参院選の極右候補者をチェック「ウヨミシュラン」比例代表編! ヘイト、表現への圧力、人権否定、女性差別…

参院選の極右候補者をチェック「ウヨミシュラン」比例代表編! ヘイト、表現への圧力、人権否定、女性差別…
自由民主党ホームページより

「ウヨミシュラン」といえばおなじみ、リテラが国政選挙の投票日前にお届けする極右候補者リスト──なのだが、安倍首相が「改憲」を争点に掲げた今回の参院選、自民党の候補者をチェックしてみると、どいつもこいつも9条改憲をゴリ押しする“安倍シンパ”みたいな連中ばかり。はっきり言って、“顔が右側に向いた金太郎アメ”みたいな状況になっている。

 だが、これまでの言動を検証してみると、圧力行為、人権意識の欠如、差別煽動、極右団体との関係など、それこそ民主主義を破壊しかねないとりわけヤバいイデオロギーを持つ候補者がいる。こうした極右候補者については、具体的にその危険性を明らかにしておく必要があるだろうと、今回も「ウヨミシュラン」を開催することにした。

まず、前編では、比例で出馬している候補者のなかから、選りすぐりの9人をピックアップ。危険性、影響度、ヘイト度、キャリアなどを総合的に加味して、本家のミシュラン同様に☆3段階で評価してみた。

 「憲法改正」という言葉だけでは見えてこない、彼らのヤバい本性。それでは張り切ってみていこう。(候補者は50音順)

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赤池誠章 ☆☆☆ 『ちびまる子ちゃん』にまで圧力をかけた極右徴兵制論者

 文科政務官などを歴任した安倍首相に近い文教族議員で、極右教育政策押し付けの扇動者。その主張は憲法9条改正(国防軍)や首相の靖国神社参拝、従軍慰安婦問題の否定、軍事力強化など“極右政治家”のテンプレそのもの。
 たとえば、「WiLL」2006年10月号に収録された稲田朋美議員ら同期との鼎談では、教育勅語について「天皇=国家のためであって、それが返ってきて自分の家族のためになるという考え方」などと大絶賛。さらには「近代国家の民主主義において一番の肝心要、根幹を成しているのは徴兵制で『自分の国は自分たちで守ろう』というのが原点」と熱弁していた。
 しかも赤池氏が危険なのは、ただの右翼思想のオッサンではなく、ばりばりの圧力体質だからだ。有名なのは昨年、前川喜平・元文科次官が公開授業をおこなった中学校に、文科省を通じて圧力をかけさせた件だろう。他にも2015年には、アニメ映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』に理解できないいちゃもんをつけて圧力をかけていた。
 赤池氏のブログによれば、文科省とタイアップした同作のキャッチコピー「友達に国境はな~い」に〈思わず仰け反りそうに〉なったのだが、それはなぜかというと〈国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しない〉から。この時点でどうかしているとしか思えないが、さらに赤池氏は〈文科省の担当課に確認〉したとしてこう続けている。
〈たかがキャッチフレーズ。されどキャッチフレーズ。一事が万事で、言葉に思想が表出するものです。国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまいます〉〈文科省の担当課には、猛省を促しました。〉
 ちびまる子ちゃん映画の「友達に国境はな~い」に、「日本という国家はなくなってしまう」とがなり立て圧力をかける。やっぱり、どうかしているとしか思えない。

有村治子 ☆☆☆ 日本会議と神社本庁が応援する「国防を考える母」

 6年前の参院選では、日本最大の保守系団体「日本会議」の推薦と、「神社本庁」の実質的政治部「神道政治連盟」の推薦を受けて当選した有村氏。日本会議国会議員懇談会の政策審議副会長、日本会議の女性部である「日本女性の会」副会長、神政連国会議員懇談会副幹事長を務め、〈戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。そこから始めていかなければいけない〉(日本会議の機関誌「日本の息吹」2013年6月号)などとして戦前の“天皇中心の国体”を教育へ反映するよう求めている。
 第二次安倍政権では女性活躍担当大臣に任命された。HPでは〈マタニティマークを全国に普及させた母親の視点も活かし〉などとアピールするが、その思想をチェックすると「女性の権利向上」とはほど遠い。実際、選択的夫婦別姓に反対しており、子育て政策については、「子育て中の女性議員が、国防の重要性、あるいは私たちの未来の安全保障を考える、そういうことを自らの活動の原点にして発信していくことも大事だと思っています」(「誇りある日本の再生」2009年2月号)などと発言している。ようするに国民はみんな「皇軍兵士の母」になれ、ということなのかと突っ込まざるをえない。なお、有村氏は"子どもを産んだら傍にいて育てないと発達障害になるから仕事をせずに家にいろ"と強要するトンデモ理論「親学」とも関係が深い。
 日本会議事務局と神政連に確認したところ、今回の参院選でも、両団体は有村氏を推薦候補として応援しているという。復古的イデオロギー背負う存在として、右派は並々ならぬ期待を寄せているようだ。

糸川正晃 ☆ 民主党から自民党へ 空手団体理事長の主張は「空手を教育の場へ」

 元民主党衆院議員で、野田政権では厚生労働大臣政務官を務めたが、2012年の政権交代総選挙で落選。このたび、自民党から国会議員復帰を狙う。公益財団法人全日本空手連盟の理事長を務め、自民が公認を与えたのは“空手票目当て”とも取り沙汰された。
 実際、全空連のHPを見ると、大々的に糸川氏を応援する旨の記載。情報誌「FACTA」によれば、今年3月、全空連傘下の空手道代表者らに糸川講演会への参加要請文が届いたという。そこには〈後援会名簿(10人用)に氏名、住所、電話番号、メールアドレスを書いて、選対本部にFAXで送るようにともあった〉。
 自民党もわざわざ「空手道をより高みへ」「空手を教育の場へ」とするPR動画を作成・公開している。動画の最後には、若い選手が「空手の、普及に努めている、糸川さんを応援しています。押忍!」と、いかにもカンペを読み上げる感じで右正拳突きを放つ。いや、これって完全に“スポーツの政治利用”では……。
 それはともかく、本人の主張はあきらかに自民党右派との親和性が高い。憲法改正に賛成、原発は「日本に必要」、辺野古新基地建設について「政府が埋め立て工事をこのまま進めるのはやむを得ない」などとする(毎日新聞アンケートより)。民主党時代の2007年には日本会議設立10周年大会に参上、「日本会議の諸先輩のご指導を賜り、より良い日本を築き上げていきたいと思います」と挨拶している。なお、糸川氏本人に空手の経験はないらしい。押忍。

衛藤晟一 ☆☆☆ 安倍政権と日本会議のパイプ役 ヘイト「在特会」元幹部も応援

 安倍氏の側近中の側近である首相補佐官。いちおう☆3をつけたが、それ以上の“極右政治家”としか言いようがない。憲法9条改正、歴史修正主義、首相の靖国参拝推進など、いちいち挙げていけばきりがないので割愛するが、特筆すべきはやはり、今回も衛藤氏を「推薦候補」にしている日本会議との関係だろう。
 そもそも、衛藤氏は日本会議の中核をなす極右団体・日本青年協議会出身で、日本会議と現政権の“直接的窓口”と目されている。事実、「令和」の新元号を天皇の代替わりより事前に公表することについて、“大日本帝国の天皇観”を剥き出しにする日本会議は公然と「遺憾の意」を表明したが、このとき“日本会議側から安倍首相へのメッセンジャー”として安倍官邸に働きかけたのが衛藤氏だ。結果は周知のように、現実的問題から日本会議の思うようにはいかなかったわけだが、逆に言えば、衛藤氏が政権にとって極右界隈のガス抜きを含めた“調整弁”の機能を果たしていることの証左である。
 また、毎日新聞の伊藤智永編集委員の著書『「平成の天皇」論』によれば、2016年の明仁天皇(当時)による、いわゆる「生前退位のおことば」をめぐり、安倍首相が事前検閲を指示し、衛藤氏が“万世一系の神話的イメージ”を維持するために、天皇・皇后の考えた文章を削除したという。
〈関係者によると、原案には欧州の王室における生前退位の近況を引用した部分が二ヵ所あった。王室は国民に語り掛ける機会が多く、先代が亡くなった後、喪に服す期間が日本ほど長くないことが書かれていたという。衛藤氏はこれを「神話から生まれた万世一系の天皇が、権力闘争の末に登場した欧州の王室の例に倣う必要はない」という理由で削除し、宮内庁も受け入れた。〉(『「平成の天皇」論』)
 最後に、ヘイト界隈とのつながりについても触れておこう。衛藤氏のHPには各界からの「応援メッセージ」が掲載されているのだが、そこで「衛藤晟一先生の益々のご活躍を応援します」と寄せる山本優美子氏(なでしこアクション代表)は、ヘイト団体・在特会の元幹部である。メッセージによれば、山本氏が〈慰安婦問題についてご相談しようと〉衛藤氏の事務所を訪問すると〈初めての面会に関わらず暖かく迎えて〉、一時間近く話し、〈後日、参考にと慰安問題の本まで送〉られたのだという。なお、衛藤氏についてはやはり在特会と関連するヘイト団体「外国人参政権に反対する会・全国協議会」に国会議員として関与した形跡もある。

北村経夫 ☆ 統一教会系団体から支援を受ける右派新宗教教祖の孫

 元産経新聞政治部記者で、2013年参院選で自民党から初当選した“安倍チルドレン”の一人。政界入り後は安倍氏の出身派閥である清和会に所属、憲法改正や国防強化などのタカ派姿勢も安倍首相に近い、というか“コピペ的”な印象すら感じる。出馬には安倍首相の強い意向があったとも言われている。
 北村氏自身は1期しか経験していないこともあり、全国的知名度はイマイチだが、朝日新聞2013年8月16日付によれば、当選時には「世界平和連合」と「天照皇大神宮教」という二つの団体から選挙支援を受けたという。前者は宗教団体「世界平和統一家庭連合」(旧称・統一教会)系の右派政治団体で、後者は山口県を本拠地とする新宗教だ。
 実は、北村氏はこの天照皇大神宮教の教祖・北村サヨの孫にあたる。やや解説チックになるが、天照皇大神宮教の信者は念仏風の祈り文句を口にしながら独特の舞を披露するため、「おどる宗教」の異名をもつ。サヨは安倍首相の敬愛してやまない祖父・岸信介との関係が深かったとされ、「プレジデント」2015年5月4日号には「安倍首相は、以前から、踊る宗教のサヨに感心して“あの人はすごい人だ”と、よく話しています」との安倍氏周辺のコメントが掲載されている。
 現政権を下支えする日本会議が複数の右派宗教団体にルーツを持つことはよく知られ、自民党議員と統一教会とのつながりも繰り返し報じられてきたとおりだ。北村氏に関しては実績のなさを考慮して☆1にしたが、“安倍政権と各宗教団体との関係”は今後の日本政治を考える上でも注視すべきだろう。

佐藤正久 ☆☆☆ ヘイトスピーチでネトウヨから人気の元自衛隊「ヒゲの隊長」

 ネット右翼から「ヒゲの隊長」と親しまれる外務副大臣。安保法制の2015年には、安保法制のPRアニメ『教えて!ヒゲの隊長』のモデルに抜擢されたが、パロディ動画『ヒゲの隊長に教えてあげてみた』によって嘘をメッタ切りにされた。強行採決時には野党議員へパンチを繰り出し、その瞬間の写真が米CNNの報道写真展で同年を代表する1枚のひとつに選ばれている。
 2007年に自衛隊から政界入りした佐藤氏は、もともとバリバリのタカ派だが、近年はその傾向がヘイトまがいにまでエスカレートしている。たとえば、2012年8月には〈根拠なく日本を盗人と言い、自らの違反行為には寛容な措置をと懇願する。どう考えても変、これが韓国人の思考?〉などとツイート、民族や国籍でひとくくりにするあきらかなヘイトスピーチだ。
 また、2015年12月3日には、韓国籍の男が靖国神社の公衆トイレに爆発物を設置した事件をめぐるNHK報道について〈【靖国放火の不審者は韓国人、既に帰国】 過去に靖国神社の池への放尿や鳥居への語落書き等があったので、内心、やはりと思った方も多いのでは?〉などと投稿した。この時点で男は逮捕されていなかったが、「やはり」という言い方は「韓国人は犯罪を犯す」という誤ったイメージを流布し、差別を煽動する発言に他ならない。最近も徴用工問題や慰安婦問題で韓国を悪し様に言う投稿を繰り返しており、こういうところがネトウヨからもて囃される所以なのだろう。
 さて、そんな佐藤氏は「外交・安全保障の専門家」を自負しているが、その実、国際外交から取り残されている事実は指摘しておきたい。たとえば昨年3月9日、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩委員長との初の首脳会談を開く意向を表明。遡る同月3日には、韓国大統領府が韓国の文在寅大統領と金委員長の南北首脳会談開催の合意を発表したが、それまで“圧力一辺倒”だった安倍政権は、この流れから完全に蚊帳の外に置かれてしまった。そして、こんななかで外務副大臣の佐藤氏が放ったツイートがコレだった。
〈慎重に対応しないと。しかも北朝鮮はまだ何も発表していない。この発表は韓国であり、北朝鮮ではない〉(2018年3月6日)
 ようするに、外務副大臣にもかかわらず、この間の米朝韓の調整を何もしらなかったのだ。韓国や北朝鮮を非難することばかりに長けた政治家たちがいかに“国益”を損ねているか。肝に銘じるべきだろう。

山東昭子 ☆ 「子どもを4人以上産んだ女性に表彰」大物議員のトンデモ思想

 元女優で参院議長も経験したベテラン政治家。今回当選すれば参院の歴代当選回数でトップになる山東氏に、特段、右翼的なイメージを抱いていない人もいると思うが、日本会議議連などに参加するなど保守系政治家のひとりである。憲法9条改正を推進し、選択的夫婦別姓も認めない。むしろ“大物”として、安倍首相の極右路線にお墨付きを与える存在になってしまっている。
 とりわけ山東氏に顕著なのは、致命的な“人権感覚の欠如”だ。たとえば、2016年の相模原障がい者施設殺傷事件では、「GPSを使った監視」をもち出して「人権という問題を原点から見つめ直すときがきている。ストーカーもそうだが、人権という美名の下に犯罪が横行している」といったとんでもない主張を当たり前のように語っている。
  他にも、2017年11月には自民党の役員部会で「子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか」と発言したと報じられた。自らの意思で子どもを望まない人々や、不妊で苦しむ人々をあざ笑うかような無神経さ。「女性は生む機械」を彷彿とさせる暴言と言ってよいが、これが“政策案”として語られる自民党のレベルの低さこそ再認識すべきなのかもしれない。

中田宏 ☆☆ 杉田水脈とともにネトウヨ政党の中心を担った元横浜市長

 ワイドショーへの出演などで知名度抜群の元横浜市長。9条改憲論者の右派政治家で、2014年の衆院選では絵に描いたような“ネトウヨヘイト政党”・次世代の党から出馬、落選した。なお、次世代は日本のこころ(通称ニッコロ)を経て消滅したが、あの杉田水脈サン、和田政宗サン、山田宏サンとともに中田氏が同党の中心を担った、と言えばそのヤバさを改めて味わえよう(というかみんな安倍自民党へ行った……絶句)。
 だが、中田氏についてはむしろ“浪人中”の活動のほうがイヤらしいと言うべきかもしれない。というのも、コメンテーターを務めるテレビ番組ではリベラルバッシングと安倍大擁護を連発。ある意味、政治家としてではなくタレントとして、安倍自民党による“右傾化”と“排除の論理”をバックアップしてきたからだ。
 たとえば2017年7月の都議会選応援演説で、安倍首相が市民たちに対して「こんな人たちに負ける訳にはいかない」と吐き捨てたときのこと。中田氏は準レギュラーの『バイキング』(フジテレビ)で安倍首相をこうフォローしていた。
「見る人が見るとわかるんだよね。小籔(千豊)さんはわかってたけど、あのヤジってる反対派っていうのは組織的活動家なんですよ。安倍さんたちはわかってるわけ。あそこから見て。『あー、来てる来てる。反対陣営の組織が来てる』って」
 安倍政治を批判する市民たちを「組織的活動家」「反対陣営の組織」などと貶め、一国の首相が国民に対して「こんな人たち」と言い放ち、排除しようとしたことをメディアで正当化。そして中田氏も安倍自民党から出馬したのだ。ちなみに、中田氏は加計学園が運営する岡山理科大学や倉敷芸術科学大学、千葉科学大学で客員教授を務めていた。これぞ、安倍極右勢力の別働隊と言うべきだろう。

和田政宗 ☆☆☆☆☆☆☆ もはや極右以上!人権を破壊する「和田改憲試案」の恐ろしい中身

 とても☆☆☆では言い表せない、今回の参院選のなかでも郡を抜いたネトウヨっぷりを発揮する和田氏。ネトウヨ御用達雑誌「JAPANISM」2014年6月号掲載の鼎談では「極右かもしれません(笑)」と自らおどけているが、もはや思想的な“極右”かどうか、そんな基準で測るにも値しない。
「まさかとは思いますけども、太田理財局長は民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めておりまして、増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権を貶めるために、意図的に変な答弁をしているんじゃないですか?」
 森友問題をめぐり、国会質疑で太田充・財務省理財局長(当時)に対してブッ放ったこの陰謀論攻撃は、ある意味で伝説となった。最近も「週刊文春」に「公示前の事前選挙運動」を報じられ、「切り貼りされた」「文春の加藤晃彦編集長、『とにかく和田政宗を攻撃する記事を書け』と指示したというのは本当でしょうか?」などとほざいていたが、結局、文春にノーカットの音源を公開された。批判されると陰謀論で逆ギレする姿はネトウヨそっくりだ。端的に言って、無様である。そんな和田氏を応援する集会に安倍昭恵夫人が登場し、熱烈なエールを送ったのは本サイト既報のとおり。
 だが、はっきりしておきたいのは、この人が単なる“ネトウヨ芸ひけらかしおじさん”ではないということだ。たとえば著書『日本国憲法「改定」』では、〈「日本が侵略戦争をし、植民地支配をした」という論〉を〈これは歴史的事実からも否定されるもの〉〈日本は韓国、台湾を統治したが、それは植民地支配ではない〉などと言って否定しつつ、〈日本精神をくじくための教育界をはじめとした工作活動が効果を発揮してしまっている〉などと述べているのだが、同書に掲載されている憲法改正の「和田試案」を読むと、本当に頭がクラクラしてくる。
 和田試案では現行の9条に関して〈国家固有の権利として自衛権を保持し、自衛のための軍その他の戦力を保持する〉を加えるなど、もはや平和憲法の形跡など微塵もない。だが、これは序の口だ。
 国民の権利や自由に関する規定では〈日本国民は、法律に反しない限り、政治活動の自由がある〉、〈日本国民には、法律に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由がある〉、〈日本国民は、法律で定められた例外を除けば、通信の秘密を侵されない〉、〈日本国民は、法律に反しない限り、勤労者の団結する権利および団体交渉その他の団体行動をする権利がある〉などと並べられている。お分かりだろう。国民の諸権利に対して、いちいち「法律に反しない限り」などの文言がつけられているのだ。
 言うまでもなく、「法律に反しない限り」などと憲法に書き込むと、それら「権利」や「自由」を弾圧する法律をつくることに制限がなくなる。これは和田氏が、憲法は権力を縛るものだということ(最高法規性)を全く理解していないのはもちろん、発想として、個人の人権や自由を政治体制が制限することに躊躇がないことを意味している。
 他にも、法の下の平等を定める現行第14条、請願権に係る現行第16条、議員および選挙人の資格を定める現行第44条には、いずれも差別を禁じる規定があるのだが、「和田試案」ではこれらがすべて削除されている。まして和田氏は、試案について〈人権に関する条項の数はできる限り絞り込み、法律で規定するかたちにする〉〈憲法や民主制は、国家が存在して初めて成立するものである。よって、政党については、国家の存在を認めることを最低限の条件とする〉などと自慢げに解説しており、個人の権利に関する条文を大幅に消している。
 思い出してもらいたい。安倍自民党はいま、9条など日本国憲法を変えようとしている。さすがに和田氏の試案ほど頭が悪くはないが、本音は似たりよったりだろう。少なくとも、こういう人物を公認し比例で出馬させるのが、正真正銘、いまの自民党なのである。

……………………………………………………

 いかがだっただろうか。やっぱり自民党候補ばかりになってしまったわけだが、上で紹介した以外にも、タカ派改憲論ないし歴史修正主義をバラまく極右候補は大勢いる。また、参院選挙区での「ウヨミシュラン」も同時に公開しているので、そちらも是非ご一読いただきたいところだ。
 いずれにしても、当たり前のように「憲法9条改正」を唱える候補者ばかりで、ちょっと感覚が麻痺しそうになるが、その裏には差別意識や、人権を否定するグロテスクなイデオロギーが潜んでいるのである。選挙で正面から連中を止められるのは、有権者だけだ。それを忘れないでほしい。

(編集部)

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2019年7月20日の社会記事

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