「検証! 雨に“勝つ”靴」●各社が防水シューズをリリースしているが、いくら「スゴいんです」と言われても、実際に雨で履かなきゃ真偽は不明。じゃあ、本当に試させてもらいましょう。
ときにはシリアスランナーに、ときにはアメカジの“顔”として君臨してきた御大にと、各方面からその履き心地を絶賛されてきたニューバランス。そんな100年を超える名門であっても、さすがに“vs.雨”となると分が悪いか……。
と思っていたら、なんとも頼もしい新作を発見。その実力やいかに!
【検証方法】
①濡れたら一目瞭然なグレーのソックスで靴を着用。
②雨天時(降水量約7~10mm)に1.5kmウォーキング。
③シューズを脱ぎ、ソックスの濡れ具合をガチ確認!
ニューバランス「MW880G」を検証!
昔から言われていることだが、ニューバランスはとにかく履き心地が抜群である。全国主要スポーツショップなど計2031店舗の調査によれば、ニューバランスは2013年から7年連続売り上げトップを獲得(※)。今なおキング・オブ・スニーカーの名を欲しいままにしている。
その土台を支えているのは、同社の新定番として存在感を強めている「880」だろう。

「MW880G」は、2レイヤー構造の独自ソールによってクッション性と安定感に磨きをかけた。また、前方を縫製せず、圧着して仕上げたことで指先への違和感を極力減らし、フィット感の向上を実現。さらに今回はゴアテックスを採用し、雨天でも気兼ねなく履ける一足へと進化した。
……というのがオフィシャルの主張だが、どこまで本当なのか。
【検証】履き心地同様、その防水性は本物か!?
今回は大雨が降る中、1.5kmの距離を実際に歩いて検証した。自宅から駅、駅から会社など、長く歩いたとしても大体1.5km程度で収まるだろうと考え、この距離を設定してみた。

やはり、というべきか、改めてその履き心地の良さにウットリ。
足裏全体に入れたテクノロジー「ABZORB」が踏み込んだ足を受け止め、衝撃をしっかり吸収。その柔軟性もさることながら、ボトム素材に採用した硬質な「ACTEVA」も安定感抜群で、それらが最高のフィット感へと繋がっているようだ。

雨脚が徐々に強度を増すなか、開始からまもなくアッパーへ大きな雨粒が付着する。
一般的な非防水スニーカーでも、まだ浸水による不快さは感じないタイミングではあるが、不安と期待を行き来する時間が続く。

開始から5分。シューズ全体に水滴がつき、あちこちが「もう染みこんでいるのでは……」と不安になる色味に変化。「ああ、これはヤバいかも」と感じ、ニューバランスを始めとする関係者の顔が脳裏に浮かぶ。
開始10分以降、その度合いは増していくばかり。
特にリップストップナイロンのような格子状の生地の部分は、水滴が表面に表れない分、より不安になってくる。
「どんどん染み込んでいるんじゃないのコレ、もう終わったな」と半ばあきらめたところで約20分が経過し、1.5kmのウォーキングも終了。
さて、あとはせめて被害が少しでも多くないことを祈るばかりだ。
【結果】意外にも靴内への侵入を許さず!
では、雨に晒したシューズをおそるおそる脱いでみよう。どうせダメなんだろうなぁ。

あれっ? これは……!

なんと、意外にも靴内への雨水の侵入は阻止! グレーソックスも最初のサラサラの新品状態をしっかりキープしていた。ということでニューバランスの勝利!
やはりニューバランスの「MW880G」は、履き心地も防水性も日常生活において頼もしさを感じるレベル。そのうえこの端正なデザインとくれば、もはや選ばない手はない。
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【こんなのもあるよ!】
シューレース部分の不安まで解消した「MTX580」

ゴアテックススニーカーの実力は大いに実感させてもらったが、とはいえ、隙間からの漏水リスクとは常に隣り合わせ。特に甲部はどうしてもシューレースやタンの隙間から雨粒が入ってきやすい。
ただ、それすらもカバーしてしまったのがこの「MTX580」である。

90年代に颯爽とデビューしたモデルを背景にしながら、今の時代に馴染ませるその手腕はさすがニューバランス。そのワケは、オールブラックのモダンな趣はもちろん、ベースがトレイルランニングモデルの「MT580」であるところも大きい。
当時の姿を忠実に再現しつつ、ABZORBミッドソールをはじめ、現代のテクノロジーもしっかり落とし込まれている。もちろん、ゴアテックスに身を包んでいるため、卓越した防水性と透湿性も備える。

常日頃からニューバランスの履き心地の虜になっている人は多いが、雨の日もものともしないこの2足があれば、梅雨のシューズ選びに困ることもなさそうだ。
[問い合わせ]
ニューバランス ジャパンお客様相談室
0120-85-0997
佐藤 裕=写真 菊地 亮=文
※ 矢野経済研究所「YPS スポーツシューズデータ:2013年、2014年、2015年、2016年、2017年、2018年、2019年ウォーキングシューズ販売足数・金額ベース」(全国主要スポーツショップをはじめとした、2031店舗のスポーツブランドを対象とした定点観測調査2020年1月現在)