満を持してリニューアルオープンを果たした「MIYASHITA PARK」。

その一角に、東京のストリートファッション・シーンを牽引してきたベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター、渡辺真史さんがセレクトショップ「DAYZ(デイズ)」をオープンした。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」...の画像はこちら >>

コンセプトは“東京発、世界行きのムーブメントをベースに、現在のカルチャーを切り取る”。

扱うブランドは「フォーティーパーセント アゲインスト ライツ(以下FRAR)」「ネイバーフッド」「アンダーカバー」など、いずれも渡辺さんが近くで見てきた、東京のファッションカルチャーを築いてきた先輩たちだ。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い

そこに、ストリートとは切っても切れない関係にあるナイキ、アディダス、ヴァンズなどのスニーカーが、がっしりと脇を固める。

期待の新業態を覗いていると偶然、後ろから仕掛け人の渡辺さんが登場。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い
渡辺真史(わたなべまさふみ)●1971年、東京都生まれ。モデル、アパレルブランド勤務を経て、2004年に自身のブランド、ベドウィン & ザ ハートブレイカーズを設立。

「オープンおめでとうございます。渋谷らしい、いいショップですね!」「ありがとうございます」、そんな立ち話の延長で、渡辺さんがDAYZにかける想いを語ってくれた。


裏原世代が先頭に立つ意義

「実は、構想は2、3年前からあって」。

渡辺さんにとってDAYZのオープンは、ひとつの使命だった。

「“裏原”の文化は歴史を作って、今でも世界のストリートに影響を与えています。でも、時間の経過とともに当時を知る人は少なくなってきて、次の世代との乖離が進んでしまった気がして」。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い
上はアンダーカバーと、下はネイバーフッドとDAYZのコラボTシャツ。ともに即完売。

そんなベテランと若手の隙間を埋めることがDAYZの目的だという。

「筋の通った東京のカルチャーを、よりオープンな立ち位置から発信して、再びリアルに体感してもらうこと。これが、DAYZの役割。

ただ、それをどこかの誰かがやるのではなく、ローカルである自分たちがやるっていうことが大切だと思っています」。

 


DAYZの由来

耳馴染みの良い“DAYZ”という店名は、FPAR、WTAPS、そしてディセンダントのディレクター、西山 徹さんとの会話がきっかけだったという。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い

「お店を始める前、ロゴを作ってくれた(西山)徹と話していて。その中で、昔の東京を振り返っているときに自然と出てきた、あの頃は、この頃は、これからは、という単語をヒントに付けたんです」。

しかし、この4文字には、さらに深い意味が込められている。

「みんな、日々の出来事を話のタネにしてますよね。それは僕たちも、若い子も同じで、毎日の経験や体験から話が膨らんでいく。

僕らのファッションの場合、そこからブランドが生まれて、カルチャーができていった。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い

そういった、過去、現在、未来のどの時間軸も共通する言葉としてDAYZを捉えています。そういうところも気に入ってるんですよね」。


東京のカルチャーを“編集”する

「MIYASHITA PARK」は、商業施設と形容されるスペース。インディペンデントを貫いてきた渡辺さんはなぜ、DAYZの発信基地にこの場所を選んだのか。

「元・宮下公園だからです。

景色は変わりましたけど、ここにある歴史は、これからも変わらないと思うので」。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い
DAYZは、宮下公園の周辺から生まれたカルチャーをパッケージした空間だ。

そしてこう続ける。

「自分たちが育んできた東京ならではのカルチャーをより多くの人と共有したいので、閉鎖的なスタイルは不要なんです。M&Mの内装もほかのショップと差別化されているので、誰が来ても面白がってくれる……と信じてます(笑)」。

「東京カルチャーを次世代に」ベドウィン渡辺真史が「DAYZ」に込めた想い
内装を手掛けたM&Mによるスツール(各1万2000円)。全6色の天板を揃える。

ちなみに店内のBGMは、マイルドバンチで活躍するEZさんによるDJミックス。まさに東京のオールスターが集結したショップといえるだろう。

最後に、DAYZの今後の展望を聞いた。

「今後は、僕らよりも下の世代を積極的にフックアップしていく予定です。まだまだ紹介できていないブランドはたくさんあるので、今のDAYZは、あくまで序章って感じですね」。

過去も今もパッケージしたDAYZが進む未来が楽しみだ。

 

[店舗情報]
DAYZ(デイズ)

住所:東京都渋谷区神宮前6-20-10
MIYASHITA PARK SOUTH 3F

03-6712-5652
https://dayztokyo.com/

※新型コロナウイルス感染拡大予防のため現在、事前予約制・入場制限を行っています。詳しくは公式HPをご確認ください。

 

市川明治=文