五条烏丸からほど近くにある因幡薬師さんは、古くから民衆のお寺として親しまれてきました。がん封じのご利益でも知られているほか、最近では亡くなったペットのご供養に訪れる人も少なくありません。
因幡薬師について
via 藤花因幡薬師は、正式名を因幡堂平等寺といいます。創建したのは橘行平(たちばなのゆきひら)。平安時代の貴族で、中納言でした。
因幡堂縁起の不思議なお話
平安時代中期の天徳3年(959)のことです。橘行平は、天皇の命により因幡国(今の鳥取県)に赴任しました。無事に任務を果たして帰路についた行平は、その途中で急病にかかります。
行平は、夢枕に立った僧侶の言葉に従い、因幡国賀留津の海から薬師如来像を引き上げました。
お堂を建てて薬師如来像をお祀りすると病は平癒し、無事に京へ帰ることが出来たといいます。

行平は自分の屋敷をお堂としてその薬師如来像をお祀りし、因幡堂と名付けます。
これが因幡薬師の始まりと言われいます。

小さな車輪がついた厨子の中で、頭巾をかぶった珍しい姿でお祀りされているそうで、重要文化財。
また、長野善光寺の阿弥陀如来像・嵯峨清凉寺の釈迦如来像と共に日本三如来の1つでもあります。
因幡薬師境内の様子
因幡薬師は、烏丸五条から1筋東の不明門(あけずもん)通にあります。五条通りから不明門通に入り、少し歩くとその突き当りに見えてくるのが、因幡薬師です。
高いビルを後ろに従えた本堂の大きな瓦ぶきの屋根がすごい存在感!


本堂に向かって右奥にある手水鉢は、とっても風情があります。
苔むした感じが私のツボ!


観音堂
via 藤花その中で気になったのが、十九権現様。権現様とは仏様の、神様としての仮の姿を言います。
明治維新以前は、神仏混合が一般的だったので、その名残だと思います。
由緒を読んでみると後白河天皇が因幡薬師の守り神として勧請を命じられた神様たちがお祀りされているとありました。

本堂と可愛いお守りたち
少し人が少なくなってきたので、本堂にお参りです。ご本尊の薬師如来像は見えませんでしたが、こんなところに仏様がいらっしゃいました。

ペット守りも!
迷子札付きのお守りもあってとても可愛いです。
観光客が群れていた理由はこれ!でした。
確かにいろいろいただきたくなる可愛さです。


足元にはにゃんこの像も鎮座しています。



いつ行っても温かく迎えてもらえるような安心感がある素敵な寺院でした。
次は、毎月8日の手作り市に合わせて参拝しようと思っています!

因幡薬師(因幡堂平等寺)の基本情報
・住所 京都市下京区因幡堂町728・境内自由
・開門時間 6:00~17:00
・寺務所受付 9:00~16:00
・毎月8日は手作り市開催
アクセス
最寄り駅 地下鉄「五条」「四条」/阪急「烏丸」徒歩約5分
バス 「烏丸松原」徒歩すぐ
HP:https://inabado.jp/