若さを保つ男が愛する怪しきフード&アルコール。
鍋はグツグツと黒く煮えたぎり、二日酔いに効くとされる小瓶の中身はハードリカー。
魔味・ブラックスープ
まがまがしく鍋を満たす真っ黒な液体こそ「シャングリラズシークレット 表参道」のブラックスープである。
きのこしゃぶしゃぶで楽しむのが、この店のスタイル。雲南省シャングリラ県で栽培する乾燥きのこや、稀少な国産の生きのこを煮えたぎる鍋にくぐらせていただくのだ。
さて、肝心のブラックスープは、数十種類のきのこにニンニクやナツメなどを薬膳的なアプローチで配合し、じっくり煮詰めるという門外不出の秘伝レシピ。
調味料は不使用ながら、アミノ酸豊富なきのこの旨味成分が凝縮されて、優しくも力のある味わいが癖になる。まさに魔性の味。
その栄養価に注目が集まるきのこは、品種によるが、タンパク質や鉄分、ビタミンやミネラルが豊富で、活力を与えてくれたり、免疫力を高めてくれたり、血液をさらさらに整えてくれたりと、いいことづくめ。
例えば、定番ディナー「宝茸黒湯(ほうじょうへいたん)」6800円では、きのこ8種に国産肉やシメのきのこ麺、副菜などまでが堪能できて、かなりの満腹となる。食べて健康となるなら、今のイチオシがこれだ。
魅惑のスープが味わえる
「シャングリラズシークレット 表参道」
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-7 ジェムズ アオヤマ クロス3F
電話番号:03-6450-5543
営業:11:30~15:00(14:30 LO)、17:00~23:00(22:00フードLO、22:30ドリンクLO)
土・日曜、祝日は11:30~ 不定休
www.shangrila.jp/omotesando
「酒は百薬の長」は本当か!?
ウンダーベルク
二日酔い対策には決定打がひとつもない。柿だろうが、番茶だろうが、一発で治る、なんて虫のいいものは存在しない。では、世界の二日酔い事情はどうなのか?
ヨーロッパでも有数の飲酒量を誇るドイツのバーの棚には、昔から二日酔いを防ぐためのボトルが置かれている。ウンダーベルク。
ドイツの酒飲みたちは『飲みすぎたな~』という夜に小瓶入りのコイツをグイッとやる。すると翌朝、すこぶる調子が良くなっているというのだ。二日酔い対策だけでなく、胃もたれや胸やけしているときにも飲むという。
そしてその味は……薬草酒らしい爽快な飲み口とかすかに甘い後味が印象的で、香りも清々しい。うっかり飲み過ぎた夜は、ひとつドイツの酒飲みの知恵に頼ってみようじゃないか。
薬用養命酒
「巡らせる」「補う」「温める」「取り除く」の働きを持つ14種類の生薬を配合。薬効成分が体全体を温めて血行や代謝を改善し、胃腸の働きも活発になるほか、飲み続けることで体を守る力も高まる。冷え症や肉体疲労、食欲不振などにもおすすめ。
スタクリシュケス
世界最古の蜂蜜酒、ミード。中世ヨーロッパでは子宝に恵まれる酒として信じられ、新婚夫婦は満月の夜にミードを飲んで子作りに励んだという。これがハネムーンの語源となった。
ウニクム
ハンガリーの国民的リキュールは、皇帝ヨーゼフ2世の健康を願って作られた、特別な薬草酒が起源。レシピは1790年からいっさい変わらず、40種類以上の天然ハーブとスパイスが織りなす深みのある味わいと強い苦味が特徴。飲むと体がポカポカと温まる。
鈴木泰之=写真 押条良太(押条事務所)、髙村将司=文