京都には、七福神めぐり発祥とされる「都七福神」をはじめとして、いくつかの七福神めぐりがあります。七福神めぐりとは、七福神がお祀りされている寺社をめぐって御朱印をいただく風習で、御朱印を集めている方だけでなく、多くの方が気軽に楽しめる札所めぐりとなっています。
泉山七福神めぐりとは?
泉涌寺参道(泉涌寺道)
via 藤花泉山(せんざん)七福神めぐりとは、京都市東山区にある御寺泉涌寺境内で行われる行事で、毎年成人の日に開催されています。泉涌寺は、月輪山にある寺院でその山のあちこちに塔頭が建てられていますので、緩やかな坂道を上がったり下ったりしながらお参りをすることになります。
参道は両側から樹々が覆う緑豊かな場所ですので、清々しい空気を楽しみながら自分のペースでゆっくりと参拝してみてはいかがでしょう。
泉山七福神巡拝寺院

・即成院(そくじょういん)
・戒光寺(かいこうじ)
・観音寺(かんのんじ)
・新善光寺(しんぜんこうじ)
・来迎院(らいごういん)
・雲龍院(うんりゅういん)
・悲田院(ひでんいん)
・法音院(ほうおんいん)
・楊貴妃観音堂(ようきひかんのんどう)
七福神なのになぜか9柱の神様。
これが泉山七福神の特徴、正確には九福神めぐりです。
七福神めぐりのコースは決まっていませんので、お好きな塔頭寺院からお参りしても良いのですが、坂道の参道を何度も往復するのも大変です。
そこで、私のおすすめの参拝コースを紹介します。

泉山七福神めぐり参拝おすすめコース
巡拝は、泉涌寺の山門手前にある即成院からスタートしましょう。即成院(福禄寿)

なぜ即成院からスタートするかといいますと、こちらで福笹がいただけるからです。
福笹には、巡拝した寺院で吉兆(縁起物の飾り)をつけてもらいましょう。
もちろん、御朱印だけをいただくこともできますよ。
即成院で毎年10月第3日曜日に行われている「二十五菩薩お練り供養」では、極楽浄土へ向かう菩薩様たちが境内を練り歩きます。
また那須与一ゆかりの寺院としても有名です。
【過去動画】京都・即成院の「二十五菩薩お練り供養」(2019年10月20日 京都市東山区・泉涌寺即成院)
https://www.gensegokuraku.com/via www.youtube.com戒光寺(弁財天)

戒光寺には、芸能上達・財運上昇・学問成就などのご利益があるとされる弁財天がお祀りされています。

台座から光背までが約10mもあり、とても迫力があります。
じっとお顔を見上げていると包み込まれるような安心感。
私の好きな仏像の1つです。
また、新選組隊士でありのちに御霊衛士となった藤堂平助や伊東甲子太郎らのお墓があることでも知られています。
新選組ファンにとってはまさに聖地!
http://www.kaikouji.com/
法音院(寿老人)

お祀りされているのは、病気平癒・健康長寿などのご利益があるとされる寿老人(じゅろうじん)です。
寿老人がお祀りされているお堂は、山門をくぐって右へ入ったところです。
また、法音院の書院は、伏見城の遺構が移されたと伝わっています。
https://houonin.com/
新善光寺(愛染明王:番外)

その坂を下ったところにあるのが新善光寺です。
こちらでは夫婦円満・良縁成就のご利益があるとされる愛染明王(あいぜんみょうおう)がお祀りされています。

https://www.shinzenkoji.com/
今熊野観音寺(恵比寿神)

新善光寺から参道を上ると、3本の道に分かれた場所があります。

鳥居橋を渡り、門をくぐると今熊野観音寺です。

最近では紅葉の名所としても人気のあるスポット。
その今熊野観音寺には、商売繁盛の神様・恵比寿神がお祀りされています。
https://www.kannon.jp/
来迎院(布袋尊)

下り坂の方は、泉涌寺墓地方面への道。
ゆるやかな上り坂の方を進むと、大石内蔵助ゆかりの来迎院が見えてきます。

来迎院も紅葉の絶景が見られるお寺なのですが、今のところ知る人ぞ知る穴場スポット!

穏やかに紅葉を楽しみたい方にはとってもおすすめです。
https://raigoin.com/
楊貴妃観音堂(楊貴妃観音:番外)

門をくぐってすぐ左へ行くと楊貴妃観音堂です。
こちらには楊貴妃観音がお祀りされています。

そのため、美人祈願に訪れる方が後を絶たないとか。
雲龍院(大黒天)

雲龍院には、五穀豊穣・商売繁盛のご利益があるとされる大黒天が台所にお祀りされています。
こちらの大黒天は「走り大黒天」とも呼ばれています。
福々しい笑顔の大黒様ではなく、怖い表情で今にも走り出しそうなお姿。
これは、少しでも早く福を届けようと集中されている様子だとか。

特に早春の梅、秋の紅葉の頃が美しいです。
ただ七福神めぐり当日は道内の参拝が出来ないそうなので、気になる方は改めてお参りしてみてくださいね。
https://www.unryuin.jp/about/
悲田院(毘沙門天)

泉涌寺大門から再び参道を下ると、悲田院へ向かう脇道があります。

悲田院とは、身寄りのないお年寄りや子供たちを収容する福祉施設のようなものです。
聖徳太子が四天王寺に建てたものや興福寺内にもあったそうで、平安時代には東西に2つの悲田院が設けられていました。以上で、泉山七福神(九福神)めぐりは完了!
ゆっくりと散策しながら巡っても3時間ほどあれば回りきれるほどの手軽さですので、スケジュールが合えばぜひご参加ください。

初夏の観音寺
via 藤花なお、当日に参加できなくても御朱印は通年で授与されていますので、気候の良い時を選んで巡拝するのもおすすめです。泉山七福神めぐり 基本情報
・開催場所 御寺泉涌寺境内 京都市東山区泉涌寺山内町・開催日 2025年1月12日(日) 毎年成人の日
・開催時間 9:00~16:00
アクセス
最寄り駅 京阪・JR「東福寺」徒歩約20分
バス 「泉涌寺道」徒歩約15分
https://mitera.org/