『骨の数ってな、206あんねん』(byアンミカ!?)…でもな、子供の骨はもっとあんねん!さて、いくつある!?
【問題】1÷0の答えはいくつになるでしょう?
はるか昔、わたしが小学生の頃、0÷1のような割られる数が0の計算をした覚えはあるものの、割る数が0の計算って、教えてもらった記憶がないのだけど…。みなさんはどうですか?
thinking time
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正解は…。
計算機に1÷0を入れてみると、

画像出典: 「WEB電卓」
ジャン!

画像出典: 「WEB電卓」
「Error」
えっ、え、え、え、エラー!?
エラーとはどういうことなのでしょう?
先ほど触れた、去年話題になったX(旧Twitter)の投稿にあった、「18÷0=答えなし」のように、「1÷0=答えなし」が正解なのでしょうか?
そのX(旧Twitter)のポストというのが、ちゃーろー@カメレオン絵師さんのこちらのポスト。
半分炎上してた娘(8歳)の小学校の、プリントが返ってきたので報告します。
【18÷0=】を【こたえなし】
で提出したら。
先生ににされて【0】だと言われたそうです。
割り算に0が入ると全て0らしい。
これで本当にいいんやろうか…割れませんよね…? pic.twitter.com/VLWhUmSpuA— ちゃーろー@カメレオン絵師 (@charlow_illust) June 18, 2024
8歳の娘さんが、小学校の算数プリントで、「18÷0=こたえなし」と回答したところ、先生にバツをつけられ、答えは「0」と言われたそうです。
先生は「割り算に0が入ると全て0」と、単純明快なものの、あまり数学的ではない説明をしたそうです。
このポストに対し、「0で割ることは出来ないはず」「答えは0ではない」など、いろいろな意見が相次ぎ、8.2万いいね!がつくほど注目されたんです。
現役の数学の先生や元校長先生から、「数学教員ですが、0で割ること自体がダメです。
投稿者のちゃーろー@カメレオン絵師さんは、「割り算に0が入ると全て0」と言った先生を責めようと思ってポストしたのではなく、「18÷0=0」とする理由を先生に聞いてみたくて電話しようとしたら、”モンペ”になるからと娘さんと奥様に止められ、ポストすることにしたそうです。
小学校の元校長先生も「小学校で指導する範囲ではない」と言っているし、みなさんも、「18÷0=0」と指導した先生を温かい目で見てあげましょうね。
…と、余談はさておき、本日の本題、1÷0の答えは、どうやら「答えなし」となるみたいです。
でもなぜ、「答えなし」なんでしょう?
頼りになる、わが心の友、「Gemini」に聞いてみると…、

画像出典:Google「Gemini」
「1÷0の答えは、定義されません。数学において、ゼロで割ることはできません。もしゼロで割ることができたと仮定すると、矛盾が生じてしまいます。」とのことでした。
「定義されない」「数学において、ゼロで割ることはできない」って???
なんだか、よくわからないので、「1÷0」について、深掘りすることに!
「0で割る」とはどういうこと?

画像出典:photoAC
そもそも、数字を0で割るとはどういうことなんでしょう?
式が1÷0になる問題文を作ってみると、「りんごが1個あります。これを0人で分けたら、1人あたり何個のりんごがもらえますか?」となります。
日本語的にも、おかしな問題文です。
”0人で分ける”…。そんなことありえません。
問題文として成り立たないから、計算のしようもない。だから「答えはなし」ということ?
けれど、0人で分けるということは、誰の手にも渡らないから、答えは0かもしれないし、分けないから答えは1とも言えるかも。
モヤモヤがとれないので、別のアプローチで考えてみましょう。
割り算は、かけ算の「逆演算」であると定義されていることに注目。
6÷3=2 → 2×3=6 となりますよね。
これに1÷0を当てはめてみると(1÷0の答えを仮に●とします)、
1÷0=● → ●×0=1
●に何が入るのか考えてみます。
「0は何倍しても0」という0の定義があるので、●にどんな数字を入れても、この式を成立させることはできない、とわかります。
つまり、「答えなし」というわけ。これを数学用語では「不能」というそうです。「不能」とは「解を求めることができない(存在しない)」という意味らしいです。
ただ、0で割る式「●÷0」の中で、解が「不能」にならないものが、1つだけあるそうです。
それはなんだかわかりますか?
そうです!
0÷0
同じようにかけ算で考えてみると(1÷0の答えを仮に●とします)、
0÷0=● →●×0=0
先ほどとは真逆で、●にどんな数字を入れても式が成立するのです。
0÷0の答えは数学用語では「不定」というそうです。「不定」とは「解が1つに定まらない」という意味。
0÷0=不定 となるわけです。
●をaに置き換え、数学っぽくまとめると、
a÷0のとき、a≠0であれば、答えは「不能」となる
a÷0のとき、a=0すなわち0÷0であれば、答えは「不定」となる というわけです。
計算の答えが数字ではなく、「不能」「不定」と漢字で表されるのは新鮮ですよね。
このように「0で割る」場合の答えは、「不能」もしくは「不定」となりますが、こんな考え方もあるそうです。
高校の数学Ⅲに「関数の極限」という単元があり、「極限」とは「限りなくある数に近づけていく」という考え方だそうです。
数学脳のないわたしには、ちんぷんかんぷんでしたが、この考え方に従って、高校3年生レベルではなく、噛み砕いて、噛み砕いて小学生レベルで簡単に考えてみました(笑)。たぶん、間違っていないと思うけど…。
1÷0=● → ●×0=1 となるのは先ほどやりましたよね。
「●×0=1」の「0」を”0に近い数”にして計算してみます。
例えば「0.01」にすると、
●×0.01=1 ●=100 となります。
さらに、”0に近い数”を入れてみると…。
●×0.001=1 ●=1000
●×0.0001=1 ●=10000
●×0.00001=1 ●=100000
というように、割る数を0に近づけるほど、答えはどんどん大きくなっていきます。これを永遠に行うと、億、兆、京と位が上がっていき、最終的には無限大になることが予想されます。これを数学用語で、「無限大に発散する」と言うそうです。
1÷0の解は「不能」であり、「数字を0で割る」ことはできませんが、割る数が0に近ければ近いほど、答えが大きくなることがわかります。
「0で割ることはできない」の一言で終わらせてしまうのは簡単ですが、いろいろな視点で考えてみることって大切で、そこに”考える”楽しさがあるのかなと感じました。夏休みに、計算問題をただ解くだけでなく、お子さんと算数・数学の「なぜ?」を見つけ、一緒に考えてみるのも楽しそうですね。
<参考文献>
WEB
『ゴリラティーチャー教壇に立つ~なぜ÷0は計算できない?0で割れない理由をわかりやすく解説~』
https://gorilla-teacher.com/division-zero/