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カセットテープに続き、再評価の動きが出ているというビデオテープ。30~40代の男性なら、誰しも捨てるに捨てられぬ想い出深い映像が記録されたビデオテープが、何本かあるに違いない。

そこで重宝するのが、ビデオテープの映像をデジタル化するためのガジェットだ。最近ではパソコンを使わず簡単にデジタル化し、スマートフォンなどで視聴できるタイプの機種も登場している。

その中から今回は、アイ・オー・データの「GV-SDREC(アナReC)」(実勢価格:税込約1万円)をテスト。捨てられぬビデオテープの断捨離を決意した筆者が、その使い勝手をレポートする。


ビデオテープのアナログ映像を直接デジタル化できる

テレビの黄金時代に青春を過ごした世代にとって、ビデオテープといえば、特に思い入れのあるメディアだろう。ホームビデオの映像はもちろん、好きな番組や映画を録画し、お手製のラベルを貼りツメを折った「永久保存版」のテープや、セルビデオで購入した家族にはちょっと見られたくない内容のテープが、今なお押し入れの奥で眠っているという男性も多いはずだ。

今回紹介するアナReCは、ビデオテープに記録されたアナログ映像をデジタル化するためのガジェットである。

男の断捨離に効く。想い出のビデオを簡単にデジタル化する秘密兵器
本体前面。スマートフォンを一回り大きくしたくらいのサイズ感だ。

男の断捨離に効く。想い出のビデオを簡単にデジタル化する秘密兵器
本体背面。ビデオデッキとの接続端子は、RCA、Sビデオの2種類が用意されている。

一度デジタル化すれば、DVDに焼き直したり、スマートフォンで視聴したりできるようになるだけでなく、ビデオテープを処分することも可能になる。テープのままでは画質の劣化も気になるところ。残しておきたい映像は今のうちにデジタル化し、溜まったビデオテープの断捨離を済ませてしまおう。

なお念のためだが、デジタル化した映像の視聴は、あくまでも私的利用の範囲内に限られていることをお忘れなく。


操作はとても簡単だが、ビデオデッキ側に意外な落とし穴も

アナReCの大きな特徴は、本体に直接映像を録画できる点にある。

ビデオテープの映像をデジタル化する従来の機器は、パソコンを利用するタイプが多かったため、セッティングや操作が少し難しかったのだが、アナReCの場合は、ビデオデッキと接続し本体に録画用のメディア(別売り)を差し込めば、あとはボタンひとつで録画できるしくみになっているのだ。

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記録メディアはSDカードのほか、USBメモリやUSB接続のハードディスクが利用可能。SDカード同士で映像のダビングも行えるようになっている。

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操作は本体上面のボタンでほぼ完結している。基本的には「電源」ボタンと「(録画)開始/停止」ボタンを使うだけでOK。

録画(デジタル化)の操作はとても簡単だが、意外と大変だったのが、アナReCとビデオデッキの接続だった。

といっても、手順自体は特に難しくはなく、単にケーブルを接続するだけなのだが、アナReCのパッケージには接続用のケーブルが同梱されておらず、自分で別途用意する必要があったのである。

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同世代なら、このアナログケーブル(RCAケーブル)は、馴染み深いはず。かつては、家の中に何本も転がっていたものなので、探せばすぐに見つかるだろうとタカをくくっていたのだが……。いざ探してみれば、家になかったのはもちろん、家電店でも大きなところでないと置いていなかったのだ。

さらにいえば、肝心のビデオデッキについても同様。中古品を安価に入手できる思っていたが、今どきビデオデッキを扱っているお店なんて、リサイクルショップでもかなりレア。当然、家電店でもほとんど扱っておらず、ネットショップを見れば、新品だと数万円くらいのプレミア価格がザラだったりするのである。もはや、ビデオデッキは骨董品の域に達していたというわけだ。

もし、今でもビデオデッキやアナログのケーブル類を所持しているなら、大切に保管しておくのが賢明だろう。ちなみに、久々にビデオデッキを使う際には、ヘッドの汚れを落とすクリーナーも、あらかじめ用意しておくことをおすすめする。


ビデオの映像をスマホで見る、不思議なノスタルジーがたまらない

ビデオデッキとの接続がクリアされれば、あとはビデオテープの内容をデジタル化するだけだ。アナReCとモニター用のテレビをHDMIケーブルで接続すれば、画面上で映像を確認しながら、デジタル化の操作が行える。

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今回は、パソコン用の液晶ディスプレイをモニターがわりに利用しているが、もちろん通常の液晶テレビでもOK。

基本的には、ビデオデッキで再生した映像を見ながら、デジタル化したい部分で「(録画)開始/停止」ボタンを押せばよい。設定を変更すれば、ビデオテープの再生、停止にあわせて自動的に録画を行う「シンクロ録画」機能を利用することも可能だ。

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「シンクロ録画」を利用すると、ビデオデッキからアナReC本体に送られる映像信号にあわせて自動的に録画、停止が行われる。

シンクロ録画を選んでおけば、モニターに接続しなくてもテープの内容を自動的に録画できるので、複数のテープを効率よくデジタル化したい場合に便利だろう。

注意点としては、1回の録画でデジタル化できる最大容量が4GBまでに限られていること。長時間の映像(目安としては1時間15分以上)は、複数のファイルに分割されてしまう。ちなみに、デジタル化した映像はMP4形式で保存されることもおぼえておこう。

録画した映像は、アナReCから直接再生することもできるが、スマートフォンなどにデータを移して観賞するのが基本だろう。

男の断捨離に効く。想い出のビデオを簡単にデジタル化する秘密兵器

カードアダプターを使えば、スマートフォンで利用されているマイクロSDにも直接録画できるので、映像を手軽に楽しみたい場合には、そちらのほうが便利かもしれない。

動画配信サービスでも高画質が基本となりつつある昨今、デジタル化したとはいえ、ビデオテープに記録された映像は、やはり画質が荒く感じてしまうのだが、それもまた味わいのひとつ。むしろその粗い画質に、たまらないノスタルジーを感じてしまう。

溜まったビデオテープの断捨離に役立つというだけでなく、捨てることのできない想い出の映像を、ノスタルジーとともに愉しむためのツールとしても、操作が簡単なアナReCは、ビデオ世代にとってかなりおすすめガジェットといえるだろう。とはいえ、それでも想い出が詰まったビデオテープを捨てるのには、かなりの勇気がいりそうだが……。

[問い合わせ]
アイ・オー・データ インフォメーションデスク
0120-777-618

石井敏郎=文・写真
1970年横浜市生まれ。Windows95発売時よりテクニカルライター&編集者として活動。現在はITのほか、音楽やファッション、フィジカル系の記事執筆を行っている。

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