ソニーの車内エンタメ化の試金石
「VISION-S 02」。5Gネットワーク機能が備わり、ストリーミングによる映画や音楽、ゲームなどさまざまなエンターテイメントサービスが受けられる。
ソニー VISION-S 02
ソニーが壇上に上げたのは2台の電気自動車。新型スマートフォンやプレイステーションのゲーム、臨場感のあるライヴパフォーマンスシステムなど同社の最新のエレクトロニクス技術とともにお披露目された。 2台のうち1台は、2年前のCES 2020で初披露されたVISION-Sの進化型「VISION-S 01」だ。01のサブネームが付いた理由は、もう1台の、新たに開発されたSUV「VISION-S 02」が今年のCESで初披露されたからだ。
40個あるセンサーが走行時の安全を守る。現時点では自動運転レベル2相当の運転支援機能が備わるが、ソフトウェアのアップデートでレベル4まで引き上げることが可能。
VISION-S 02の全長・全幅は01とほぼ同じ。最低地上高が少し上がり、室内も縦方向に少し広げられたため、全高は1650mmと200mm高くなる。また02は3列シートを備えることも可能という。前後に備えられた2つのモーターで4輪を駆動させ、自動運転が可能で、リアリティのある独自の音響サウンドや、車内で映画やゲームを存分に楽しめるのは01と同様だ。
左右一杯にパノラミックスクリーンが備わる。操作音や加減速音は気分に合わせて自在にセレクト可能。
瞬時に色が変わるカメレオンカー

「iX Flow featuring E Ink」。塗装中ではなく、変身中。
BMW iX Flow featuring E Ink
BMWが今年のCESで発表したのは、なんとスイッチひとつでボディカラーを変えられる車。デモ車両もその場で白/黒を切り替えてみせた。色が変わる原理は、Eインクと呼ばれる技術で、キンドルなど電子書籍リーダーの文字表示に使われている。つまり、ざっくり言えばボディ全面に電子書籍リーダーのパネルが、ぎっしりと敷きつめられているというわけ。ということは、現状白/黒の切り替えだけだけど、それでも太陽の日射しが厳しい夏は白にして光を反射したり、逆に冬は黒にして吸収したりするだけでも車内のエアコンが助けられる、つまり省エネになるらしい。でも、いずれはどんな色でも表現が可能になれば、その日のファッションに合わせたりとか、デートだから気分を変えてとか、街中を走行中に広告動画を流して小銭を稼いだりとか、妄想が膨らむばかりのコンセプトカーだ。--{aa}--乗る人全員が、外と繋がる車

「エアフローコンセプト」。最大航続距離は350~400マイル(約560~640km)。自動運転レベル3機能を搭載し、将来のアップグレードも可能。
クライスラー エアフローコンセプト
電動化の先に、あるいは同時にやってくるのが自動運転時代。ドライバーをはじめ、移動中に乗員は何もやることがないから、車内での過ごし方が重要になる。
クライスラーはブランド初の電気自動車を2025年に、2028年までにすべての車を電気自動車にすることを目指すと発表。
もちろんソフトウェアは常に最新バージョンにアップグレードできるし、アプリやコンテンツもダウンロード可能。各自の世界に没頭できる。つまりは家にいるときと同じってことじゃないか。
話しかけるだけであれこれ操作したり、調べてくれるAIアシスタントも搭載される予定。
確かに車内が家のリビングと同様に寛げる空間になるのはうれしいけれど、たまには周囲から連絡を遮断して、ステアリングを握ってひとりで海を眺めに行きたい。そんなときも、満充電での最大航続距離は644kmあるというから、安心して海を目指せるのだ。