いろんな曲がり角の37.5歳に、薬膳ママからツマミのレシピをお届け。旬な食材を使ったツマミをアテに、美味しくカラダを整えよ!
暦的には、夏は立夏から立秋の前日まで。
召し上がってほしい旬な食材は、清熱(【せいねつ】体にこもった熱を冷ます)、解暑(【げしょ】暑気あたりを避ける)、補気(【ほき】夏バテを防ぐ)、健脾(【けんぴ】お腹を整える)などの効能のある食材です。
8月は、夏が旬の食材「いんげん」と「鯵(アジ)」を使ってみましょう。
ひと皿目「いんげんの黒胡麻和え、菊花添え」
いんげんは、体の熱を冷ます「清熱」効果のあるウリ類(胡瓜、冬瓜など)とあわせて、夏に食べていただきたい食材です。健脾、和胃(【わい】胃の働きを調整する)、袪湿(【きょしつ】体内に溜まった「湿」を汗や尿などの排出物に変えて、体外に排出させる働き)、解暑。お腹を健やかに整えて、夏の暑い時季の湿を取り、暑さを和らげる働きがあります。
胡麻には、体の中から潤す働きがありますが、特に黒胡麻の方が白髪、不眠などに働きかけ、体のパワーをつける力があります。
菊花は清熱解毒(【せいねつげどく】体内に溜まった熱を下げ、その熱によって引き起こしている赤い発疹や化膿している部分を緩和させる。ニキビの一部や目の充血なども含まれる)。体にこもった熱を取りながら解毒して、明目(【めいもく】目の疲れ、かすみなど目の不調を緩和する)効果も期待できますから、目の疲れにもいいですね。
[材料]2人分いんげん 100g(細めのもの20本くらい)
黒胡麻 30g
酒 大さじ2
砂糖 大さじ1
醤油 大さじ1
食用菊 ひとつかみ(お好みで調整)
[作り方]
①いんげんを茹でる。
※湯を沸かした鍋に、塩をひとつまみ入れてから茹でること。
②胡麻和えのペーストを作る。
※酒を煮切って、砂糖、醤油を入れ、味を整えたものを、炒った黒胡麻と混ぜる。すり胡麻も売っていますが、できれば、胡麻を軽く焙烙などで炒っていい香りになるまであたってくださいね。
③盛り付ける。
※いんげん(①)を胡麻和えのペースト(②)とあわせて、さっと湯通しした菊の花を一緒に添えて出来上がり! NEXT PAGE /
ふた皿目「豆鯵の南蛮漬け」
皆さんにとっておふくろの味って何ですか? 私にとっては「豆鯵の南蛮漬け」がおふくろの味。
鯵の旬は6~7月の盛夏。豆鯵は、ジンダとも呼ばれています。8月に入ったら「旬」を少し過ぎる食材になりますが、鯵の効能は温胃(【おんい】胃を温めて、胃の働きを活発にする)、補中(【ほちゅう】「中」は、脾胃など消化器官を含めお腹のこと。
胃腸を温め、体力減退を防ぎますので、食欲の落ちる夏にぜひ取り入れたい食材です。最近忘れっぽいな……という方にもおすすめです。
南蛮漬けに使う酢は、夏は梅酢がおすすめです。梅干しは汗をかきすぎて気を消耗しがちな夏に摂ると、汗の出すぎを防ぎます。
仕上げに青紫蘇を添えることで、冷房やビールで冷えたお腹をあたためます。
[材料]2人分豆鯵 10~15尾(スーパーで買う場合は1パック分)
玉ねぎ 1/2個
赤ピーマン 1個
青紫蘇 10枚
甘酢 200cc(酢200cc、きび砂糖は大さじ3[好みで調整]、梅干し1個)
[作り方]
①豆鯵はわたとぜいごを取って、小麦粉を軽くまぶす。
②玉ねぎとピーマンを千切りにし、水にさらしておく。
③甘酢をつくる。
※酢を鍋にかけ、沸騰直前で火を弱めて、砂糖を入れる。溶けたら火を止めて冷ましておく。しっかり冷めたら、梅干しを入れて少しつぶしておく。
④豆鯵を揚げる。
※中骨まで食べられるくらいしっかりと。目安は、箸で持ったときの鯵が軽くなったなと思ったとき。
⑤揚げた豆鯵(④)を熱いうちに、さらしておいた玉ねぎと赤ピーマン(②)と一緒に甘酢(③)に入れて、30分くらい漬け込む。
⑥盛り付ける。
※千切りにしておいた青紫蘇を添えてら出来上がり!
南蛮漬けは、冷蔵庫で1週間くらいもちますので、週末にたくさん作って、毎日楽しんでくださいね。
[薬膳ママからひと言]
夏は「心」に負担がかかりやすいので、いつもより少し早起きして、気持ちをゆったりとして過ごしてください。ぷりぷり怒っちゃだめですよ。夏バテしないで乗りきってくださいね。
ママの「おばんざい屋」編はこちら。
小池美枝=写真・文