突然ですが、みなさん「野菜の端っこ」捨ててませんか?例えば、えのきたけの根元や、ブロッコリーの芯、長ねぎの青い部分など…捨てられることが多いけれど、実はおいしく食べられるんです。今回、そんな「野菜の端っこ」を使ったポタージュのレシピを、料理家の山戸ユカさんに教わりました。
なんと市販のだしに頼らなくても、旨味たっぷりに仕上がるそう!さっそく冷蔵庫から「野菜の端っこ」を集めて作ってみます。

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野菜を丸ごと食べ切る知恵♪「端っこ野菜のポタージュ」

今回紹介するポタージュは、山戸さんをはじめとする6人の共著で発刊した『ごみを出さない気持ちのいい暮らし』に掲載されていたレシピ。特別に教えてもらいました!

ポタージュに使う材料は、すべて野菜の切れ端。いつもなら生ごみとして捨てられてしまうことも多い部分です。

例えばえのきたけ…

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】

画像:PhotoAC 

いつもは段差の部分(A)で切って、下の部分を捨てていますが、実は、根元の菌床とおがくずが付いている部分(B)のみを切り落とせば、残りは食べられるそう。なので、今回はいつもなら捨てている部分を使って、ポタージュの材料にします(上の部分は他の料理に使います)。


山戸さんによると、他に合わせる野菜の切れ端には「アクの強いなすの皮などでなければ、たいていのものを使えます」とのこと。その言葉に背中を押され、冷蔵庫の中をガサゴソ。あれもこれもと集めてみました。用意した材料は、こちらです。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


材料(作りやすい分量)
えのきたけの根元(おがくずのついている部分は除く)…1株分
長ねぎの青い部分…適量
セロリの葉…適量
ブロッコリーの芯…適量
ごぼう…1/3本
オリーブオイル…大さじ1
昆布…5cm
塩…適量

本に掲載されていたレシピでは、長ねぎの代わりに玉ねぎ小2個、ブロッコリーの芯の代わりに、キャベツの芯やにんじんのへた、カリフラワーロマネスコの葉、スティックセニョールなど各適量を入れていました。
また、今回は冷蔵庫に余ったごぼうがあったので、オリジナルで追加してみました。


それでは、さっそく作っていきます。どんな味になるのか楽しみ~♪

作り方
1.長ねぎは薄切りにする。その他の野菜はそれぞれ火が通りやすいように小さく切る。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


2.鍋にオリーブオイルを中火で熱し、1の野菜をくったりするまで炒める。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


3.ひたひたに水(分量外)を注ぎ、昆布と少量の塩を加える。沸騰したら弱火にし、フタをしてやわらかくなるまで煮込む。


いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


4.野菜がすべてやわらかくなったら、ハンドブレンダーなどで攪拌し、ポタージュ状にする。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


5.塩で味を整え、器に盛る。香り付けのためにオリーブオイル(分量外)を回しかけ、好みで黒こしょう(分量外)をふれば、完成。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


まぁ、なんておいしそうなんでしょう!食欲をそそる野菜の香りが湯気とともにふんわりと立ちのぼってきます。色味は大人な雰囲気のアースカラー。

さっそく、いただいてみます!

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


一口いただくと、まるみのある芳醇な味わい。
お腹も心もじんわりと温まり、濃縮された野菜の旨味とほのかな甘さに驚きます。

回しかけたオリーブオイルと黒こしょうで香りが引き立つのもいい‼

そして、えのきの根元がグッジョブです。
昆布の旨味成分であるグルタミン酸に、えのきのグアニル酸が合わさることで、旨味がマシマシになるんでしょう。
動物性のだしや市販のコンソメなどを使わなくても、野菜の旨味でこんなに贅沢な味になるんですね。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】


また、今回はオリジナルで加えたごぼうの風味が強く出たのがおもしろいところ。えのきたけを基本に、冷蔵庫にあるもので組み合わせを考えてみるのも楽しそうです。


山戸さんいわく 「野菜ってつい習慣でへたを取り除いたり根元を切り落としたりするけれど、たいてい丸ごと全部食べられるんです」 と。確かにその言葉を強く実感できるポタージュでした。

ごみを出さないアイデアは他にもたくさん!

レシピが掲載されている『ごみを出さない気持ちのいい暮らし』には、山戸さんのほかにも5名の方々が日々実践している、自分に負担のない範囲で暮らしをちょっと変える「アイデア」がたくさん紹介されています。

今回紹介した「端っこ野菜のポタージュ」は、フードロスを減らせるうえ、お味も申し分なくて、これなら毎日の暮らしに簡単に取り入れられそう!

実はわたし、この本を読んでから、ラップやビニール袋の使用頻度を減らしたり、瓶のリユースをマメにしたり、マイボトルを持参したりするようになるなど意識が変わりました。

本の中で語られていた「微々たることだけれど、やらないよりはずっといい」を胸に、”ごみを出さない気持ちのいい暮らし”を自分なりに実践していきたいと思います☆みなさまも、ぜひに。

いつも捨ててる「野菜の端っこ」かき集めて「ポタージュ」作ってみた!旨味がギュッ~♪【山戸ユカさん直伝】
山戸ユカ料理家。
東京都で生まれ育ち、山梨県北杜市に移住。八ヶ岳の麓で、地元産の有機野菜を使った玄米菜食を中心としたレストラン「DILL eat,lIfe.」を営む。一昨年より、添加物を使わないトレイルフードブランド「The Small TwIst TarIfoods」を立ち上げ、好評を博す。お店では地元の生産者の野菜のほか、抗生物質や遺伝子組み換えのえさを使わずに育てられた鶏肉、平飼いの卵、ニジマスなど地元で取れる魚などを使用。