声優アーティスト・中島由貴の3rdシングル「A NEW DAY」は、TVアニメ『聖者無双 ~サラリーマン、異世界で生き残るために歩む道~』のEDテーマ。明るくてポップな本ナンバーで大切にしたのは“等身大”だ。


アーティストデビュー3年目を迎え、初となる全国ツアーも大盛況。ソロアーティストとしての活動を充実させている中島の第二章を感じるような、眩しい輝きが色鮮やかに放たれている。

INTERVIEW & TEXT BY 逆井マリ

自分自身、学びの多いツアーでした
──まずは初めての全国ツアー“中島由貴 LIVE TOUR 2023~サファイア~”の感想を伺えますか。

中島由貴 あっという間に終わってしまうくらい、楽しくライブができました。デビュー当初は「ライブを1人でできるのかな」という不安もありましたが、1stライブが終わったあとには自信がついて。ライブって楽しいなという気持ちになっていたところ「全国ツアーですか?」と(笑)。
それで再び「できるかなぁ」なんて気持ちになっていました。今回は大阪、名古屋と2日間連続でやらせてもらっていて。

──2daysのような形でしたよね。

中島 そうです。2日連続でソロライブをやることも初めてだったので、初めてづくしのライブツアーになりました。アルバム『サファイア』のライブだったので、楽曲的には歌を聴かせるものが多かったんですけど、大阪公演は初日ということもあって、皆さんのボルテージが上がっていて。
それに助けられましたね。おかげで名古屋公演は緊張することなく、俯瞰してライブをすることができました。その1週間後のファイナルでは、2曲増えて、楽曲も少し変わって。セットも組まれていたので、それまでの公演とは違う感覚がありました。少し緊張しましたが、『サファイア』の世界観と共に、良いものを届けられたなと。自分自身、学びの多いツアーでしたね。


──やっとコロナ禍も明けて。声出しは今回が初めてですよね。

中島 そうですね。『サファイア』を制作している段階ではコロナ禍が収束に向かっているわけではなかったので、歌を聴かせる楽曲を多めにしようって話をしていたんです。蓋を開けたら「もう声出し解禁?」って(笑)。セトリ見直す?という話もあったんですけど、アルバムツアーだったので、あくまでアルバムをメインに構成しました。
1stライブよりも、まとまりのあるライブになったのではないかと感じています。

「A NEW DAY」は“等身大”を大切に
──ツアーを経て「A NEW DAY」がリリースされます。「Day of Bright Sunshine」にも似た明るさを持つ曲で、第二章の始まりを告げるような印象もありました。

中島 そうかもしれません。私も最初に聴いたときに「Day of Bright Sunshine」を思い出しました。どちらも日常を描いた曲なので似たものは感じましたが、「Day of Bright Sunshine」が散歩だったら、「A NEW DAY」がお出かけというイメージです。
それと「Day of Bright Sunshine」はかわいらしくふわっと、「A NEW DAY」は元気ハツラツにと歌い方でも差をつけていています。スタッフさんから「A NEW DAY」は等身大な日常を出したい、というお話を伺っていたので、かわいらしさは少し削いで、等身大を意識しています。

──ブロックによっては、声色も素に近い印象がありました。

中島 その辺りはぜひ細かく聴いてほしいです。今回はいつもと少し違う録り方をしていて。等身大の曲ではあるんですけど、スパイス的にかわいさも入れたかったそうで「めっちゃキャピキャピしたものも録りたいです!」というディレクションをいただき、全体的に2パターンずつ録ったんです。
だからところどころ、かわいらしい要素がスパイスとして入っています。ちょっとあざとい部分が少しだけ盛り込まれているのもポイントなのかなと思っています。

──クラップあり、ダンスありで、ライブで盛り上がるでしょうね。

中島 ダンスMVの振付にクラップも入ってるので、ぜひ一緒にクラップしてほしいです!

──今回もダンスMVと通常のMVとが用意されています。今回のダンスのポイントはありますか?

中島 全体的にリズムを感じるようなダンスになっていて。Aメロはいっぱい振りが入っているんですけど、サビではノリノリな感じです。やはり注目はクラップかなぁという気がします。

──ボックスステップ風の足元の動きも印象的でした。全体的に躍動感のあるダンスですよね。

中島 筋トレ的な感じというか(笑)。ずっと動きがあるので、今まで作っていただいたダンスの中でも、覚えるのに時間がかかったところがありました。1Aでやったダンスがその後どこにも出てこないんですよ。サビやBメロは基本的に同じような振りではあるんですけども、歌詞に合わせて少しミュージカルっぽいダンスを作ってくださっていて。最初から最後まで振りもガッツリあるので、終わった後にめちゃくちゃ汗をかきます!クラップだけでも真似してほしいなぁ。



── ゆきすと(ファンの呼称)たちに覚えてもらわないとですね!MVのコンセプトや撮影エピソードについても教えてください。

中島 今回は写真集を見ているようなMVというのがコンセプトです。ずっと元気、っていうよりかは、なかにはアンニュイな表情もあって、サビではダンスも少し入っています。ハウススタジオでの撮影では日常的な衣装も着ています。お出かけから帰ってきたあとのようなイメージです。休みの日に自宅で着るようなテイストの服を用意していただいて。ただ、私自身は休日はずっとパジャマですけどね(笑)。色々な表情が見られるMVになっていると思います。

──まさに等身大というか。

中島 そうです!すごく楽しく撮影をさせていただきました。ただ、ジャケ写とMV撮影のときは梅雨時期で、雨は心配でしたね。

──どちらも明るい印象なので、なんだか意外です。

中島 技術のおかげで(笑)。先にジャケットを撮ったんですけど、本当に曇天で、雨雲レーダーをチェックしながらの撮影でした。MVの日も雨予報。曇り空だったのですが、いざ撮影となったらなんとか持ってくれました。MVの冒頭に登場するカラフルな傘は、もしかしたら雨が降る可能性があったから用意してくださっていたものだったのかも……?


大人っぽさのある「ステラ・ビート」は「めちゃくちゃすてきな曲に」
──カップリング「ステラ・ビート」は作詞:児玉雨子さん、 作曲・編曲:平田祥一郎さんが制作されています。児玉さんもツイートされていましたが、すごく美しい曲ですね。

中島 ハロー!プロジェクトファンにとってはたまらないお二人なんです。そのお二人に曲を提供していただいたことが何よりも嬉しくて。

──『リスアニ!』本誌で取材をさせていただいたときも、ハロプロ好きだとおっしゃっていましたものね。

中島 お二人の名前の並びを見て「どういう曲になるんだろう?」とわくわくしていました。かわいらしさもありつつ、大人っぽさもあって。流れ星の中で、ふわふわ漂っているような……そういう感覚を味わうことができる曲だなって。今までの中島由貴の楽曲とはまったく違う、とてもすてきな曲になりました。

──声色なめらかで、少し静かめというか。

中島 静かなパートは今までだったら、がっつりかわいいに振り切っていたような気がするんです。最初にいただいた仮歌がしっとり目だったので、そういう方向性が良いのかなって。レコーディングでも全体的に“きれい”を重視しました。個人的にはDメロの「目をつむって 耳すませ 響(どよ)もしてる風の音(ね)を頼って 星座図を辿り その先の果てに なにがあるの? なんにもないの? 見つけたい」の部分が大好きで。出来上がった音源を聴いて「ああ、良いなぁ」と自画自賛(笑)。

──<響(どよ)もしてる風の音(ね>という言葉が特に印象的でした。

中島 初めて聞いた言葉でした。レコーディングのときに、みんな「ど、どよも……?」と言ってて、調べて「そういうことか!」と。すごく素敵な言葉です。今までにない表現というのも、たくさん散りばめられています。

──どちらの曲にも、空や星が共通しています。それこそ、これまでも空や星をテーマにした曲が多いですが、この理由について中島さんはどう思われていますか?

中島 そういう曲が増えるとは思っていなかったんですよ。自分でもビックリしています。「爽やかだね」とは言われることはあったんですけど、それが空に繋がっていたのかなと最近は感じています。

──ところで、さきほどハロプロの話がありました。特にどなたが好きなんですか?

中島 一番を決めるのが難しいのですが……ハロー!プロジェクトさんを好きになったきっかけはBerryz工房の嗣永桃子さんなんです。バラエティ番組で知り、気になって調べたところ、バラエティの時と、ライブの時とのギャップに引き込まれました。それまではアイドルってかわいい声じゃないとダメってイメージが勝手にあったんです。Berryz工房さんや他のハロプロの方たちを見て「あ、そうじゃないんだ」と。皆さんもちろんかわいい。でも色々な声質の人がいて、それぞれの個性が際立っている。しかもバチバチにダンスを踊るし、バチバチに生歌だし、メドレーの繋ぎもめちゃくちゃすごい。そこから一気にハマって、℃-uteさんや、さらには研修生までチェックするようになりました。一時は追うのが大変でしたね(笑)。今はモーニング娘。さんにハマっています。

──そこで得たインスピレーションというのは、今の中島さんの音楽活動にも生かされていますか。

中島 影響を受けていると思います。みんなバッチリ振りが合っているのに、カメラにパッと映ったときにアレンジを入れたり、独特のリズムの取り方をしていたりするのを見て「私も自分らしく表現ができたらいいな」と思っていました。


いつかドライブ風景をMVに……
──(インタビュー段階では)『聖者無双』は今夜1話が放送ですね。エンディング映像はご覧になりましたか?

中島 まだなんです!だからすごく楽しみにしています!みんなと一緒にリアルタイムで見たいなぁと。

――ところで、今作のリリースの約1ヶ月後となる9月12日には誕生日となりますが……。

中島 あ、そっかぁ!あっという間ですね。毎年言ってる気がするんですけど、1年ってこんなに過ぎるのが早かったっけ?って。改めて、1日、1日を大切にしなきゃと思いつつ……来年も同じことを言っているんだろうなと(笑)。ちょっと話が戻ってしまうんですけど、暑い時期にMVを撮ったのは今回が初めてだったんです。今まではずっと寒くて、「Day of Bright Sunshine」の時には大雨が降っていました。

──あれ、もしかして中島さんは雨女……?

中島 いや、雨女ではないと思っているんですけど、ちょっと最近雨が多いです。梅雨時期に撮ったから、ってことにしておきたいですね。どうしても自分のせいにはしたくないっていう(笑)。些細なことではあるんですけども、アーティスト活動をしていくなかで、まだまだ初めてのことがたくさんあって。初めてを体験できることが、今はすごく楽しいんです。

──今後、挑戦したい“初めて”はありますか?

中島 いつか車の免許を取ったらドライブしているところも撮ってもらいたいなぁ。最近免許を取りたい欲が出てきたんです。スタッフさんと車の話をすることが多いんですよね。東京にいるぶんには車はいらないなぁと思っていたんですけど、話を聞いていたら「旅行に行ったときにレンタカーが運転できたらいいなぁ」って。

──ではまずは教習所から。

中島 そう考えると、だいぶ長い道のりになるかもしれないですね(笑)。

●リリース情報
「A NEW DAY」
8月9日発売

■mora
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【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

価格:¥2,200(税込)
品番:GNCA-0698

【あにばーさる盤(CD+Blu-ray)】

価格:¥3,300(税込)
品番:GNCT-1020

【通常盤(CD)】

価格:¥1,430(税込)
品番:GNCA-0699

<CD>
A NEW DAY
作詞:木村孝明(KEYTONE) 作曲・編曲:遠藤信吾(Hifumi,inc.)
ステラ・ビート
作詞:児玉雨子 作曲・編曲:平田祥一郎
A NEW DAY<instrumental>
ステラ・ビート<instrumental>

<Blu-ray/初回限定盤>
「A NEW DAY」Music Video
「A NEW DAY」Dance Music Video
SPOT

<Blu-ray/あにばーさる盤>
「A NEW DAY」Music Video
「A NEW DAY」Dance Music Video
SPOT
「A NEW DAY」MVメイキング映像
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関連リンク
中島由貴 公式サイト
https://nakashimayuki.com/

中島由貴 公式Twitter
https://twitter.com/Yuki_Nakashim

中島由貴 公式YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCvGKKstFsZTRg3PW2Fl7Mdg