【沖縄】「コザボウ」の愛称で親しまれてきた「コザボウリングセンター」(沖縄市中央)の閉店が31日に迫った。1963年に開業し、県内で現存するボウリング場としては最も古い。
「60年以上ありがとう」「寂しくなる」。ボウリング愛好者や地域の住民からは惜しむ声が漏れる。(中部報道部・屋宜菜々子)
 閉店は施設の老朽化のため。ここ数年は新型コロナの影響で客足も減っていたという。
 3月中旬に訪れたのは、市内の児童ら14人とその保護者。沖縄ハンズオンNPOがツアーを企画した。
センター支配人の仲村伸太郎さん(60)の案内で裏側へ。自動で返球されるボールや、ピンが並ぶ様子を見学した。仲村さんは「初めて見ると思うけど、今日が最後。心に焼き付けてください」と機械のしくみを紹介した。
 コザ小1年の玉城栞さん(7)と訪れた父の要さん(51)は、高校生の時にアルバイトをしていた。その後もリーグ戦に参戦。
「幅広い世代とすぐに友達になれたすてきな場所」と名残惜しそう。閉店を知り、昔の仲間と集まったり、家族と投げたり、残り少ない日々を楽しんでいるという。
 比屋根小5年の冨平彩巴さんは、店の前を通るたび気になっていたが、来るのは初めて。「来られてよかった。もう1回来たい」と笑顔を見せた。
 児童たちはゲームも楽しみ「これまでおつかれさま」「ありがとう」など、思い思いに書いたメッセージを仲村さんにプレゼントした。

 仲村さんは「60年間営業できたのは、地域の皆さんあってのこと」と感謝。「ここは閉店するけど、ボウリング場は楽しい所。それだけは伝えたい」と言葉に力を込めた。
 跡地には野嵩商会(宜野湾市)がスーパーを出店する。開業時期は未定。
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「コザボウ」ありがとう コザボウリングセンター3月31日で閉店 60年の歴史に幕 残り少ない日々楽しむ
コザボウリングセンターのバックヤード
「コザボウ」ありがとう コザボウリングセンター3月31日で閉店 60年の歴史に幕 残り少ない日々楽しむ
子どもたちからメッセージをもらい喜ぶ仲村伸太郎支配人(後列中央)=13日、沖縄市・コザボウリングセンター