那覇市有地を巡る贈収賄事件で、市当局を議会で追及する見返りに現金5千万円を受領したとして、収賄罪に問われている元市議会議長の久高友弘被告(77)=那覇市=の第2回公判が8日、那覇地裁(小畑和彦裁判長)で開かれた。
 初公判で罪を認めた久高被告は被告人質問で、 市当局を追及するよう同僚市議3人に働きかけたと証言。
一方、久高被告が百条委員会設置に向け多数派工作で同僚市議への現金配布の必要性に言及したとする贈賄側の証言については「(発言も配布も)していない」と否定した。
 3市議への働きかけに関し久高被告は「那覇市が事実と反すること(誤った土地登記)をやっているから追及してくれと彼らにお願いした」「長年のお互いの信頼関係で(お願い)していた」と語った。実際、3市議は議会で市当局を追及したが、本紙のこれまでの取材に、3市議ともに久高被告からの働きかけは「一切ない」と答えている。
 5千万円については贈賄側の不動産会社代表=死亡で公訴棄却=が金額を提示したと言い、自身は要求していないと主張。受け取った現金の使い道は自身が決め、選挙資金や自宅の修理代、自家用車の購入費に充てたと述べた。
 2度の現金授受が議長室で行われた理由は、贈賄側の不動産会社代表が「人目もあるから議長室がいい」と先方の希望だったと説明した。
 小畑裁判長から、政治家を志した頃の初心を問われると「最初は那覇市の発展のためと純粋な気持ちだった」と話し、言葉を詰まらせる場面もあった。
市議3人へ市当局の追及求める 元那覇市議会議長の被告、現金配...の画像はこちら >>
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