unsplash
なぜ南極の方が寒いのか? 同じ極地でありながら南極が圧倒的に寒いのは、主に大陸であるかどうかの違いだ。北極は陸地にかこまれた”海”であり、南極は海にかこまれた”陸地”なのだ。
北極では水は冷えるのも温まるのも陸よりゆっくりだ。おかげで過激な気温になりにくい。北極海が氷におおわれている時期でも、水の温度が相対的に暖かいため、南極よりも気温が温暖に保たれる。
また北極は海と同じ高さにあるのに対して、南極はもっとも標高の高い大陸だ(平均2300メートル)。標高が高くなれば、気温が下がるのはご存知の通りだ。
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ご覧の通り南極は陸だが、北極は海だ / image credit:iStock氷が厚いのはどっち?量が多いのはどっち? 北極も南極も、1年を通じて氷の厚さが変わる。冬になれば、氷が大きく成長するし、夏の盛りには解けて小さくなる。こうした氷の変化の大半は、成長と融解を繰り返す海氷によるものだ。
北極はほぼ陸に囲まれているので、海氷は南極ほど自由に動き回れない。だから1ヶ所にまとまりやすく、南極よりも分厚くなる。
ゆえに氷が分厚いのは北極で、厚さ2~3m、南極では1~2mだ。
北極の海氷の平均的な大きさは、最小時650万km2、最大時1560万km2。一方、南境の海氷は 最小時310万km2、最大時1880万km2と小さい。
氷の総量なら南極の方が明らかに多い。
南極には海氷だけでなく陸氷もあるからだ。
南極は厚さ4.8kmの氷床が、1370万km2(米国とメキシコを合わせたくらい)もの広さをおおっている。る国立雪氷データセンターによると、南極の氷は、世界の氷の9割を占めるほどの量だという。
膨大な量であるゆえに、南極の氷は夏であってもそれほど量が変わらない。夏に解ける氷は、冬の氷のほんの一部でしかないのだ。
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北極の氷は減少、南極は増減を繰り返す 北極と南極の氷の調査からは、北極の海氷は過去30年で厚さも面積も大幅に減少していることが明らかになっている。これは北極の温暖化と合わせるように起きている。
困ったことに、これは負のサイクルとなる。氷がなくなると、気温が上がりやすくなり、それがさらなる氷の融解につながる。
一方、南極の陸と海の氷は、過去40年で減ったり増えたりしている。南極の気候には大気と海洋の循環が大きく作用しており、より複雑なプロセスなのだ。
References:Which is colder: The North or South Pole? | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo
追記:(2022/06/9)本文を一部訂正して再送します。
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。
』
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