教習所の練習時に乗ったのが「CB400 SUPER FOUR」だった、という人も少なくないだろう。©︎Honda
▶︎すべての画像を見るスニーカーの大定番がコンバースのオールスターなら、バイクのソレはホンダの「CB400 SUPER FOUR(スーパーフォア 。デザイン、扱いやすさ、すべてが丁度いい
「CB400SF」は、現行の400ccクラスで4気筒エンジンを搭載する唯一無二の存在。普通自動二輪車免許で乗れるバイクの最高峰として君臨している。その源流は、’74年に誕生した「CB400 FOUR(フォア)」にまで遡る。
「ドリームCB400 FOUR」。当初408ccとして売り出されたものの、’75年に125~400ccまでの免許カテゴリーが設立されたことで、’76年に398ccの「CB400 FOUR-I」と「CB400 FOUR-II」が追加された。©︎Honda
当時、世界的大ブームだった英国スタイル“カフェレーサー”の流れを汲んで日本向けにアレンジされた本作。“カフェレーサー”スタイルは、オンロードバイクが主流だった’60年台に、カフェの周りの小径を舞台に、いかに速く周回できるかを競うストリートレースが始まりとされる。小回りの効きやすい操縦性とクラシカルで小粋なルックスは、現在でも旧車として人気だ。
最新の安全性能を携えて新世代ネイキッドの顔に
「4気筒エンジンを積んだ普通自動二輪車免許で乗れるバイク」というのは、非常に魅力的ではあったものの、大型の750ccバイクと生産コストがほぼ変わらない、などといった採算上の理由から、「CB400 FOUR」は登場からわずか3年で生産終了に。時を経て、’92年に登場したのが初代「CB400SF」だ。
当時としては個性的だったフォルムに最新の機能を融合させた新しいネイキッド・ロードスポーツバイクとして登場した「CB400SF」。©︎Honda
滑らかな曲線と面で構成されたボリュームのあるタンク形状や跳ね上がり気味のリアカウルからなるワイルドなデザインは、それ以前のネイキッドバイクのイメージを覆すような力強さを放っている。エンジンは“4 in 1”の水冷直列4気筒。前述の「CB400 FOUR」同様、低・中回転域で走らせる普段使いでは扱いやすく、高速道路などの走行に必要な高回転域でも力強い走り味を実現。それにより、「質実剛健で使い勝手良し」というパブリックイメージは、これ以降確固たるものとなった。バイク乗りならご存知の通り、教習車としても広く採用されるようになったことで、免許取得後の最初の1台として選択した人も多いのではないだろうか。
新世代のロードスポーツバイクとしてカラーイメージも一新した「CB400SF」。

高速走行を快適にするハーフカウルを搭載したモデルとして2005年に登場した「CB400SF ボルドール」。©︎Honda
排ガス規制が地球環境にとって大切な問題なのは百も承知。そうは言っても、憧れでもあり定番中の定番でもあった「CB400SF」が姿を消してしまうのは、この上なく寂しいものだ。