マクドナルドのハッピーセットからスマイルが消えた理由
image credit:McDonald’s UK

 ハッピーセットにもスマイルなしの時がある。みんなも無理しなくていいんだよ。
無理に笑顔を作ろうとする子供たちのため、イギリスのマクドナルドが動いた。

 現在「メンタルヘルス啓発週間」中のイギリスでは、マクドナルドがハッピーセット(海外ではハッピーミールと言う)の箱にある笑顔を一時的にやめ、親子で感情やメンタルヘルスについて会話を促すキャンペーン「The Meal(ザ・ミール)」を展開中だ。

 その目的は、子供たちに心の健康の重要性を知らせることだ。

 いつも明るくハッピーでなきゃいけない、何があっても平然としてなければ、というプレッシャーを感じている彼らに、本当の気持ちを打ち明けやすい環境を作ることだ。

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McDonald's | The Meal英マックが「ハッピー」を一時中断するキャンペーン マクドナルドの子ども向けのセットメニュー、ハッピーミール(日本ではハッピーセット)といえば、笑顔を思わせる専用パッケージに小さなおもちゃのおまけつきなど、子供たちが喜ぶようなイメージが定着している。

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 そのイメージは海外も同様なのだが、イギリスのマクドナルドはある目的のため、一部の店舗でその笑顔をしばらく消すという「ハッピー」を一時中断するキャンペーンを開始した。
イギリスのメンタルヘルス啓発週間の一環 イギリスは今月13日から毎年恒例の「メンタルヘルス啓発週間」を迎えている。

 イギリスのメンタルヘルス財団主導のもと、2001年から始まったこの週間は、毎年5月に開かれる大規模イベントで、期間中は社会のあらゆる側面の人々が、心の健康にポジティブに向き合う活動に専念する。

 今回のマックのキャンペーンもその一環だ。

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 BBCの子供用チャリティ番組「チルドレン・イン・ニード」と提携し、ハッピーミールでおなじみの象徴的な笑顔を一時的に消すことにしたそう。プレッシャーから幸せそうにする子供たち にしてもなぜ、箱の笑顔を消すことにしたのだろう?

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 本企画を提案したのは、イギリスの広告代理店だが、きっかけになったのはマクドナルドが委託した新しい調査の結果だ。

 その調査から、イギリスの子供たちの半数近くが「自分がそうしたくなくても、いつも幸せそうにしてなきゃいけない」と感じていることが明らかになった。


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 いつも幸せに見えるよう笑顔をみせる子供たち。こうした現実から今回の企画、その名もハッピーミールからハッピーを無くした「The Meal(ザ・ミール)」が限定販売される運びとなった。「幸せはずっと続くもの」という考えに疑問 期間中、イギリス・マクドナルドは、ハッピーマークをなくすことで「いつも幸せでなくてもいいんだよ」というメッセージを子供たちに送っている。

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 またこの限定パッケージと共に、いろいろな感情を示せるステッカーを提供するほか「チルドレンイン・ニード」と連携した特設サイトを設け、家族間の対話をうながすコンテンツも公開中だ。

 おとぎ話のように、幸せはずっと続くもの、という考えに疑問を投げかけるマクドナルド。子供たちが素の感情を出せるようにする取り組みは、海外メディアでも取り上げられている。


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 まあなんだ。大人になると子供はいつも幸せでいて欲しい、そうあるべきだ、と思いがちだったり、親だとなおさら無意識にその希望を押し付けがちになるのかもしれない。

 ただ、自分の子供時代をふりかえってみても、漫画やアニメみたいに毎日ハッピーなどではなかったような。子供でも物心つく頃にはあっちの世界はフィクションだからって割り切って楽しんでると思うんだけど。

 実際は子供には子供なりの社会があって悩みもあり、家庭では親の機嫌をうかがったりなどいろいろあったりするわけで、そのへんはどの国も同じじゃないかな。

References:designtaxi / bristolpost / mcdonaldsなど /written by D/ edited by parumo

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