
日本でも海外でも一般的に、幼稚園入園までにオムツを取ることが多いようだ。集団生活を送るにあたり、特別な身体的事情がない限り、自分でトイレに行ける方が望ましいとされている。
だがスイスの場合、おむつを着用したまま小学校に通う子供たちが少数ながら存在するという。低学年ならまだしも、11歳の子もいるという。
本人の自主性を重んじているのかどうかはわからないが、親から適切なトイレトレーニングを受けることなく育ったのが理由のようだ。
その場合、おむつ交換などは学校の教師が行わなくてはならない。教師らは、この事実を発表することで、親にトイレの使い方を教えるようお願いしている。
おむつを着用したまま登校する子供たち
スイスの教師らは、最近、トイレの使い方を学ばなかったために、おむつをしたまま学校に通っている生徒たちがいることを報告した。
ヨーロッパでは、4歳から幼稚園(プレスクール)が始まるのが一般的だ。だが、スイスでは4歳の子供たちがまだおむつを着用しているというケースは、珍しくないそうだ。
特に何らかの心身的事情を抱えた子たちではなく、ごく普通の家庭の子ですら、親がトイレトレーニングをしなかったことによりおむつがはずれない。
しかも、11歳になってもおむつをして登校している子もいるという。
おむつ交換や掃除は教師に求められる
教師らは必要に応じて、おむつを掃除したり交換したりすることが求められており、やるべき仕事が増えてしまう。
この問題は、何らかの措置をとらなければならないほど深刻化しているという。
スイス北部アールガウ州にある学校の校長は、夏休み後に子供たちが学校に戻ってくるときには、おむつが外れている状態にしなければならないことを保護者に知らせるためのイベントを企画していると伝えられている。
一方、別の学校では、教師には生徒らのおむつ交換をする責任はないことを、保護者に知らせるためのチラシを配布している。
心身的な問題を抱える子供たちとは区別して考える問題
「スイスの教師のための統括組織」の会長を務めるダグマー・レスラー氏は、地元メディアにこのように語っている。
親には、学齢期の子どもたちのトイレトレーニングを済ませ、おむつを着用しないようにする義務があります。
11歳の子どもが、おむつをして学校に来るのは憂慮すべき事態です。教師は生徒のおむつを替えるためにいるわけではありません。
ただし、身体的な問題を抱えた子供たちや、心理的トラウマや親のネグレクトの影響を受けている子供たちとは区別して考えなければならない問題であることをレスラー教授は指摘する。
普通の子供たちは、自らトイレに行けるようにするべきであると指摘し、教師らにこう指導した。
決しておむつをしている子供たちを責めているわけではありません。すべては親の責任です。親に連絡を取り、現在の状況を説明し、トイレトレーニングの重要性を教えてください。
スイスの心理療法士フェリックス・ホフ氏は、家族間のいざこざによるトラウマのため、7歳になっても、おむつ着用が必要な状態で診療所にやって来た少年のことについて語った。
やむにやまれぬ事情でおむつが必要な子がいる。だがそうでない子のために、そういった子のケアがなおざりになってしまうのは望ましくない。
スイス特有の事情なのか?子供用のおむつの売り上げが増加
SonntagsZeitung[https://www.tagesanzeiger.ch/mit-windeln-in-die-primarschule-178567478576] の記事によると、スイスでは、小学生の子供を持つ親によるおむつ交換スタッフ募集の広告が増えているそうだ。
また、スイスで大きいサイズのおむつの売上が増加していることも、憂慮すべき兆候のようだ。
教育学者のマルグリット・スタム氏は、長旅や就寝時に子供におむつを履かせている親たちに次のように警告している。
おむつはますます快適になり、普通のパンツと同じように着用できるようになっています。こうやって、子どもはおむつに慣れていくのでしょうが、それは完全に間違った傾向です。
References:Teachers Sound Alarm on Trend of Students as Old as 11 Still Wearing Diapers[https://www.odditycentral.com/news/teachers-sound-alarm-on-trend-of-students-as-old-as-11-still-wearing-diapers.html]/ written by Scarlet / edited by parumo