ドローンで溺れていた少年の救助に成功、ライフガードよりも先に救命胴衣を届ける
 近年、ドローンは様々な分野で活用されている。スペインでは特別設計のドローンが、事故や災害などの緊急事態にいち早く対応するファーストレスポンダーとして使用されているようだ。


 先日、海で溺れそうになった14歳少年が確認された。ライフガードが到着する前に現場に到達し、いち早く救命胴衣を届けることに成功。おかげで、少年は命を救われたという。

ドローンをファーストレスポンダーとして活用 2017年以降、スペイン・バレンシア州サグントでは、ドローンをファーストレスポンダーとして活用している。

 緊急事態の場合、救急隊などの到着が間に合わないこともある。そんな時に現場で、いち早く対応するのがファーストレスポンダーだ。


 専門的な訓練を受けた者が、特別に設計されたドローンを操縦し、救助活動を援護する。

[動画を見る]

Drones de la Generalitat Valenciana

 災害救助用のドローンは、元ライフガードのエイドリアン・プラザスさんとエンリケ・フェルナンデスさんにより共同設立されたスタートアップ企業『General Drones』によって設計、開発された。

 2人は過去、海に飛び込み荒れた海から女性を救助した。救出時には意識があったが、救援に来たジェットスキーに乗せた後に死亡した。この経験でから、わずか数秒の差が人の生死を大きく左右するということを実感した。

 そこで彼らは、緊急時に素早く現場に到達できるドローンに目を付け、エイドリアンさんはサグントの工場でエンジニアとして働き、フェルナンデスさんはドローン製造に従事した。


 こうして専門知識を得た2人は、企業を立ち上げ、湿った空気の中での強風に耐えられる特殊な救助用ドローンを開発したのだ。[画像を見る] 海で溺れた少年をドローンが救助することに成功 7月1日、このドローンを活用して14歳の少年を海から救出することに成功した。

 この日、ビーチには「遊泳時には注意が必要」という警告を示す黄色い旗が掲げられており、海に入った少年は溺れてしまった。

 緊急事態を聞きつけた地元のライフガードサービスは、すぐにドローンをファーストレスポンダーとして海へ送った。

 その後、2人のライフガードがストレッチャーを背負ってジェットスキーで少年がいる場所へと向かったが、強い波と速い潮流れで海は荒れており、スムーズに辿り着くことができなかった。

 しかし、ドローンのコードに取り付けられた救命胴衣は、いち早く少年の元に到達し、危機一髪のところで少年の命は救われたという。


[動画を見る]

Un dron lanza un salvavidas y evita que un nino de 14 anos se ahogue en una playa de Sagunto

 後にドローンのカメラを確認すると、少年は疲れ果てていて、ドローンが救命胴衣を届けなければ、そのまま溺れてしまう可能性が高かったようだ。

 その後、ライフガードは少年の安全を確保し、ジェットスキーに乗せてビーチに戻った。

 少年は、地元の病院に搬送されたが、翌日には退院できたようだ。

 今回のドローンによる救助活動は、バレンシア地域で5回目となるそうだ。

 General Dronesが開発した救助用ドローンは、バレンシア州でイノベーション賞を受賞しており、同企業は現在同州で20の地域にサービスを提供しているということだ。

[動画を見る]

Un dron lanza un salvavidas y evita que un nino de 14 anos se ahogue en una playa de Sagunto
References:Video shows drone rescuing drowning boy from dangerous seas/ written by Scarlet / edited by / parumo

画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。