数々の凶悪事件に関与し、芸能界にも深くかかわっているといわれる半グレ集団「関東連合」。昨年9月に六本木のクラブ「フラワー」で飲食店経営者の男性が撲殺された事件でも、首謀者は関東連合OBの見立真一容疑者(逃亡中)とされ、複数の関東連合関係者が逮捕されている。
著者は工藤明男(仮名)という人物になっており、プロフィールでは「杉並区出身の関東連合元リーダー」で「現在は主に投資と企業コンサルタントの仕事を行っている」となっている。同書では、関東連合の実態や警察との“不適切な取引”、暴力団との関係などが詳細に書かれており、市川海老蔵暴行事件や朝青龍事件、六本木襲撃事件などの内幕にも触れている。
また、著者の工藤氏は発売中の「週刊文春」(文藝春秋)でもインタビューに登場し、芸能界と関東連合の関わりを詳細に語っている。工藤氏によると、関東連合と芸能界の関係が深まったのはAVプロダクションを経営していた、関東連合の元リーダーK氏の存在が大きいという。K氏と後輩にあたる見立容疑者が懇意になったことで、単なる不良集団だった関東連合は変貌し、芸能界や格闘技界、財界などに人脈を広げていったという。
ざっと挙げられている人物の名前だけでも、芸能界のドンことバーニングプロダクションの周防郁雄社長、エイベックスの松浦勝人社長、格闘技K-1のプロデューサーだった石井和義氏らとの関わりが記されている。関東連合のメンバーが彼らのボディーガードや運転手を務め、数々のトラブルを解決してきたそうだ。
工藤氏の証言で最も衝撃的だったのは、インタビュー記事の見出しにもなっている「長澤まさみを『借金返済』で追い込んだ」という内容。長澤といえば現在は俳優の伊勢谷友介と交際中とされているが、工藤氏によると、つい最近まで広末涼子の元夫・岡沢高宏と付き合っていたという。岡沢は以前から関東連合との関わりが深いと噂されており、5年前に起きた西新宿金属バット撲殺事件で殺害された関東連合出身者の親友だったともいわれている。
工藤氏の証言によると、岡沢は関東連合関係者に多額の借金をしており、その返済をめぐって「お前の代わりに長澤に返済してもらえ」と脅されたという。
また、記事では別の関東連合関係者の証言としてロンドンブーツ1号2号の田村淳の名前も挙がっている。売り出し中の頃の田村が手を出した女性が、前述のK氏の下に駆け込み、田村はKに詫びを入れなくてはならないことに。この時、田村は謝罪の様子をビデオで撮影され、多額の現金を恐喝されたという。
まさに爆弾級の証言が次々と飛び出している関東連合元幹部の暴露。
「これまで好き放題暴れていた関東連合ですが、警察が『準暴力団』という新たなカテゴリーをつくり、本格的に取り締まりを始めた。関東連合のOBもターゲットになり、使い勝手のいい存在として彼らを囲っていた暴力団も抱えきれなくなりました。警察から追われ、暴力団からもうとまれ、アウトローを続けていた関東連合出身者は居場所がなくなっている。数々の事件によって逮捕者も続出しており、もはや組織的な力はほとんどない。
今回の本の出版をきっかけに、関東連合関係者の暴露が相次ぐ可能性もある。つながりのあった芸能人や著名人にとっては、しばらく気の休まらない日々が続きそうだ。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)