ヨーロッパの歴史ある国の1つ、オーストリア。日本では、音楽の都ウィーン、著名な音楽家モーツァルト、華麗なる国家ハプスブルク家、アルプスの大自然などで知られる。

そのオーストリアで、ウィーン、美食と世界遺産の街グラーツに次ぐ、第3の都市が「リンツ」である。

cOW / Sebastian Scheichl Creator
リンツは、街の中心をドナウ川が流れ、古い伝統が残る文化都市である一方、2014年にユネスコ創造都市(メディアアート部門)に選出されたのを機に、デジタルアートの中心地として有名に。毎年9月にイベント「アルス・エレクトロニカ」が開催されるほか、未来型ミュージアム「アルス・エレクトロニカ・センター」ではメディアアートが年中体験できる。


2025年4月、大阪・関西万博の会場で、新感覚のリンツ・バーチャルツアー、ビヨンド・キュリオシティが、世界で初めて披露された。

最新技術「3Dガウス・スプラッティング」を活用し、リンツの観光名所をツアー参加者がスマートフォンで3Dデータをスキャンして地図上でシェアすることで、他のツアー参加者にもその3Dデータの新たな視点での都市体験が可能となる。



スマートフォンを使っての地図での画像シェアは2D、また3Dだと観光局など発信はあっても、一般参加もOKでの試みは革新的。開発したアルス・エレクトロニカ・フューチャーラボの関係者はと、リンツ発で将来的には他都市の観光にも活用できればとも話していた。

また、このリンツで最も有名なのが、「世界最古のケーキ」「世界最古のトルテ」とも言われる『リンツァートルテ』だ。


オーストリアのお菓子では、日本でもザッハートルテがまず有名。一方、リンツァートルテが世界最古と言われる所以は、1653年の文献に登場し、作り方の「レシピ」が残っているからという。


タルトの型にシナモンが入った生地にラズベリーやレッドカラント(アカスグリ)など赤い実のジャムをはさみ、スライスアーモンドをまわりにのせて焼き上げる。トルテは今でこそタルトと似て非なるものだが、元祖は同じ。
しっとりとした生地、ジャムと相性よく、シナモンの風味、香ばしいナッツの味わい深さが楽しめる。見た目も美しいため、オーストリアで長年愛され続けている。


なお、大阪・関西万博には、オーストリア・パビリオンも出展している。

万博会場にはパビリオンが数多ある中で、五線譜をモチーフとした木製のパビリオンは、遠くから見てもパッと目を引く。オブジェのパーツはオーストリア国内で制作されたのちに大阪へ海路輸送され、約1年かけて設置。そのパーツは再度分解、組み立てなど「再利用」でき、持続可能性にも配慮しているという。


パビリオンのテーマは「未来を作曲」で、過去から現代まで3つの空間で「音楽」が体感できる。

特に、最初の空間には、オーストリア・ウィーンで1828年創業のピアノメーカー「ベーゼンドルファー」のグランドピアノ限定モデル(全世界16台限定)が出展されている。


その価格、約5000万円。ピアノの屋根内側に描かれた葛飾北斎の浮世絵、「ウィンナートーン」と評されるベーゼンドルファーらしい音色、1000曲以上の自動演奏機能も備える。その他、AIを使った作曲体験、オーストリア料理が味わえるレストラン、ショップなどもある。

オーストリア観光サイト
https://www.austria.info/ja/

(Written by AS)



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