目次
フリーランスの取引における立場の弱さ
「pasture(パスチャー)」が行った調査「フリーランス保護新法に関する意識調査」によると、フリーランスの75.8%が企業との取引で自身の立場が弱いと感じている。具体的には36.3%が「立場が弱いと感じる」と答え、39.5%が「どちらかというと立場が弱いと感じる」と回答した。


フリーランス保護新法の認知と現状
フリーランス保護新法の認知度は19.5%と低く、多くのフリーランスがこの新法の内容や影響を十分に理解していない可能性がある。さらに、55.5%のフリーランスが新法により享受できる内容を現時点では享受できていないことが明らかになった。



フリーランス保護新法の義務と禁止事項
厚生労働省が公開している資料をもとに「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」、通称「フリーランス保護新法」についても改めて確認しておこう。フリーランスが安定的に業務を受託するための環境整備を目的としたもので、義務と禁止事項が定められている。新法の文面にある「特定受託事業者」とはフリーランスや個人事業主といった業務委託の取引先のことを表現している。まずこの新法はフリーランスと事業者との取引の透明性と公平性を確保することを目的としている。事業者に対して、給付の内容や報酬の額等を書面又は電磁的方法により明示することを義務付けるとともに、給付を受領した日から60日以内の報酬支払期日を設定し、その期日までに支払うことを求めている。
また、禁止事項として、特定受託事業者の責めに帰すべき事由がない場合の受領拒否、減額、返品、仕事内容の変更ややり直しの要求は認められない。正当な理由なく、特定の物品の購入や特定の役務の利用を強制する行為や、自己の利益のために金銭、役務、その他の経済的利益の提供を強制することも禁止されている。
さらに、募集情報を公開する際には、虚偽の表示をすることが禁止されており、常にその情報を最新の状態に更新する必要がある。フリーランスと事業者との間の取引において、公平性と透明性を確保するための具体的なルールが定められている。
新法により取引において遵守すべき基本的なルールが明確になるため、フリーランスが安定した業務環境で働くことが期待できる。フリーランス新法は2023年4月28日に成立し、施行は2024年秋頃までに行われるとされている。
pasture
URL:https://www.pasture.work/
2023/09/12
