歌手・声優の小林愛香が、6月23日に待望の1stアルバム『Gradation Collection』をリリース。メジャーデビュー以降プロデュースを手掛ける田代智一や、彼が参加する音楽プロデュースチーム・Q-MHzによる楽曲を中心に、これまでライブで歌唱してきた未音源化の楽曲をはじめとする新曲11曲を収録。
既発シングルの表題曲2曲も収めた大充実の1枚に仕上がった。本稿では、小林へのインタビューを敢行。ライブ映え必至のロックナンバーから“念願”と語ったバラードまで多彩すぎる楽曲たちに、歌声で込めた想いに迫る。

【動画】小林愛香「AMBITIOUS GOAL」ショートver.


小林愛香としての“芯”をもちながら、何色にも染まれる姿を表現した1枚
――まずは、初のアルバムが完成した今の、率直な想いからお聞きしたいのですが。

小林小林愛香 すべての作業に関わらせていただいているんですけど、曲もアートワークも手に取ってすごく満足感のあるものになりました。それがようやくひとつの形になって皆さんのもとに届くんだなぁという実感もすごくあって……今はアルバムが皆さんのところに届くことが楽しみで、ドキドキしています。


――アートワークについては、今回もイラストレーター・かとうれいさんがイラストを担当されています。どんなイメージのリクエストをされたのでしょうか?

小林 今回は“浮遊感”がテーマになっていまして。かとうさんに描いていただいたイラストも浮遊感やちょっと大人っぽさもあってすごく素敵ですし、ブックレットでもコンセプチュアルに、笑わずに割とクールめな表情をしているものが多いんです。

――それは、どんなねらいから?

小林 何色でも着れるし何色にもなれるけど、芯がひとつ通っているようなイメージがそこで生まれているのも、素敵だと思っています。あとブックレットは、曲ごとに違う色を使っているのも特徴なんです。普段はそんなに色を決めたくないんですけど、今回はタイトルにちなんで、全部違う色合いだけどグラデーションで繋がっていく感じを表現したくて。
背景などにもこだわりました。

――完全生産限定盤や初回生産限定盤も、デザインの点にこだわりが?

小林 あります。初回生産限定盤の三方背ケースには穴が空いていて、CDケースにセットするとその穴から中のデザインの一部が見える仕様になっています。ひと味違った印象を感じられる楽しいケースになっているんです。あと完全生産限定盤は缶ケースになっていて……これ、「あいきゃん(=Can)ケース」って言ってるんですけど(笑)。これを実現させるのもあいきゃんチームの夢で、「絶対、アルバムだったらできる!」とみんなで頑張って叶えたのが、この“きゃんケース”なんです(笑)。
飾ってあるだけでもすごくテンションが上がるようなものに仕上がりましたし、聴いてもまた楽しいし……毎回全部こだわっているんですけど、みんなで「またいいのができてしまったね」と言っています(笑)。

――収録曲はシングル表題曲以外すべて初音源化の曲ですが、昨年のオンラインライブで歌われた曲も4曲収録されています。

小林 みんな今まで何の曲なのかわからないまま「新曲だ!」という感じで聴いてくれていたと思うので、ようやく「この曲はアルバムの曲だったのか!」って謎が解けたような感じがするんじゃないでしょうか(笑)。でも最高な曲ばかりなので、早く皆さんに届けたかったんですよ! もう手に取っている人もいるかもしれないので、今は早く感想を聞きたいですね。

――今回のアルバムタイトル『Gradation Collection』には、どんな意味を込められたのでしょう?

小林 メジャーデビューシングル「NO LIFE CODE」のときから、アーティスト活動のキーワードに挙げていたものの中に“グラデーション”というものがありまして。今回は1枚のアルバムの中でいろいろな面を見せているけれども、それは全部ひとつのグラデーションとなって繋がっていて。
何色にもなるし何色にも染まっている。だけど小林愛香としての芯がある……みたいなものを表現したかったので、「Gradation」という言葉は絶対入れたいなと思っていました。あとは響きと……文字の並びがきれいなものがいいな、って(笑)。“G”と“C”もちょっと似てるし、「tion」で終わるのも気持ちいいかなと思って、全曲揃ってからの全体の雰囲気も踏まえてこのタイトルをつけました。

――また、曲順決めについてはどのように携わられたのでしょう?

小林 あいきゃんチームみんなで聴きながら、ひとつのライブのセットリストを考えるような感覚で決めていきました。「やっぱりメジャーデビュー曲は、いちばん最初にふさわしいよね?」みたいな話をしながら、どんどん決めていって。
だんだん朝から昼に、昼から夜になっていくようなイメージもありつつ、盛り上がれるところもあるようなものになったと思います。

――ライブといえば、オンラインライブで披露された4曲も本作に収録されていますが、そちらはライブ前にレコーディングされたんですか?

小林 一応終えていたので、自分の中では結構歌い込んで皆さんの前で披露させていただいていた感覚でした。ただ「Can you sing along?」だけは、2019年にメジャーデビューを発表したファンミーティングでみんなの前で初めて歌ったあとにレコーディングしまして。だから収録されているものは、そのみんなの熱を感じてから歌ったものになっています。

――ファンの方の反応を受けて、意識が変わった?

小林 はい。2サビから「最高すぎるよ、全部最高!」というフレーズが何度も出てくるんですけど、それがみんなで一緒に歌ったときの“最高”とは違う“最高”になっちゃうような気がしてちょっとモヤモヤしていたんです。


――そのフレーズも含めた終盤の語彙の感じだと、できるだけライブの高まりを反映したい曲ではありますよね。

小林 はい。みんなの熱を受けて、私も「みんなと作ってきた時間が“最高”だ!」と歌に気持ちを込めるからこその曲だなと思ったので……やっぱりこの曲はみんなと作っている歌なんだな、と感じた曲ではありました。

――となるとそのレコーディングと1stツアーの準備段階でも、また気持ちに違いが?

小林 そうですね。最後に録ったときはみんなに会えない状態のなかだったので、とても寂しい気持ちもありました……でも今は、声が出せなかったり普段以上の協力をしてもらいながらではあっても、みんなとライブもできるようになったじゃないですか? 当たり前のことが当たり前じゃなかったりする今、ライブを開催できてみんなの前で歌えることが、何よりもうれしいんです。だから、やっぱり録ったときとも違う感情で……その感情も、ちょっとずつグラデーションしているような感じがしますね。歌うときによって込める意味合いも少しずつ変わってくると思うので、一瞬一瞬を大切に歌いたいです。

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曲の力とファンの声が生んだ?想定外の展開とは
――逆に、去年のオンラインライブ後に制作された新曲もある?

小林 ありますあります。でもライブのときには結構進んでいたような……えっと、「Easy Fizzy」と「Night Camp」と……「Moonlight Balcony」。あと「AMBITIOUS GOAL」もだから……あ、結構ありましたね(笑)。

――その中だと、先ほどあった「朝から夜に向かっていく」というお話しの中では、夜にあたる曲も多いですね。たとえば「Night Camp」とか。

小林 そうですね。「Night Camp」はみんなで一緒に歌っているイメージ。輪になってみんな手を繋いでキャンプファイヤーを囲んで、ちょっと思い出に浸るじゃないけど……文化祭のあとみたいな(笑)、みんなで頑張って何かを成し遂げたあとに、満たされた気持ちでぼーっと炎を眺めているような気持ちの曲なんです。だからひとりで歌っているけど、歌うときの感覚は“ひとり”じゃなくて。みんなと一緒に歌っているようなイメージを持っていたし、そういう未来が来てほしいという願いも込めました。あと、2サビ後の間奏では「オーオー」とみんなで一緒に歌える部分もあるので、そこはいつかみんなで歌いたいし……歌えたら、感動で泣いちゃうかもしれないです(笑)。

――その他に夜を連想する曲だと、直前の「Moonlight Balcony」もですね。

小林 これは「NO LIFE CODE」のカップリング曲「ゆらゆらら」からお世話になっている佐伯youthKさんに作詞と編曲をしていただいた曲なんですけど、その「ゆらゆらら」が朝とか昼に聴きたい曲だとしたら、夕暮れ時に聴きたい曲が2ndシングルのカップリングでご一緒した「Sunset Bicycle」。で、この「Moonlight Balcony」が夜のイメージなので、佐伯さんの作詞・編曲楽曲だけでも1日が感じられるような流れが作れるんですよ。でもそれは最初からそうしようと決めていたわけじゃなくて、たまたまだったんですけどね。

――佐伯さんは歌詞の遊び方自体もとても独特で面白いですよね。歌詞に「0時」と表記されていても、「じゅうにじ」と歌われていたり。

小林 そうなんです。あと、佐伯さんの歌に関しては仮歌を佐伯さんが歌ってくださっていて。それを聴きながら歌を覚えていくんですけど……それはそれで音源化してほしいぐらいのかっこよさなんです(笑)。英語の発音でも「アメリカの人はこういう感じで歌うよ」みたいな本場のニュアンスを入れてきてくれることもあるので、私もそういう部分を見習って取り入れながら、曲の世界観を自分なりに表現していけるように、歌わせていただいています。

――その一方で、勢い全開の曲も散りばめられていますよね。たとえばM2「Heartache soldier」なんて、「NO LIFE CODE」からそのまま続くことにうれしささえ感じるぐらいで。

小林 そうですね。ぶち上がる感じで(笑)。今回のアルバムは、ライブがめっちゃ楽しみになる曲がすごくいっぱいあると思います。ただこの曲、実は最初のテーマは“ウィンク曲”だったんですよ。

――そうだったんですか!?

小林 はい。私が得意なウィンクをバチッと決められるようなタイミングを作る……みたいな曲で。サビ最後の「だから合図はきっと伝わる 秘密の合図 わかるよね わかるよね 君は すぐにわかってよ」という部分がウィンクをするポイント……という裏設定があるんです(笑)。でもこの曲でいちばん強いテーマは“青春”とか“仲間”で。今みたいな世の中になってから生まれた歌なので、仲間と一緒に戦うようなイメージがあるといいますか。どんどん仲間が増えていって一緒に冒険に出ていくような、駆け抜けていくようなイメージの曲なんですよね。

――そういったイメージをもちながら、歌声にもどんどんパワーを込めていった。

小林 そうですね。この曲は歌詞も、結構今の時代に合っている部分が多いので……毎日みんな大変な状況で、明日がどうなるのかもわからないような世界になってしまったけど、みんなひとりじゃなくて私も一緒に戦ってるよ!という気持ちが伝わればいいなと思いながら「君も私も Heartache soldier」と歌っています。

――勢いのある新曲で言うと、「Please! Please! Please!」もオンラインライブでアンコールの最後を飾っていたのがすごく似合っていたように感じました。

小林 あはは(笑)。この曲も最初デモを聴かせていただいたときには、冒険とかバトルモノのEDテーマみたいなイメージがあったんですよ。「きみの声が必要」みたいな言葉もすごいよくて、この曲はこれからも定番になっていく予感がするんですよね。それに今は、思わぬ方向にどんどん広がっていっている曲のようにも感じて。

――想定外の方向に?

小林 はい。皆さんの前では歌っていないけど、オンラインだからこそこれを歌ってよかったなぁって。「みんなの声が必要だよ」と強く伝えられるような歌になったように思うんです。歌うたびに「みんなのことが必要!」みたいな気持ちになれるので、この曲は披露させていただいてからより意味が深まっていったような気がしていますし、きっとこれからもどんどんいろいろな意味を持っていっていろいろな広がりを見せてくれるんじゃないかなと感じました。あと、思ってもみなかった展開というと、実は「Can you sing along?」にもありまして。

――それは、どんな展開ですか?

小林 この曲は『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』の挿入歌になっているんですけど、起用されることが元々決まっていたわけではなかったんですよ。きっと皆さんが、音源化もされていないのに心の中で愛してくださっていた部分が大きいんだろうなと思っていて……いやぁ、すごい曲ですよね。曲自体のパワーが、みんなの心の奥底にも深く深く刻まれていったからなんだろうなと感じられて、うれしいです。これからもきっと、みんなといろいろなものを作っていくなかで、思わぬ展開がいっぱいあるんだろうなぁとわくわくしています。

――『さよなら私のクラマー』というと、他にも主題歌に起用された曲が2曲収録されています。まずTVアニメのOPテーマ「AMBITIOUS GOAL」は、またこれもとてもOPらしい曲で。

小林 すごく口ずさみたくなるような、熱くなれる曲ですよね。それでいて始まりを感じるというか、春らしくて桜の花が舞うような、一瞬のきらめきを感じました。

――曲順の面で「Border Rain」から続くというのも、さらにその始まり感を強くしているように感じます。

小林 うれしいです!「Border Rain」が上がって、あらたな1ページが始まる……という感じですね。

――歌う際にも、やはり全体的にはじまりといったものを強くイメージしながら歌っていった?

小林 はい。「青春って、なんでキラキラしてるんだろう?」と考えたら、一生懸命だからこそだなという結論に至りまして。一生懸命って本当かっこいいなと思うので、この曲では語尾を少し強めに出してみたりと、まっすぐさや一生懸命感が出るような歌い方を大事にしました。



――発売前に公開されたMVのショートバージョンにも始まり感がありましたし、ピンクがメインカラーなので、アルバム全体のカラーとも重なるようにも感じました。

小林 『さよなら私のクラマー』は女子サッカーのお話なんですけど、「女の子だからピンクを着ている」わけじゃなくて。「ピンクを着たいからピンクを着てる」という芯の強さみたいなものをMVで表現したかったんです。それで今回はふたつの衣装どっちもピンクにして……「ピンクでかっこいい歌をうたう」ということが新しいかっこよさにも繋がるのかな、と思います。あとは、桜にもちょっと通じるものもあるのかな、とも感じました。

――一方、同作の劇場版主題歌「空は誰かのものじゃない」ですが、ここまでのどバラードは御自身としては初になりますね。

小林 はい。ただ、声優という仕事を始める前までは、バラードだったりクールめの歌だったり、せつない声が出せるような歌のほうが自分の持ち味が出せるのではないかなと考えていたので、いつかバラードを自分でも歌いたいなと思っていました。映画の主題歌をうたうことも夢だったんですよ。

――いろいろな小林さんの夢が、詰まった存在になった。

小林 そうなんです。でもやっぱり、あまり感情を込めすぎちゃうと伝わらないというのも感じて。青春の輝きを聴いてくださる皆さんにより届けられるように、寂しいだけではなく未来に向かって進んでいく強さみたいなものも歌声に含ませたくて、この曲もとにかくまっすぐ歌いました。

――そういった意図もありつつ、この曲に関しては歌声から優しさも強く感じました。なので表現のさじ加減にも、かなり工夫されたのでは?

小林 そうですね。たとえばサビ前の「明日へ向かってく 涙も汗も一緒に」というフレーズは、1番では「明日」のところにちょっと寂しげなニュアンスを入れたんですけど、2サビ前の「明日はできるかも」ではプラスな「明日」にしたくてちょっと歌い方を変えているんです。こういうふうに同じキーワードでも汲み取れる感情が違うような歌い方を心がけて、1曲の中でちょっとずつ成長する姿を表現したくて。うしろを振り返ったり迷ったりすることもあるけれども、ちゃんと明日に向かっていく強さを表せるように歌っています。



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初の自作詞曲に、自然と滲み出た自分らしさ
――あと、このアルバムには割とミドルテンポの曲も多いですよね。序盤でお話しいただいた「Moonlight Balcony」の他、「Secret Feeling」や「たたたんばりんりずむ」などもありますが。

小林 「Secret Feeling」は、結構自分の中では挑戦した曲になりましたね。今まで私が歌ってきた中でも、特に大人っぽくて艶っぽい曲になっているんです。なので歌い方もちょっと工夫しましたけど、自分の気持ちですごく変わっていくものなんだなと感じまして。「こういうふうに表現したいな」という気持ちを込めながら歌うと、そのまま出るんだなと思いました。

――他の曲と歌い方のアプローチの違いをはっきり感じる曲ですが、それは気持ちとして曲に没入した結果、変わったという感じ。

小林 そうだと思います。声だけを変えると作られたものとしてとらえてしまって、言葉が入って来づらいと思うんです。ちゃんと気持ちを作ってその感情で歌ったほうが、きっと皆さんには伝わるんじゃないかな……と感じました。

――その一方で、「たたたんばりんりずむ」は直前の「空は誰かのものじゃない」からはガラッと雰囲気の変わるポップなナンバーになりました。しかも、初めて単独で作詞をされた曲でもあって。

小林 そうですね。自分のファンクラブのテーマソングみたいなものの作詞をさせていただいたことはあるんですけど、音源化されるのは初めてなので、何回も田代さんに提出して添削していただいて勉強させていただきました。

――歌詞のテーマは、どのように決まったのでしょうか?

小林 田代さんとお話ししているなかで「できる楽器はある?」と聞かれたときに「タンバリンならできます」と言ってしまったことがあって(笑)。その場では深く聞かれるようなことはなかったんですけど、アルバム曲の候補を眺めていたら、その中に「タンバリン曲」という仮タイトルのものがあり……(笑)。

――実は田代さんが、その会話を覚えられていた(笑)。

小林 はい(笑)。「アルバム曲には、あいきゃん作詞のものをチャレンジとして入れてみよう」ということもあって、この曲の作詞をすることになりました。

――その“タンバリンの音”というモチーフを、胸の鼓動に重ね合わせて活かされました。

小林 はい。「何かがないと、タンバリンが何にも結びつかずに唐突すぎちゃうな」と思ったので、胸の高鳴りや踊りだしたくなるようなステップに重ね合わせていきました。

――仮名遣いにも、すごくかわいらしさを感じました。

小林 ありがとうございます! 元々ひらがなにすること自体が、結構好きなんですよ。ひらがな表記ってかわいいなと思うんですよね。自分のハッシュタグを作るときも全部ひらがなだったり、自分の「私」を書くときも「わたし」とひらがなで書くのがこだわりだったりするので。田代さんも「サビの『あーもー』が『ああもう』じゃないところがまた、いいよね」みたいに言ってくださったり……知らず知らずのうちに、私らしさがちょっと滲み出ていたみたいです(笑)。あと、この曲に関しては実際に私がタンバリンの演奏もしていまして……。

――有言実行された。

小林 そうなんです(笑)。編曲のやしきんさんにアドバイスをいただきながらやっていったんですけど、リズムキープも大変だったし、ホント難しくて! でも楽しさも感じたので、グッズで作って出したらどうかな? と考えたりもして。いつか、そんなときが来たらいいなと思っています。

――そしてアルバム新曲にはもう1曲、「Border Rain」もあります。これはもう本当に、今ならではの曲といいますか。

小林 そうですね。コロナ禍の中でみんなに歌を届けられる機会が本当に少なくなったことで、私は「みんなに勇気とか希望を持たせてあげられるようなことができなくなっちゃった」ような気がして……存在意義を失ったようで、もどかしさでいっぱいだったんです。でも畑さんがそんな状況を雨にたとえて、それはいつか上がるし晴れていく……という前向きなキーワードとして、「Border Rain」というすごく素敵な言葉をくださったんです。

――この曲も、オンラインライブで披露された曲のひとつでもあります。

小林 今日時点では、まだ直接みんなの前では歌えていないんですけど、この曲のおかげでオンラインライブを通してみんなに「あなたが生きているだけでうれしいんだよ」と伝えられたので……これからもこの歌を、大事にしていきたいです。雨が止んで、晴れた場所にみんなで辿り着けたら一緒にまたこれを歌いたいし、「あんなときもあったね」って笑えるような未来が来てほしいなという気持ちもあるし……という、いろいろな想いがこもった曲になりました。

――きっと今度はこの曲もツアーで、ファンの皆さんの前で歌われていくでしょうし。

小林 歌うたびに、物語がどんどん深くなっていくような気がするんですよね。本当だったらいちばん最初にみんなの前で歌いたいし、どんどん歌っていくことで物語が作られていって、みんなの中での受け取り方も変わってくると思うんですよ。でもオンラインでも届けられるものはあるし、今だからこその形も柔軟に受け入れて、新しいものとも共存していきたいです。

――そのうえで、ファンの皆さんと一緒に前に進んでいきたい。

小林 はい。ひとりじゃないし、私もみんながいるからひとりじゃないので。これからもみんなと一緒に進んでいけたらなと思っています。

――このアルバムも含めこれまで非常に多彩な楽曲を歌われてきましたが、メジャーデビューされてからの1年半の活動を経て、あらたに歌いたいジャンルなどは何かできましたか?

小林 実は、特にあまりないんですよ。今までも田代さんとの会話の中から生まれたキーワードを拾っていただいて、そこからいろんなタイプの曲を作ってくださっていたりしたので……個人的には、ダンスをできるような歌もあったら楽しいなぁとは思っているんですけどね。あと、せっかく皆さんから送っていただいた「Can you sing along?」のコール・アンド・レスポンスの音源も、何かの機会にまた使いたいです。

――オンラインライブで使用したものですね。

小林 はい。もしどこかで音源化できたら、エモいですよね(笑)。でもそれに限らずみんなに参加してもらえるような企画ができたら、みんなと私の物語がどんどん膨らんでいって、より楽しいことができそうじゃないですか?だからこれからもあらかじめ決めはせずに、どんどん受け入れて挑戦して、広がっていくことを楽しんでいきたいです。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

抽選で1名様に当選者のお名前入り小林愛香サイン入り色紙をプレゼント!

●応募期間
2021年6月23日(水)~6月30日(水)23:59

●応募方法
1:リスアニ!編集部の公式アカウント(@Lis_Ani)をフォローする
2:該当ツイートをRTする

【応募に関する注意事項】
・厳正なる抽選の結果当選された方には、リスアニ!編集部公式アカウントのダイレクトメールにて後日連絡させていただきます。リスアニ!編集部公式アカウント(@Lis_Ani)のフォローをお願いします。
・プレゼントキャンペーンは予告なく変更・中止することがあります。あらかじめご了承ください。
・応募期間中にフォローを取り消された場合は、応募が無効となります。
・複数のアカウントで応募された場合は、1アカウントのみ有効となります。
・Twitterアカウントを非公開にしている場合は、応募対象外となります。
・落選者へのご連絡はございませんのでご了承ください。
・当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることはできません。
・応募は日本国内にお住まいの方に限らせていただきます。
・賞品および当選の権利は当選者本人のものとし、第三者への譲渡・転売することは一切禁止させていただきます。譲渡・転売が発覚した場合、当選を取り消し賞品をお返しいただく場合があります。
・賞品の不具合、破損に関する責任は一切負いかねます。

【個人情報の取り扱いについて】
・お客様からいただいた個人情報は、当キャンペーン当選者へのお問い合わせのために利用いたします。なお、個人情報を当該業務の委託に必要な委託先に提供する場合や関係法令により求められた場合を除き、お客様の事前の承諾なく第三者に提供することはありません。上記をご承諾くださる方のみご応募ください。

●リリース情報
小林愛香 1st Album
『Gradation Collection』
6月23日発売

【初回生産限定盤(CD+DVD+三方背ケース+フォトブック)】

品番:TFCC-86771~86772
価格:¥6,050(税込)
※全28ページフォトブック
※イラストレーター・かとうれい描き下ろしイラストを使用した三方背ケース付

【完全生産限定盤(CD+BD+缶ケース+豪華フォトブック+レインポンチョ)】

品番:TFCC-86769~86770
価格:¥16,500(税込)
※完全生産限定盤は、ご予約いただいたお客様への受注生産商品となります。現在、ご予約の受付は終了しております。

【通常盤(CD)】

品番:TFCC-86773
価格:¥3,300(税込)

<CD>
1. NO LIFE CODE
作詞・作曲・編曲:Q-MHz ※メジャーデビューシングル
2. Heartache soldier
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
3. Secret Feeling
作詞:こだまさおり 作曲:田代智一 編曲:須藤 優
4. 空は誰かのものじゃない(『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』主題歌)
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
5. たたたんばりんりずむ
作詞:小林愛香 作曲:田代智一 編曲:やしきん
6. Easy Fizzy
作詞・作曲:田代智一 編曲:鈴木Daichi秀行
7. Tough Heart(2ndシングル/TVアニメ『真・中華一番!』オープニング主題歌)
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
8. Please! Please! Please!
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
9. Border Rain
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:田代智一
10. AMBITIOUS GOAL(デジタルシングル/TVアニメ『さよなら私のクラマー』OPテーマ)
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
11. Moonlight Balcony
作詞:佐伯youthK 作曲:田代智一 編曲:佐伯youthK
12. Night Camp
作詞:文月悠光・田代智一 作曲:田代智一 編曲:伊藤 翼
13. Can you sing along?(『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』劇中挿入歌)
作詞:田淵智也 作曲・編曲:田代智一 ※

<Blu-ray/DVD>
・「空は誰かのものじゃない」Music Video
・「AMBITIOUS GOAL」Music Video
・「Tough Heart」Music Video
・「NO LIFE CODE」Music Video
「小林愛香LIVE 2020“NO LIFE CODE ON LINE MODE”」
・ NO LIFE CODE
・ ゆらゆらら
・ Secret Feeling   ※未公開ライブ映像
・ Border Rain
・ Heartache soldier
・ Tough Heart   ※未公開ライブ映像
・ Can you sing along?
・ Crazy Easy Mode
・ Please! Please! Please!

特典情報
ショップ別グッズ付限定セット
下記法人のショップおよびショッピング・サイトでは、それぞれ異なるグッズをバンドルした、小林愛香「Gradation Collection」限定セットを数量限定で販売いたします。
※初回生産限定盤、通常盤のみのセットとなり、完全生産限定盤は対象外となります。
※ショップごとにグッズ、販売価格が異なります。

ゲーマーズ限定セット
・初回生産限定盤+グッズ(アクリルスタンド) 価格:¥7,150(税込)
・通常盤+グッズ(アクリルスタンド) 価格:¥4,400(税込)

楽天ブックス限定セット
・初回生産限定盤+グッズ(アクリルキーホルダー) 価格:¥6,930(税込)
・通常盤+グッズ(アクリルキーホルダー) 価格:¥4,180(税込)

ショップ別購入者オリジナル特典
・TOWER RECORDS / TOWER RECORDS ONLINE:フォトカード TOWER RECORDS Ver.(L判)
・アニメイト:フォトカード アニメイトVer.(L判)
・ゲーマーズ:フォトカード ゲーマーズVer.(L判)
・セブンネットショッピング:フォトカード セブンネットショッピングVer.(L判)
・楽天ブックス:フォトカード 楽天ブックスVer.(L判)
・Amazon.co.jp:フォトカード Amazon Ver.(L判)
・上記ショップを除くその他のショップ:ポストカードセット(2枚)
※特典を実施していないショップもあります。特典の有無は、購入する各ショップおよびショッピングサイトでご確認ください。

●ライブ情報
小林愛香 LIVE TOUR 2021 “KICKOFF!”

7月7日(水) 大阪府 Zepp Namba    ※振替公演
OPEN 18:00 / START 19:00
7月8日(木) 大阪府 Zepp Namba    ※振替公演
OPEN 18:00 / START 19:00

大阪公演Information:キョードーインフォメーション (tel.0570-200-888)

チケット:全席指定7,800円 (税込、入場時1ドリンク代別途要、未就学児入場不可)

●作品情報
『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』

新宿バルト9ほかにて全国劇場にて公開中

TVアニメ『さよなら私のクラマー』
放送中



TOKYO MX 毎週日曜23:30~
(再放送:毎週月曜19:00~)
BS日テレ 毎週日曜23:30~
KBC 毎週月曜25:30~
AT-X 毎週火曜21:00~
(※リピート放送:毎週木曜9:00~/毎週月曜15:00~)

地上波同時配信
毎週日曜日23:30~dアニメストアにて配信開始!
その他配信サービス:毎週金曜日23:30~


関連リンク
小林愛香オフィシャルサイト
https://kobayashiaika.jp/

小林愛香 | TOY’S FACTORY
https://www.toysfactory.co.jp/artist/aikakobayashi

『さよなら私のクラマー』アニメプロジェクト公式サイト
https://sayonara-cramer.com/