東山岡崎エリアにある南禅寺は、臨済宗南禅寺派の総本山の寺院です。境内全体が国の史跡に指定されていて、三門や名勝庭園、歴史ある塔頭など見どころ満載!今回は、新緑の景色がすばらしい初夏の南禅寺を紹介します。
南禅寺について
南禅寺は、鎌倉時代の正応4年(1291)に亀山鳳凰が無普門禅師を開山に迎えて開創されました。鎌倉時代末期に創設され、足利義満が確定した臨済宗の寺格「京都五山・鎌倉五山」の上「五山之上」とされた最高の格式を持っています。via 藤花広大な敷地には天授庵・金地院・南禅院などの塔頭が点在し、それらが豊かな自然に溶け込んでいて、四季を通じて素晴らしい景色を見せてくれます。
特に三門を通してみる桜や紅葉、新緑の風景はまるで一幅の絵のようです。

境内は新緑がキラキラと輝きとてもきれいでした。
南禅寺の境内
南禅寺は、東の勅使門から山門・法堂が一直線に並ぶ禅宗建築特有の伽藍配置となっています。勅使門は通常閉門されているので、すぐ横にある中門が境内への入口です。
そして中門をくぐると見えてくるが三門。
三門からの絶景

歌舞伎の演目「楼門五三桐」では、天下の大泥棒・石川五右衛門が三門から見下ろしたときのセリフ「絶景かな、絶景かな」が有名。
現在の三門は江戸初期の大名・藤堂高虎が大坂の陣で戦死した家来たちを弔うために建立しました。

内陣には入ることはできませんが、外から覗き見ることは可能。
いまだに鮮やかな色彩が残る天井画は一見の価値ありです!

東には京都の町並み、西には南禅寺の伽藍と美しい自然が一望できて、解放感いっぱいでした。
三門から法堂へ
三門のとんでもなく急な階段をおそるおそる降りた後は、法堂へ向かいました。三門から法堂までの参道は両側の新緑が特に美しく、気持ちの良い風も吹いています。
秋は紅葉の絶景が見られるスポットしても有名。

そして天井には今尾景年の幡龍図。
今にも天に登ろうとする龍が堂々たる姿で描かれていました。

ノスタルジックな水路閣

ここへ来るとなぜかみんなアーチの下でポーズをつけたくなるようで。
まさに映えスポットになっていました。

方丈庭園と襖絵
南禅寺境内の最も東にある方丈は、大方丈と小方丈からなっています。共に国宝に指定されている建物で、広縁から見る由緒ある部屋と襖絵を見ることができます。
狩野派の手による襖絵は、新たに復元されたもので、色鮮やかな動物や鳥たちの生き生きとした姿が描かれていました。
小方丈は、伏見城の小書院を移築したもので、狩野探幽の「群虎図」が見られる虎の間が有名です。
描かれている虎の表情は少しユーモラスで私には可愛く見えました!

「虎の子渡しの庭」と呼ばれています。


如心庭
via 藤花
六道庭
via 藤花大玄関を入ったすぐ右手には「滝の間」と呼ばれる部屋があり、そこでは滝を見ながらお抹茶をいただくことができます。私もいただくつもりだったのですが、タイミング悪く修学旅行生の貸し切り状態であきらめました!
庭園が見どころの南禅寺塔頭
南禅寺塔頭の中で、ぜひ立ち寄って庭園を見ていただきたいのが、天授庵と金地院です。天授庵

私が特におすすめなのは池泉回遊式庭園です。
枯山水庭園の向こう、苔むした屋根の小さな門をくぐると新緑と苔の美しさに見とれてしまいました。
奥に蓮の花が咲き誇る池。
池の周りを回遊しながら景色を楽しむことができます。

金地院
金地院は、中門を出てすぐ左に曲がった先にある塔頭です。こちらにあるのは、小堀遠州作の「鶴亀の庭」と呼ばれる特別名勝の庭園。

向かって右の築山を鶴島、左を亀島と見立てて、中央に蓬莱山が配置され、不老長寿と子孫繁栄を祝しているそうです。
金地院には、家康の遺言により建てられた東照宮もあります。

期間限定の特別拝観では、当時そのままの襖絵や小堀遠州作の茶室「八窓席」も見られます。南禅寺は、境内全体と塔頭を回ると、半日では足りないくらいの見どころがたくさんです。
初めて京都の文化財に出会う人にはもちろん、京都歩きのベテランさんも、また新たな発見が期待できるような…南禅寺はそんな奥深い寺院。
新緑に癒されつつ南禅寺境内を散策する、素敵な時間をぜひお楽しみください!

南禅寺の基本情報
・住所 京都市左京区南禅寺福地町・境内自由
拝観時間
・3月1日~11月30日 8:40~17:00
・12月1日~2月28日 8:40~16:30
12月28日~31日は一般の拝観はしていません
拝観料
・方丈庭園/三門 一般600円/高校生500円/小中学生400円
アクセス
・最寄り駅 地下鉄「蹴上」駅 徒歩約10分
・バス 「東天王町」「南禅寺・永観堂道」 徒歩約10分
HP:https://nanzenji.or.jp/