「ラストサラリーマン」という衝撃的なワードが飛び出した前回のインタビュー。中間管理職世代には耳の痛い話もあったが、大雑把に言うと、自分の好きを追求していいのが風の時代だ。
さて、今回は恋愛観や結婚観、子育て論についてうかがう。「恋愛も結婚も自分ファーストで」という星読みヒーラー・yujiさんの言葉を紐解いていこう。
話を聞いたのはこの人!風の時代は恋愛も結婚も“脱・雛形”
──風の時代の結婚や恋愛について教えてください。
最近は、結婚しても結婚式や披露宴をしないカップルが以前より増えているそうです。葬儀も火葬のみで、これまでのお葬式の形にこだわらない人も増えているとか。話は少し変わりますが、今年も学校の卒業式や入学式は簡易なものになるようです。
背景には経済的な理由や新型コロナウイルスの影響がありますが、何が言いたいかというと、定例的なものや風習として受け継がれてきた当たり前は、時代とともにいくらでも変わるということです。
結婚も恋愛も、過去の慣習に縛られることなく、今後はフレキシブルになっていくと思います。
──フレキシブルというと具体的にはどんな?
例えば、サザエさんのような昭和を代表する大家族も、今ではもうステレオタイプではありません。都心部では核家族が当たり前です。
結婚も、各々にとって心地の良い距離感を優先する「週末婚」「別居婚」はすでにありますし、その時その時を生きるのが風の時代ですから、平安時代みたいに一夜限りのプラトニックな関係も、今後は普通のこととして受け入れられるかもしれません。

──どんな結婚の形でもOKになる、ということですか?
風の時代は多様性を認めることが時代の主軸になります。海外には一夫多妻制の国もあれば、事実婚の夫婦もいる。
最近ではポリアモリーという概念も認知され始めていますよね。
──ポリアモリーとは何でしょう。
合意の上でですが、複数のパートナーと関係を持つスタイルです。マイクロビレッジという考え方もあって、統制がとれるくらいの小さな集落で、どの子がどの親の子か分からないくらい自由に子育てをする。そういう村が生まれるのも容易に想像できますよね。
働き方の話題でも触れましたが、風の時代は“脱・雛形”で、それは恋愛や結婚においても同じです。それぞれが「自分ファースト」で、各々の結婚観や恋愛観、セクシュアリティを生きる時代になっていくと思います。
「自分ファースト」の極意とは

──自分ファーストなら不倫もOK?
風の時代で大切になる指標のひとつに「クリアネス」があります。透明性ということですが、何でも包み隠さずオープンにしろということではありません。人間、生きていれば秘密にしておきたいことが1つや2つはあるでしょう。
クリアネスとは一種の倫理観のようなもので、「自分だけが得をする」とか、「自分だけが幸せになる」とかそういう閉鎖的だったり、搾取的だったりするマインドセットからクリアな状態という意味です。
ポリアモリーのように「合意の上で」がベストなのでしょうが、型にはまらない自由な恋や愛を楽しむ、というのが今後当たり前になっていけば、不倫が今のような社会的制裁を受けることも減っていくのではないでしょうか。
──離婚についてはどうでしょう?
離婚にネガティブなイメージを持つ人は多いですが、それも変わっていくでしょう。「卒婚」みたいな言葉が生まれるかもしれません。結婚を卒業する、みたいな。
結婚関係が長続きするのが良くて、短く終わることが劣という認識も風の時代には消えていくのかもしれません。
出会い系アプリは風の時代らしいツール

──出会い系アプリで結婚する人が増えているのも、風の時代らしさなんでしょうか。
マッチングアプリは、パートナー探しにおいて実に合理的でスピーディな方法です。ロマンチックとかドラマチックな展開がなくてもいいなら、おすすめの方法でしょう。
土の時代には合コンや飲み会、人から紹介されて出会うのが普通でしたが、相性の良さが分かるまでに時間がかかります。それに、出会える人も範囲が限られていました。
マッチングアプリなら場所を選ばない出会いがありますし、目的や趣味も条件も一発でソートできます。僕の周りにもペアーズ婚、東京カレンダー婚のカップルがいますよ。
風の時代を生きる子供の育て方

──風の時代を生きる子供たちを育てる上で、大事なことを教えてください。
子供がやりたいようにやらせることです。
占星術でも遺伝子の研究でも証明されていますが、才能は遺伝しません。
その子の持つ才能に気付きたいなら、本当に好きだと思うことをさせてください。ちなみに8歳までの生き方にヒントがあります。8歳までに自分が好きでやっていたことが十中八九、自分の魂の雛形です。
──yujiさん自身も、今の生き方と8歳の頃が重なってるんですか?
ラジカセの録音機能を使ってマイクでおしゃべりしたり、音楽と合わせたりして、DJ的なことをしていました。それが今、全部自分の仕事になっていますね。

──教育についてはどうですか?
これからは、僕たちが受けてきた“覚える教育”には意味がなくなります。グーグルやウィキペディアで調べれば、情報はすぐに出てきますから。
本能寺の変は1582年と覚えるよりも、それによって歴史がどう動いたのか、そしてそれを起点としてどのように考え、発想を膨らませるのか。自分の中にあるほかの知識と組み合わせて何か新しいものを生み出す、つまり、知識を運用するスキルが必要になります。
あとは、自分の言葉をちゃんと持てる教育をするべきですね。
──自分の言葉を持つ、とはどういう意味ですか?
子供って小さい頃は、質問ばかりしませんか?「なんで? どうして?」って。でもいつしか、大人が求める答えや先生が書いてほしい回答を書くようになって、自分の言葉を失くしていく。
“なんでなんで精神”を奪うことは、その子の個性や才能の芽を摘むことでもあります。
──何に気を付ければいいのでしょうか。
みんな同じという画一的な教育が中心だった土の時代とは違い、風の時代は自分の色や個性が求められる時代です。土の時代の価値観で育てることは、子供たちにとって弊害にすらなり得ます。
彼らは僕らよりずっと長く風の時代を生きるわけですから、個々の才能や能力を尊重していただきたいです。
そのためには好きなことをやらせる、“なんでなんで精神”を大切にしてあげる、自分でクエスチョンマークを投じられるスキルを身に付けられるよう、見守ってあげてください。
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さて、第3弾も盛りだくさんの内容で、そろそろお腹がいっぱいかもしれないが(笑)、次はラストの第4弾。風の時代に合ったお金の使い方や健康志向、情報の選び方についてお届けする。
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ぎぎまき=取材・文