12年ぶりにスクリーンで復活を遂げる『THE3名様』。主演の佐藤隆太さん、岡田義徳さん、塚本高史さんが共有する“ファッションDNA”について語り合った
前回に続き、今回は父になったことで生まれた価値観の変化についてクロストーク。
それでは3名様、存分に語らい合ってくださいませ。
子供と一緒に洋服を買いに行く喜び
佐藤 この12年の間に3人とも父親になったけど、どう? ファッションとかも変わった?
岡田 僕はシンプルになったかな。まだ子供も小さくてよく抱っこするから、子供の顔を傷つけるような服は着たくないしね。
佐藤 昔はバリバリ”鋲ジャン”着てましたよね(笑)。
塚本 着てたね(笑)。
佐藤 今でもそのスピリッツは健在だなって感じることはあるよ(笑)。
岡田 子育てが落ち着いて、もっといい歳になったらまた着たいと思ってるし、楽しみのひとつとして取ってある(笑)。今はシンプルな服をメインで着るけど、色物はあえて着るようにしてるかな。
塚本 なんで色物なの?
岡田 色物って、着ないとどんどん着れなくなってくるじゃん。色を使うのが下手になるというか。だから、あえて派手な色を買って着たりしてるんだよね。
佐藤 ああ~、つい無難なほうにいっちゃうとかあるから、そこは意識的に。
塚本 俺は昔からブランドに興味がないところは変わってないけど、14歳になる娘と一緒に買い物に行って服を選んでもらうようになったな。
佐藤 何それ、めっちゃいい話じゃん!
塚本 こないだ下北沢の服屋で、カップルに間違えられたよ(笑)。マスクしてるからだろうけど、「大学生のカップルかと思いましたよ」って(笑)。
岡田 いい話。すごくいい話。間違えられるのも、わかるっちゃわかる(笑)。
佐藤 いいな~。娘さん、僕の買い物にも今度付き合ってもらっていいかな? 服、選んでほしいな~。
塚本 なんでだよ!(笑)。俺はパパだから選んでくれるの!
佐藤 あっ、他人じゃダメか(笑)。
岡田 選んでもらった服は気に入るものだったの?
塚本 選んでもらったからには、もし似合ってなくても買うよね(笑)。いや、ホントにいいやつを選んでくれたけどね。アウターだったんだけど、「パパ、これカッコいいじゃん!」って言うから、俺も「マジで?」ってうれしくなっちゃって。
6万円だったけど、頑張って即決(笑)。
岡田 いいね。うちはまだ子供が小さいけど、一緒に「これ似合う」「それ似合わない」とか言い合いながら買い物できるの楽しみ。--{}--
子供が服を汚さなくなることのうれしさと寂しさ
佐藤 うちは子供が3人いるんだけど、小さい頃、抱っこすると自分の肩のあたりによだれが付くのわかる?
塚本 あー、そういうのあったかも。
佐藤 最初は「あ~、また服が汚れた」って思ったりもしたんだけど、どんどんその汚れが愛おしく思えてきてね。で、今じゃいちばん下の子も大きくなってきたから、あの汚れが付くこともなくなっちゃって……寂しいもんです(涙)。
塚本 成長して手が離れていく感じがね。
岡田 俺は「子供がいるからこの服は着れない」っていうのはやめようと思ってる。好きなコートを着ているときに、子供が地べたにしゃがもうが何しようが、好きな服が汚れてもいいかなって。子供がいる証だしね。
佐藤 子供と出かけるときは汚れてもいい服を着て行くから、好きで買った新品の服が溜まる一方(笑)。着る機会がない。
塚本 俺の場合は逆で、自分ひとりで出掛けるならジャージでいいんだけど、子供と一緒ならちゃんとしなきゃっていう影響はあるね。
岡田 結婚して、何かファッション以外で変わったことってある?
塚本 俺は結婚してなかったらもっと遊び呆けてたと思うな。振り返ってみると、結婚したからまともになれたと思う。25歳で結婚しといてよかった。
岡田 俺がいちばん年上だけど、父としてのキャリアは2人のほうが先輩だからいろいろ相談させてもらってる(笑)。「イヤイヤ期はどう乗り越えた?」とか。「昔過ぎて忘れた」って言われたけど(笑)。
塚本 そうなのよ。一瞬だったりするじゃない? イヤイヤ期なんて。いつがそうだったかも思い出せない。
佐藤 そうそう。アドバイスしたいんだけど、意外と忘れるものなんだよね。常に新しい課題が押し寄せてくるしね。
岡田 当の本人は真っ最中だから長く感じるんだろうね。でもあっという間なんだって思うと、「ま、いいや」って開き直れる。そんなことを人生の先輩である2人から教わってますよ、僕は。
塚本 うちはいちばん下の子が最近まで反抗期だった。俺自身は仕事してたから親に反抗した記憶がないし、親にどうたしなめられてたのかも覚えてない。どういう怒り方で道を引いてやればいいのか悩んだよ。
岡田 そうなんだ。いずれそういう時期が来るわけですね、俺も。
塚本 全員が反抗期を通るわけじゃないと思うけど、俺は息子に「ママのことナメんじゃねーぞ!」って叱ったよ。パパを怒らせたら終わりだぞっていう姿勢をね、見せましたよ(笑)。
佐藤 いいね、父親してるじゃん。--{}--
『THE3名様』の3人は、次の12年後をどう生きるか
佐藤 今回『THE3名様』が12年ぶりに復活するけど、次の12年はどうなっていくんだろうね。
塚本 俺は50歳くらいだから、イケオジみたいにスーツとかワイシャツ着たいな。
佐藤 渡部篤郎さんみたいな?
岡田 篤郎さんカッコいいよね~。
塚本 カッコいい。現場にもスーツで来るし。
岡田 俺は12年後もこの仕事を続けたいと思ってるけど、他に興味が湧いたら別の道に行く可能性もあるかな。あとは子供が大きくなったら、自分がやり残してきたファッションをやりたいと思ってる。
佐藤 ”鋲ジャン”も復活ですね(笑)。
岡田 そう。心の鋲をね(笑)。年齢とともに丸くなってきたから、そろそろまたエッジを効かせたいなって思ったりしてる。
佐藤 丸くなってきたっていうのは、仕事とかも?
岡田 主に仕事かな。いい年の取り方って言われればそうなのかもしれないけど、上と下の世代に挟まれて、バランスを取るためにいい人になっていた時期があって、自分らしさを失いかけたときがあった。
塚本 へ~、そんな時期もあったんだ。
岡田 うん。でも、ちょっと尖った自分とか、自分の趣味や思考をそろそろ前に出していってもいいかなって。この二人と集まると、そういう自分に戻してもいいかなって思えるかも。
佐藤 僕は芝居が好きだからこの先も続けたいと思ってるけど、それを上回る何かが出てくれば、それに軽く挑戦できる自分でいたい。あとは、12年後なら息子も大きくなってるから一緒に買い物したり、自分の服をあげたりしたいな。
岡田 服もそうだけど、隆ちゃんはスニーカーめちゃくちゃ持ってるよね。
佐藤 だから、最近減らしてるんだよね。マネージャーが足のサイズが同じなので、押し付けてる(笑)。
岡田 俺も嫁に言われるなぁ。こんなにいっぱい、いつ履くのって(笑)。
佐藤 僕は昔母に言われましたね(笑)。貧乏性だから捨てられないんですよ。だからフリマをやりたいなぁ。買うのも売るのもめちゃめちゃ楽しいじゃん。でも、「佐藤隆太さんですよね?」って言われちゃったら、もう激安で売るしかないですよね(笑)。
塚本 「佐藤隆太、意外にセコかった」とか言われたくないしね(笑)。でもいいなぁ、フリマ。俺もやりたい。
岡田 いい断捨離になるよね。じゃあ今度みんなでやっちゃおうか、フリマ。
塚本 いいね、楽しそう。
編集部 では、ぜひオーシャンズも一枚噛ませていただいて……(笑)
佐藤 最後にいきなり出てきましたね、編集部さん(笑)。やりましょう!
◇12年という月日を経て再集結した3人。変わったもの、変わらなかったものがあるなかで、この日の3人には12年前に見せた無邪気さが当時のまま残っていた。
『THE3名様 ~リモートだけじゃ無理じゃね?~』劇場公開決定! 佐藤隆太、岡田義徳、塚本高史、3人のオーシャンズ世代が贈る、ファミレスを舞台にした、シュールでゆるい、でもどこか共感できて心暖まる脱力コメディ。4月8日 (金)から1週間限定公開! 上映は下記の劇場で。・新宿バルト 9・T・ジョイ横浜・ミッドランドスクエアシネマ・梅田ブルク 7・T・ジョイ博多・札幌シネマフロンティア