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【かぶオプコラム】
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第4回:株式投資で後悔しない!株の買いを予約する方法1

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「このコラムでは、株式投資をより効率的にしてくれる仕組み『かぶオプ』について連載でお伝えしてゆきます。」

前回第4回では、株価が上昇している時に、株の買い持ちがなく後悔することを避けるために、コールを買って安心感を買うという方法をご説明いたしました。

コールとは、「予め決めた価格で将来モノを買う権利」のことでした。

例えばある株の権利行使価格(以下、行使価格)1,000円のコールを買っておけば、取引最終日の株価が2,000円でも3,000円でも、いくらであっても、1株あたり1,000円で買うことができるというものでした。

コールについてイメージがわかないという方は、テーマパークの優先チケットを想像してみてください。あるテーマパークでは、優先チケットを買うと、対象のアトラクションの順番待ちの列にお客さんが100人並んでいても200人並んでいても、順番待ちの列に並ぶことなく、優先的にアトラクションに乗れるとしましょう。大混雑の日には優先チケットを買っておくのも手ではないでしょうか。

同じように、多くの人が積極的に株を買って株価がどんどん上がっていく中でも、コールという権利を買っておけば、出遅れて高値をつかむことなく、予め決めておいた安い値段で株を買うことができるということです。

さて、このような有利な権利を買っておいたとしても、その権利が役に立たないという場合もあります。



例えば先のテーマパークの優先チケットでいえば、優先チケットを買ったけれど、その日は雨が降り寒くてほとんど自分以外にお客さんがいなく、優先チケットを使う必要がないほど空いている場合や、優先チケットを買ったのに体調不良でテーマパークに行けなくなり、チケットの期限が切れてしまうといった場合です。このように、わざわざお金を出して優先チケットという権利を買ったものの、それが無駄になってしまうということもあるのが注意点です。

コールの取引でも権利が無駄になってしまうこともあります。例えばA社の株を将来1,000円で株を買えるというコールを30円で買っておいたものの、取引最終日の時点でA社の株価が800円に値下がりしていたらどうなるでしょうか。

コールを使って市場価格の800円よりも高い1,000円で株を買う必要はありません。コールの権利を放棄し800円で株を買えばよいのです。

コールの買い取引とは、取引最終日時点で、行使価格で株を買うことが自分に有利な時だけ株を買い、不利な時は株を買わなくてもよいという、株の買い手にとって都合のよい権利なのです。

ただし、コールを手に入れるために支払った30円は損失となります。このように、権利を使ってもメリットがない状況のことを、オプションの用語では「アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)」と言います。逆に、株価が1,000円より高いときに、コールを使って株を1,000円で買えるような状況のことを「イン・ザ・マネー(ITM)」といいます。

■図5-1:コール買いのイメージ(権利放棄)

【かぶオプコラム】第5回:株式投資で後悔しない!株の買いを予約する方法2


実際の取引でも、コールを買ったのにアウト・オブ・ザ・マネーになってしまい、コールが無駄になってしまうこともあります。

例えば5月7日に日経225ETFが40,500円をつけているのをみて、5月の取引最終日(5月9日)には41,000円を超えて上昇しそうだと思い、行使価格41,000円のコールを100円で買ったとしましょう。

現実には5月の取引最終日の終値は39,760円でコールは役に立たず、コールを買った代金100円が損失となりました。ETFが値上がりするだろうという読みが外れたことによって損失が出てしまいました。

ここでのポイントは、100円でコールを買った場合の損失は最大でも100円でしかないということです。もし5月7日時点でコールを買うのではなく、ETFそのものを40,500円で買っていたら、5月9日の引け時点ではETFが39,760円に値下がりし、740円もの評価損が出てしまっていたことでしょう。

そもそもコールを買うということは、これから対象の株が値上がりするという見込があってのことです。ここですぐに株を買うと、読みが外れて大きな損が発生することもあります。

一方、値上がりを期待した場合に株ではなくコールを買っておけば、大きな損失を避けることができます。仮に取引最終日の時点で株価が大幅に値下がりしていたとしても、コールを放棄すれば株を買う必要はなく、損失を最初にコールを買った代金分だけにとどめることが可能です。

コールの買い取引は、損失を限定しつつ、値上がりしそうな株をあらかじめ決めた値段で買うことができる仕組みです。ぜひこれからの株式投資に活用してみてください。次回からは、保有株を売る際に役立つもう一つのかぶオプ、「プット」についてご紹介していきます。どうぞお楽しみに。



(株式会社シンプレクス・インスティテュート)

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