朝食の香りが漂う目覚まし時計で心地よい目覚めを提供するホテルの新サービス
image credit:IHG

朝食の香りが漂う目覚まし時計で心地よい目覚めを提供するホテル...の画像はこちら >>

 一日の始まりを告げるアラームを、コーヒーやベーコン、マフィンといった”朝食の香り”にするホテルの新サービスが話題だ。

 ホテルグループIHGが、客室ベッドサイド用に開発した目覚まし時計を発表。

その時計はなんとディフューザー付き。アラーム代わりに嗅覚を刺激して食欲をそそる香りを漂わせる。

 眠りに苦心する旅行者に、心地よい朝の目覚めを。ホリデイ・イン エクスプレスが10月から導入する新サービスは、日本でも始まっている。

アラーム代わりに食べ物の香りが漂う目覚ましサービス

 ホリデイ・イン エクスプレスがまもなく導入する風変わりな目覚ましサービスは、アラームではなく、おいしそうな食べ物の香りが漂ってくるというもの。

 ベッドサイドデバイス「ブレックファースト・アラームクロック」が、時間になると”朝食の香り”を漂わせ、起床をうながす。

 香りはコーヒー、ベーコン、ブルーベリーマフィンなど。3種類の香りからお好みで選べるそう。

[画像を見る]

 香りで目覚めたあとは、朝食を楽しみしつつジムで汗を流すもよし。朝っぱらから食欲を刺激され、一刻の猶予もなければ温かい無料の朝食に直行するもよし。

 予定通りに起きれたら外でのんびり朝食をとるのもいい。朝日を浴びて体内時計もリセットされることだろう。

 この目覚ましサービスの動画は、9月30日にインスタグラマーlilyturtonnさんがシェアしたもの。

[画像を見る]

”心地よい香り”で良い目覚めを期待する旅行者が半数以上

 今回の革新的なコンセプトのヒントは、IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)ホテルズ&リゾーツが委託調査で得た結果に基づいている。

 同社の委託を受けた市場調査企業YouGov Plcが、2025年6月30日から7月7日にかけ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、シンガポールの成人(18歳以上)旅行者4,165名を対象に調査を実施。

 その結果、「特に旅行によって睡眠や生活が妨げられたとき、心地よい香りで朝の目覚めが良くなる」と考える人の割合は半数以上の58% にのぼった。

 さらに「最もリフレッシュできる香り」や「心地よいと感じる好みの香り」も調査し、次のような回答が得られた。

・コーヒーまたは紅茶 56%
・クロワッサンやパンなどベーカリー製品 38%
・新鮮なフルーツ 30%
・ベーコンエッグ (オーストラリアで)43%

[画像を見る]

よく眠れない人に”朝の香り”の体験で目覚めと朝食を想起

 この結果について、IHG ホテルズ&リゾーツ東アジア・太平洋地域のコマーシャル担当、バイスプレジデントのディーン・ジョーンズ氏はこう語る。

当社の調査で、多くの旅行者が旅行中によく眠れず、節約または時間が足りないことから朝食を抜くことが明らかになりました。この”朝の香り”体験は、そんな状況にある彼らを目覚めさせるだけでなく、朝食も想起させます。

ホリデイ・イン エクスプレスは、お客様にもっと大切なものを提供することを目指しています。だからこそ、お客様が決して忘れられない体験を提供することで、この考えを新たな高みへと引き上げたいと考えました。

香りの大きな効果はすでに知られていることです。朝一番のコーヒーや焼きたてのクロワッサンの香りは気分を瞬時に変えられます。その体験が無料なら、旅行者の期待もより高まるでしょう

[画像を見る]

コーヒーやベーコン、マフィンで「世界初のホテル体験」日本は梨も

 ホリデイ・イン エクスプレスは、イギリスを拠点に、世界最多のホテルをグローバル展開するIHGブランドの一つだ。

 IHGは2025年9月25日にこのサービスを「世界初のホテル体験」と発表。

 オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、タイ、そして日本の各客室のベッドサイドに、ブレックファースト・アラームクロックを置き、”目覚めの気分を良くする香り”を漂わせる。

 ちなみに朝っぱらからベーコンはちょっと…と思いきや、用意される香りの種類は3種類のこと。

そこからお好みで選べるそうだがそのラインナップは国ごとに異なるようだ。

 メディアによって情報がまちまちなのだが、オーストラリアとニュージーランドはコーヒー、ベーコン、ブルーベリーマフィン。日本では梨、シンガポールとタイではマンゴーなどの香りが提供されるもよう。

[画像を見る]

五感の一つ嗅覚に着目。他にはない一風変わった体験

 最近のホテルの気が利いたサービスとしては、硬さで選べる枕や、遮光ブラインド、水圧が変えられるシャワー、USBポートなど評判だった。

 だが、それにも慣れきった旅行者にとって、このサービスは目新しく映ることだろう。

 仕事や移動で寝不足や時差ボケで起きにくい人も、耳障りなアラームより好みの香りのほうがにつられて自然に起きられるかも。

 トレンドのAIサービスなど先端テクノロジーに飛びつかず、古くからある五感の一つ嗅覚に目を付けたところは面白い。それなら老若男女、世代を問わず通用するし、誰でも気軽に試しやすい。

 たとえ本物の香りではなく、合成香料を使ったものでも、においと記憶は密接に結び付くともいうし、他にはない一風変わった体験として忘れがたい思い出になりそうだ。

[画像を見る]

ホリデイ・イン エクスプレスで10月20日から期間限定でスタート

 注目の「朝食目覚まし時計体験」は、2025年10月20日からオーストラリア、ニュージーランド、日本、およびタイとシンガポールの一部のホリデイ・イン エクスプレスにて期間限定でスタート。

 ホテル経営陣は、この試みが旅行客の朝をより楽しいものにするだけでなく、移動中の生活改善に役立つことを期待している。

 目新しさを模索するホテルにとってユニークな差別化になるが、さて反響はいかに。

 自分ならコーヒーか、さわやかそうな梨一択だが実際どんな香りのラインナップかも気になる。期間中に泊まってみたいな。体験に興味がある人はホリディ・イン エクスプレス予約ページ[https://hiexpress.com/freebreakfast]をチェックだ。

References: Hoteltechnologynews[https://hoteltechnologynews.com/2025/09/holiday-inn-turns-the-smell-of-breakfast-into-a-questionable-hotel-technology-upgrade/] / Ihgplc[https://www.ihgplc.com/en/news-and-media/news-releases/2025/wake-up-and-smell-the-breakfast-holiday-inn-express-launches-limited-edition-scent-powered-alarm-clock] / Hiexpress[https://www.hiexpress.com/hotels/jp/ja/reservation?gad_source=1&gad_campaignid=20851283253&gbraid=0AAAAACuwS9-8x12lpLrqVbxsC2xFgrDh5&gclid=CjwKCAjwtrXFBhBiEiwAEKen15eBzrHDpb1b9gv_8XUU3Si6juLqe9tGCZKm_GObOlvD4Sp5txiS0RoCJwgQAvD_BwE]

編集部おすすめ