展覧会「マリメッコ展 模様のちから」京都文化博物館で開催中

色鮮やかな色彩と大胆なデザインと、そして身体を締め付けない動きやすさを持ったドレス。フィンランドを代表するファッションブランド「マリメッコ」の展覧会「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」が、京都市中京区の京都文化博物館で開催されています。

日本では約10年ぶりの大規模展

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展...の画像はこちら >>

マリメッコは1951年、第二次世界大戦後の暗い雰囲気が漂うなか、「人々の暮らしを明るくしたい」という創業者のアルミ・ラティアの思いから誕生しました。代表作「ウニッコ(ケシの花)」をはじめ、これまでに生み出されたデザインは3500種類以上。

時代や国境を越えて、世界中で愛され続けています。

マリメッコの大規模な展覧会の日本での開催は約10年ぶりです。

開催に際し、マリメッコのデザイン・ディレクターであるミンナ・ケメル=クトゥヴォネンさんは、記者会見で「伝統と現代の暮らしが独自の形で共存する京都という街で展覧会を開くことができ、大変光栄です。創業75周年を迎えた今年、マリメッコならではの大胆な色彩やデザインをぜひ楽しんでいただきたい」と語りました。

ドレス約70点を一堂に展示 名作「ウニッコ」誕生の舞台裏も

開幕以来、多い日には1日3000人以上が訪れる本展。

見どころの一つが、1960年代から近年に至るまでのドレス約70点が並ぶ展示エリアです。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
MBS

創業者・アルミが自ら図案を描いた初期の作品から、日本人初のマリメッコデザイナーで京都出身の脇坂克二さんが手がけた、遊び心とフラットなフォルムが印象的なドレスまで、幅広い作品が一堂に会します。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
MBS

なかでも注目を集めるのが、マリメッコの代名詞ともいえる「ウニッコ」のドレスです。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
MBS

フィンランド語で「ケシの花」を意味するウニッコ。その誕生の裏にあるドラマも、展覧会では紹介されています。

創業者アルミは当初、「自然の花はあまりにも美しく、デザインとして表現するにはふさわしくない」と、花柄の制作に否定的でした。しかし、その方針に異を唱え、あえて花柄に挑んだのがデザイナーのマイヤ・イソラです。

1964年、イソラはリアルな花を描くのではなく、造形を抽象化することで、自然が持つエネルギーとスケール感を表現する図案を生み出しました。

こうして誕生した「ウニッコ」は、約60年が経過した今も色あせることなく、多くの人々を魅了し続けています。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
MBS

会場では、さまざまなサイズやカラーバリエーションのウニッコのパネルも楽しめます。

年間1000kmを印刷する「プリント・ファクトリー」の裏側

マリメッコが1年間に印刷するファブリックの総延長は、約1000km。これは大阪から札幌までの直線距離に相当します。

その製造で用いられているのが、「シルクスクリーン」と呼ばれる印刷技術です。

会場では、ヘルシンキの本社工場「プリント・ファクトリー」で実際に使用されていた2種類のスクリーン版が展示されています。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
フラットスクリーン

ひとつは、布地に対して平らな版をあて、上からヘラのようなツールでインクを伸ばして染み込ませる「フラットスクリーン版」。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
ロータースクリーン

もうひとつは、円柱状の版を回転させながら内側からインクを押し出して刷る「ロータリースクリーン版」です。後者の技術により、「ウニッコ」をはじめとする人気柄の高速かつ大量生産が可能となりました。

シルクスクリーン印刷では、複数の色が重なる際にわずかなズレやにじみが生じることがあります。しかしマリメッコでは、それらを「不完全なる完全さ」と捉えます。不良品として排除するのではなく、手仕事ならではの人間味や温かみのあるファブリックとして受け入れているのです。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
plaplaxのインスタレーション

また、会場にはアートユニット「plaplax(プラプラックス)」が手がけた映像作品も展示されています。

真っ白なファブリックや壁面に印刷工程の映像が投影され、プリントの仕組みを視覚的に体験できる注目の空間となっています。

皆川明氏が演出する多様性の空間 新作テキスタイルも登場

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
MBS

展示のなかでもひときわ強い存在感を放っているのが、色とりどりのファブリックが“誕生日会の装飾”のように輪を描いてつながる空間です。

この演出を手がけたのは、日本のファッションブランド「mina perhonen(ミナ ペルホネン)」のデザイナー・皆川明さん。

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
皆川明さん

「ウニッコ」をはじめとする歴代のファブリックに加え、皆川さんがマリメッコの工場で新たにデザインした新作テキスタイル「Tuulla(風が吹く)」など、計16種類が使用されています。

皆川さんは作品に込めた思いについて、「この空間では、自由に繋がり合うマリメッコの多様性を表現した。新作の『Tuulla』は、帯が奥へ入ったり手前に現れたりするデザインで、マリメッコのクリエイションが自由に世界を巡る様子を表しています」と明かしました。

限定グッズも充実 開催は9月6日まで

京都文化博物館で「マリメッコ展」日本で約10年ぶりの大規模展示 ドレス約70点がずらり!名作「ウニッコ」誕生の舞台裏にも迫る【9月6日(日)まで】
MBS

特設ショップでは、展覧会のキービジュアルをあしらったトートバッグ(2200円)をはじめ、マスキングテープ(990円)や羊羹(1944円)など、ここでしか手に入らない限定オリジナルグッズが販売されています(※いずれも売り切れ次第終了)。

「マリメッコ展 模様のちから」は、京都文化博物館にて9月6日(日)まで開催中です。

※休館日 :毎週月曜日
※開室時間:午前10時~午後6時(金曜日は午後7時30分まで)(入場は閉室の30分前まで)

編集部おすすめ