仕事着と休日着の境目が曖昧になった昨今。しかし折角の休みの日には、自分らしく思いっきりお洒落を楽しもうではないか!

そこで休日を楽しくしてくれるパンツを集めてみた。

これは食指が動きますぞ。

 


「ニードルズ」のトラックパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ...の画像はこちら >>

推薦人
チャコール バイヤー/チャコール トーキョー 店長 武井 涼さん(48歳)
2006年にビューティ&ユース ユナイテッドアローズ有楽町店の店長に。’18年に独立し、チャコール トーキョーのオープニングに参画。

最初に購入したのはナロー型。6、7年前だったと思います。それから新作の色が気に入れば買い足し、合計4、5本持っています。今の私が好きな型はレギュラー。この少し太めで、ストンと落ちているシルエットがいいですね。一週間に2~3回ははいています。

トップスはきれいめにノーカラーのジャケットで合わせることが多いですね。以前、海外出張の際、飛行機の中でもはいていましたが、あまりにストレスフリーで感動しました。

 


「サンスペル フォー ユナイテッドアローズ」のパジャマパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ」
サンスペルのアンダーウェアをもとにアレンジした別注イージーパンツ。ドレスシャツに使われるコットン素材を使用し、サラリと爽やかな肌触りに仕上げた。各1万7000円/サンスペル フォー ユナイテッドアローズ(ユナイテッドアローズ 原宿本店 03-3479-8180)

推薦人
ユナイテッドアローズ 全社PR統括 吉田淳志さん(45歳)
2010年より現職。今年2月、ビューティ&ユースが大切にする美しさと若さの両方を持つ大人を紹介するメディア、PEOPLEをローンチ。

ブルーのストライプのものを愛用していて、今季は無地のタイプも購入しました。

とにかく肌触りが秀逸。

アンダーウェアを元ネタに、重宝するイージーパンツができあがりました。外出着としてはくときは、スウェットシャツやニットと合わせています。


「オム プリッセ イッセイ ミヤケ」のプリーツパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ」
プリーツの山と谷にストライプの配色を微妙にずらして描くことで、ホログラムのようなモアレ効果を作り出したストレートパンツ。各3万円/オム プリッセ イッセイ ミヤケ(イッセイ ミヤケ 03-5454-1705)

推薦人
BIN ディレクター 阿久津誠治さん(44歳)
セレクトショップバイヤー経験後、2006年エフィレボルを立ち上げる。現在はBIN ディレクター兼バイヤーのほか、活動は多岐にわたる。

あまり手を伸ばすタイプの服ではなかったのですが、いざはいてみると、洗濯してもプリーツは取れないしシワもつかない。最近の移動はもっぱらこれです。長時間の移動も本当に楽。

よくスウェットをはかれる方が多いですけど、このパンツなら品位もキープしつつノンストレスで感動的。何ともバランスが良いので、2019年の夏に初めて買って以来、年に1度は買い足しています。

 


「セラー ドアー」のパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ」
生地の軽さや色、ポケットのバランス、それぞれがいい塩梅で構成されたカーゴパンツ。ジャケットスタイルにもうまくハマるのはブランドの出自ゆえか。3万7500円/セラー ドアー(アントリム 03-5466-1662)

推薦人
スタイリスト 来田拓也さん(34歳)
日々リサーチを続ける中で、新鋭ブランドや隠れた名品をいち早くピックアップする目利き。旧車やカルチャー好きな一面も。

伝統的な仕立てをベースに、名だたるメゾンブランドのパンツを製作しているブランド。そんな最高ランクなイメージから一変して、意外性のあるカーゴパンツの提案に思わず惹かれた。

ストリート感が漂うのもタイプ。

何より、インポートブランドでありながら、日本人の体型にもしっかりフィットしてくれるのがいちばんの感動。「それどこの?」って聞かれることが多いのも実はうれしいです(笑)。


「ギャラリーデプト」のスウェットパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ」
再利用と再構築を謳うブランドの真骨頂がここに。ヴィンテージのスウェットパンツを解体、合体、さらにペインティングし、オンリーワンのアートな一本に仕上げている。本人私物

推薦人
フリープランナー 種市 暁さん(48歳)
フリープランナーとしてディレクションとブランディングを多数手掛ける。オーシャンズでは連載「種カジのタネあかし」を担当。

スウェットパンツをリメイクし、大胆なフレアシルエットとペイントで唯一無二の佇まいに。ヌケ感がありながらも、絶妙なテクニックとセンスでラグジュアリーなオーラを纏っているという感動ものの一本です。

実はデザイナーのふたりと交流があり、LAの彼らのお店にも何度も行ったことがあります。ちなみにこのパンツは約10万円と、ある意味、感動的なお値段です(笑)。

 


「ヤエカ」のチノパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ」
1950年代から受け継がれる織り機を使い、高密度のチノクロスで仕上げている。細分化されたシルエットは、なんと10パターンも展開。左から「クリースド」2万1000円、「パイプドナロー」1万9000円、「ワイドテーパード」2万1000円/ヤエカ(ヤエカ アパートメント ストア 03-5708-5586)

推薦人
スタイリスト 武内雅英さん(43歳)
雑誌編集者を経て、2005年にスタイリストとして独立。ストイックなスーツスタイルからカジュアルまで、幅の広さは業界屈指との呼び声。

同素材のシルエット違いで、バリエーションがこれだけ多いのはヤエカならでは。シーズンやシーンに合わせて、パンツだけ変えれば着こなしの印象もガラリと変えられるから、複数本は手に入れておきたい。

しかも昔ながらの手法で仕上げたツイルの風合いは味わい深く、はき続ければ表情も変わる。

それを長年楽しめるのは、まさに感動モノだ。


「ウティ」のカーゴパンツ

7人のファッション業界人が自信をもって勧める「俺の感動パンツ」
「M-47」をベースに作られた本格カーゴパンツ。高密度に織られたがっしりとした綿100%素材は、経年変化で味が増していくのも楽しみ。フラップ付きのカーゴポケットを装備。各3万円/ウティ info@outil-vetements.com

推薦人
ピルグリム サーフ+サプライ ディレクター 泉 貴之さん(43歳)
20代をLAで過ごし、帰国後ビームスに入社、2015年より現職。妻、娘、猫と世田谷に暮らす。趣味は自転車、ナチュールワイン、北欧家具。

僕たちの周りには、古き佳きワークウェアを忠実に再現していたり、またはイメージソースに据えて作られている洋服はたくさんありますが、実際にワークウェアとして使われている洋服は稀だと思います。

僕がすごいと思うのは、ウティの洋服はリアルなワークウェアだということ。

フランスはジュラのナチュラルワインの生産者たちに愛されていたり、日本でも某家電メーカーの工場でユニフォームとして使われていたりと、そんなストーリーに心打たれます。「好きなブランドはフランス海軍」と豪語するデザイナーの宇多悠也くんのこだわりは半端ではない。

ウティで人気のナバルボーダーカットソー「トリコア」を初めて手に入れたのが2018年。その当時、ウティで作られていた「トリコア」はフランス海軍のナバルボーダーのデッドストック生地を使って作られていました。

その物語に引き込まれて試着してみたら、ビッグシルエットだけど決してだらしなく見えない。ネック回りなどの細部を計算して作られているなと感動したのが購入のきっかけでした。

付け加えると、今の「トリコア」の生地はフランス軍のデッドストックではないのですが、その生地を再現したオリジナル生地で不定期にリリースされています。

ただ、再現するといっても、さすがはこだわりの強いデザイナー。フランス海軍の生地を編んでいた編み機を使って忠実に再現し、縫製もフランス海軍のユニフォームを縫っていた人たちにお願いしているのだとか。とにかくこだわりが強いなという印象を受けます。

そして毎回驚くような素材の提案があります。僕が感動するのは、デザイナーが服の背景をしっかりと把握したうえで、信頼できる人たちと膝を突き合わせて、もの作りをしているということ。そしてそこにたどりつくまでの妥協しないプロセスを聞くと、絶対に真似できないなと思います。

 

清水写真事務所=写真 星 光彦、来田拓也=スタイリング 増山直樹、早渕智之、長谷川茂雄、森上 洋、いくら直幸、髙村将司、大西陽子、中田 潤、今野 塁、菊地 亮=文

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