女性のための女性による自動車整備工場が誕生。車を待つ間はネイルサービスも提供
 自動車整備工場の整備士というと男性を思い浮かべる人がおおいだろう。だが社会が多様性を受け入れつつある今、アメリカ、ペンシルベニア州に全米初となる女性経営者および女性スタッフによる女性のための自動車整備工場が誕生した。


 この整備工場で働くのは全員女性。女性のための実践的なメカニック・ワークショップのほか、車の修理中にネイルやペディキュアサービスを提供してくれるという。

女性による女性のための自動車整備工場を立ち上げた女性 ペンシルベニア州に住むパトリス・バンクスさんは、有名な化学メーカー「デュポン」で働いていたが、車の修理の仕方を学ぶために仕事量を倍にして、整備士の夜間学校に入学した。

 18歳や19歳の男性ばかりのクラスで、30歳のバンクスさんは唯一の女性だった。やがて企業を辞め、地元の整備工場でボランティアとして働いた。

 その後、2013年に同州アッパーダービーに「ガールズ・オート・クリニック(以下GAC)」を立ち上げた。
[画像を見る]  GACのサービスは、女性のための女性の修理チーム"シーカニック(shecanics) "によって行われる。

 車のケアをしている間、ここではセルフケアも可能だ。

 シーカニックチームがオイル交換やタイヤのローテーション、エンジン警告灯の確認や不具合の原因究明など通常の自動車サービスを提供している間、顧客は待ち時間に無料WiFi、スナックや飲み物、数え切れないほどの本、ネイルサロン「クラッチ・ビューティー・クリニック」でのネイルとペディキュアまで楽しむことができるという。[画像を見る] 自動車修理工場と美容院を組み合わせたアイデアは成功 この自動車修理工場と美容院の組み合わせはバンクスさんの発案によるものだそうだ。

 整備士になろうと思ったきっかけは、男性のぼったくり整備士に利用されないよう自身を守るためだった。
当時、私とデュポンで一緒に働いていたガールフレンドは、昼休みに自動車整備工場に来て車を置いて、待っている間に隣の店でネイルをしてもらっていました。


そこから、この2つを組み合わせるというアイデアが生まれたんです。
 GACは、この種のものとしては全米初となり、カーケア会員、カーケア教育クラス、自分で技術を学びたい女性のための実践的なメカニック・ワークショップを提供している。

 そうすることで、車の知識も増え、過剰な請求にも毅然と対応できるようになる。[画像を見る]  バンクスさんにとって最大の優先事項は、顧客に安心してもらうことだ。
そのための主な戦略は、シンプルで透明性のあるコミュニケーションです。

メカニックが車を覗いて確認すること、たとえば異音や異臭、見るからにそれとわかる変形や破損、いつもと違う感じなども、そうしたコミュニケーションがあれば顧客もわかるようになるんですよ。


人々は、特に女性はガードを固めてやってきます。信頼してもらうためには、その警戒心を解かなければなりません。

だから1番大切なのは、きちんと顧客の話を聞いて意見を尊重すること。

顧客が自分と話しているとき、目を見て会話をすること。

そして、顧客に気持ちよく修理やメンテに見合ったお金を支払ってもらえるようにすることです。
[画像を見る] 多様性と男女平等を認める社会の第一歩 バンクスさんのビジネス・アイデアは唯一無二かもしれないが、これは大きなトレンドの一部だ。


 現在、自動車修理業界に参入する女性は前よりずっと増えている。

 労働統計局によると、1999年には自動車修理業界に占める女性の割合はわずか1.4%だった。それが2022年には12%を記録した。

 多様性が広がり、職に対する男女の偏見をなくす社会に向けての第一歩として、バンクスさんはビジネスで成功を収めている。

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TEDx: How I Plan on Disrupting the Automotive Industry in my Red Heels - Patrice Banks

References:This all-female auto shop let's you get a mani-pedi while your car gets a tune-up / written by Scarlet / edited by parumo

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