投資の第一歩として、NISAを活用する人は多いだろう。つみたて投資枠で投資信託を用いた積立投資を行っている人がほとんどかもしれないが、なかには成長投資枠も活用して、個別株での運用を行っている人もいるかもしれない。
ただ、個別株への投資となると、特定の会社や業界について詳しくならなければ、今後成長するであろう銘柄を見極めることは難しいもの。働きながら運用を行う兼業投資家でも、株式投資はできるのだろうか。
200以上の銘柄を中長期的に保有し、資産1億円を突破した兼業投資家の「なごちょう」こと名古屋の長期投資家さんに、これまでの経験や株式投資のコツについて聞いた。
「株式投資で資産100倍」と聞いて抱いた興味
なごちょうさんが資産運用に興味を持ち始めたのは、小学生の頃。
「小学3年生で読み始めた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のなかで、『定期預金で運用すれば、税金がかからずに2倍になる』といった話が出てきたんです。当時は利息が非課税になる制度があり、この話を参考にして運用すれば働かなくても食べていけると思って、定期預金や利息に興味を持った感じでした」(なごちょうさん・以下同)
1991年、高校1年生のときに親が積み立ててくれていた定期預金が満期になり、残高が元本の倍ほどになっていたこともあり、ますます運用への関心が高まっていく。
「あの頃はまだ定期預金の金利が高かったんですよね。そんななかで株に興味を持ち始めたのは、親の知り合いの話を聞いたことがきっかけです。当時は現物支給でのボーナスが珍しくなかったんですが、その方はボーナスとして任天堂の株を受け取り、その株を持ち続けて、資産が100倍以上になったらしいんですよ。そこで売って早期退職したと親から聞いて、そんな夢みたいな話があるんだって思いましたね。大人になったら株式投資を始めようって心に決めました」
当時の成年年齢である20歳を迎えたなごちょうさんは、さっそく自分の名義で証券口座を開設した。
「投資初心者向けの書籍を2冊くらい軽く読んだんですけど、数字や単語の意味が理解できないし、何を買ったらいいかもわからなかったんで、証券会社の担当者や知り合いに言われるがままに東芝、富士通、パラマウントベッドと、優待が欲しかったモスフードサービスの4銘柄を買いました。結果的にモスフードサービスは買値と同じくらいで売り、東芝と富士通は含み損の状態になったんですが、介護保険導入のタイミングでパラマウントベッドの株価が4000円くらいから1万7000円くらいに上がって衝撃を覚えました」
含み損の状態だった東芝と富士通も少しずつ回復し、最終的には利益を出して売却することができた。
「いま思うと、すべてラッキーパンチだったんですが、当時は『あんまり勉強しなくても結果が出るなんて、株式投資って楽勝だな』って気持ちでした(苦笑)。でも、その後にITバブル崩壊があり、2002年には時価会計の導入が必須になったりして、30万円くらいで買ったUFJ銀行(現三菱UFJ銀行)の株が半年も経たないうちに5万円くらいまで下がって、この頃はきつかったですね。投資歴7年目くらいで、ようやく株式投資の難しさや怖さを実感しました」
経済・投資の知識が導いてくれた「バリュー投資」
うまくいかない時期を抜け出すきっかけとなったのは、“物言う株主”の登場にあったという。
「当時、村上ファンドやスティールパートナーズといったいわゆる“物言う株主(アクティビスト)”が出てきて、多くの日本企業は抵抗する姿勢を見せていたと思うんですが、僕はアクティビストの話を聞いて納得する部分が多かったんですよね。だから、村上ファンドやスティールパートナーズが買いそうな銘柄を先回りして買っておけば、大損することはないだろうって考え始めたんです」
アクティビストの動向を見ているうちに、何をもって投資判断をしているのかといった点に関心が向くようになっていく。
「投資を始めた頃に買ってずっと放置していた会計に関する書籍を、改めて読み直したんです。日経新聞や経済ニュースも見るようになって、当初よりも理解できる部分が増えていく一方でわからない部分も明確になったので、株式投資に関して情報交換している個人サイトを見つけて、そこの掲示板に疑問を書き込んでみたんです。そのサイトに集まっている方々はすごく丁寧に答えてくれたので、そこで知識を積み上げながらバリュー投資を始めました」
バリュー投資とは、企業の利益水準や資産価値に対して、株価が割安だと判断される株式に投資する手法のこと。
「UFJ銀行の株はそのまま持ち続けていたんですが、貸借対照表や決算書も見るようになってから、さすがに株価が安すぎると感じて、なんとなく保有するのではなく回復するまで持っていようと決めたんです。結果として三菱東京銀行が合併してくれることになり、買値の倍くらいになったんで、間違ってはいなかったのかなと。その頃、工作機械メーカーのFUJIの株も買いました。FUJIはいまでも自己資本比率の高い優良企業なんですが、収益が設備投資に左右されるからか、株価が低かったんです。いくらなんでも安いんじゃないかと思って買いましたね」
200以上の銘柄を保有しているワケ
1995年から投資を始めて30年が経ち、2025年9月現在で208銘柄を保有している。
とはいえ、個人投資家としては超分散投資ともいえる銘柄数に至ったのは、なぜなのだろうか。
「2005年くらいまでは資産が少なかったこともあり、20~30銘柄くらいだったんです。ラッキーパンチが当たったパラマウントベッドも買い直したりしながら持っていたんですが、介護保険報酬が変わって業績が下がり、第一四半期決算が下方修正されたことがあったんですよ。株価も暴落して、翌日の市場が開くまで眠れないことがあったんです」
回復するまで売却しないと決めていても不安ばかりが募り、眠れない日々が続いた。2006年に個人投資家が集まる勉強会に出向くようになり、資産数十億に達しているベテラン投資家に相談したそう。
「その方から『自分のキャパ以上にリスクを取りすぎてるから、翌日の値動きが気にならないくらいまでポジションを落としたら眠れるようになるよ』というアドバイスをいただいたんです。それから銘柄ごとの金額を下げて、過度な買い増しもしないようになりました。ただ、売却した分だけ現金が増えるので、それで別の銘柄を買うということを繰り返していたら、結果的に200銘柄を超えていたんです」
現在はさまざまな業種の銘柄を保有しているなごちょうさんだが、どのように選定しているのだろうか。
「事業や業績に対して株価が安すぎるところを選ぶ、という基準はずっと変わっていません。ただ、業種によって見るべきポイントは変わってくるのかなと思います。例えば、FUJIのような工作機械メーカーであれば『受注高』や『受注残高』が重要。
投資初心者となるとすぐにポイントを見極めるのは難しいが、第一歩としてやっておくといいことがあるとのこと。
「貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書などにどのような項目があり、何を意味しているのかという点は押さえておきたいところです。そこがわかるようになると、企業の状況などを把握しやすくなります。決算書や会社四季報などには情報がたくさんあり、それをもとに企業の動向を考えていくと、大損はしにくくなると思っています。曖昧な情報で予想する賭け事ではないので、しっかり情報を読み解くことが成功の秘訣ではないでしょうか」
さまざまな失敗を重ねてきたからこそ、複数の銘柄への分散や情報収集の重要性に気付いたなごちょうさん。後編では、より具体的な株式投資のコツについて伺う。
(取材・文/有竹亮介)

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