2023年に大阪市浪速区で、交際相手の男性に熱湯をかけたうえ首を絞め、浴槽内で溺死させたとして、殺人や傷害の罪に問われた女の控訴審判決で、大阪高裁は一審の懲役18年を破棄し、懲役16年を言い渡しました。

判決によりますと、坂本(旧姓・谷口)桃花被告(32)は2023年4月、大阪市浪速区のマンションの自宅の一室で、交際していた男性(当時31)の胸や背中などに熱湯をかけたうえ、首をひも状のもので強く絞めて意識障害に陥らせ、浴槽内の湯を吸い込んだ男性を溺死によって殺害しました。



一審で坂本被告は、「被害者の首をひもで絞めたような気がするし、湯を被害者にかけたかもしれないが、被害者が溺れていた理由は分からない。自分が寝落ちしたあとに目が覚めると、浴槽で水面に顔がつかっている状態の被害者を見つけた」という旨を供述。

弁護人も「被告が被害者に温水を多量に吸引させたとも認められない」などとして、殺人罪の成立を争っていました。

去年10月の一審・大阪地裁(大森直子裁判長)は、「被告が湯のたまった浴槽内にいた被害者の首を絞め、直接温水を吸引させた」と認定。

“頸部圧迫や水に溺れることによって被害者が死ぬかもしれないが、それでもかまわない”という「未必の殺意」があったとして殺人罪の成立を認め、懲役18年を言い渡していました。

被告はこの判決を不服として控訴。弁護人は控訴審でも、「入浴中に迷走神経反射の影響で、意識障害を起こして死亡したとしても不思議ではない」などとして、殺人罪の成立を争っていました。

大阪高裁(飯島健太郎裁判長)は今月4日の判決で、一審の「直接温水を吸い込ませた」という認定について、「首を絞められたことによる意識障害からの回復には一定の時間がかかる」と指摘。

そのため、「被告が首を絞め終わって浴室から去ったあとに、男性の体勢が崩れるなどして溺死した可能性を否定できない」とし、「直接吸引させたと認定した一審の判断は不合理だ」と認定しました。

一方で、体の広範囲にやけどを負った男性が自ら浴槽に入ったとは考え難いと指摘。「お湯が張られた浴槽の中で首を強く絞めて意識障害に陥らせた行為は、放置すれば溺死する危険性が相当高く、殺意があったことは疑いがない」として、一審と同様に殺人罪の成立を認めました。

そのうえで、「自らの行為で直接、湯を吸い込ませたとは認められず、殺意は比較的弱い部類に入る」と判断。
一方で、「熱湯をかけてやけどを負わせることを繰り返すなど態様は悪質で、結果も重大である」などとして、一審の懲役18年を破棄し、懲役16年を言い渡しました。

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