新潟県の医師不足解消に向けて効果が期待されている医学部の地域枠。花角知事の肝いり政策でもあり、県は地域枠の拡充に力を入れてきた。
■医師不足の新潟県 医学部の“地域枠”拡充に力

2019年、大阪の関西医科大学と医師の確保に向けた地域枠の協定を結び、「若い医師に、ぜひ新潟で地域医療に携わってほしいと願っているので、こうした地域枠は期待している」と期待を寄せていた花角知事。
地域枠は、医学部を卒業した学生が指定された県内の医療機関で9年間勤務することで、貸与された修学資金の返還を全額免除するというもの。
2期目を目指した2022年の知事選でも、花角知事は地域枠の拡充に力を入れる考えを示していた。
「研修に入る人たちに新潟県の病院で研修してみようと思っていただけるような努力をしている。その結果として研修が本当に増えている。若い研修医が増えていることで、少しずつ状況は改善していけるかなと期待」
25年度は、13校79人の地域枠を設定。地域枠を活用して県内で勤務する医師は120人を超えている。
ただ、厚生労働省の調査では、2022年末時点で新潟県の人口10万人あたりの医師数は、全国ワースト4位の212.8人。依然として低い水準が続いている。
■関西医科大“地域枠”廃止へ「働き方改革で教育に充てる時間が…」

こうした中、県は来年度の地域枠の見通しの中で2人を受け入れていた関西医科大学が新潟の地域枠を廃止することが明らかになったと発表した。
その理由について、県医師・看護職員確保対策課の中村雅雄課長は「医師の働き方改革が本格施行され、病院で勤務する時間等が制限されるので、教育に充てる時間がなかなか厳しくなっているということで…」と話した。
医師の働き方改革により、指導に当たる医師が確保できなくなったのだ。
27年度は新潟大学が一般選抜の定員を10人減らし、その分で地域枠を増やす方針だが、今後、医師の働き方改革が地域枠の確保にどのような影響を与えるのかは未知数だ。
(NST新潟総合テレビ)