人気の「平飼い卵」を偽装販売　沖縄のブランド企業に何が【12月6日～12日 タイムス＋プラスから】

　栄養バランスが良く、調理しやすい卵は食卓に欠かせない存在。世界の卵消費量ランキングで日本は4位です。自由に動き回る、地面をくちばしでつつく、砂浴びをするー。鶏本来の習性を制限せず、ケージ（鳥籠）ではなく地面の上で飼育した鶏から採れる「平飼い卵」の人気が、沖縄県内でも高まっています。卵そのもののおいしさはもちろん、アニマルウェルフェア（動物福祉）への配慮など、持続可能な農業への取り組みが消費者の共感を呼んでいます。

 

「平飼い」でない卵をまぜる

みやぎ農園が県内スーパーで販売している「平飼いたまご」

　そうした中、消費者の信頼を裏切る事態が起こりました。「平飼い」の鶏が産んだ卵をブランド卵として扱う南城市の養鶏業「みやぎ農園」が2021年5月ごろから、「平飼い」ではない卵を「平飼い」卵とまぜて販売していたことが分かりました。景品表示法に抵触する恐れがあります。
　偽装を始めた契機はコロナ禍でした。平飼い卵のブランド企業に何が起きたのでしょうか？　消費者や自治体の反応と併せ、下記の記事をお読み下さい。
◆「平飼い」ではない卵を偽装し販売　販売先からの問い合わせで発覚　スーパーやホテルなど100社に納入
◆人気の平飼い卵でなぜ…？　販売元「理念より目先の判断」　謝罪文で語られた後悔
◆割高でも買い支えた消費者「許せない」
◆偽装表示の卵とマヨネーズ　沖縄・南城市がふるさと納税の返礼品から削除
県立高校の志願倍率　過去10年分を一挙紹介

 

　いよいよ、高校受験シーズンが本格化します。2026年4月入学の沖縄県立高校・一般選抜は、願書提出が2月2日（月）、3日（火）です。出願戦略を練るうえで欠かせないのが、過去の志願倍率の動向です。下記の記事では、出願の参考になるよう沖縄本島南部・離島エリアの県立高校の倍率推移（過去10年分）を学科別に紹介します。沖縄本島中部・北部エリアは12月17日（水）、実業高校編は12月24日（水）に公開予定です。
【記事を読む】沖縄の“あの”高校の倍率、過去10年で上がった？ 下がった？　県立高校の志願動向を学科別にひと目で【本島南部・離島編】
　読者の関心が高いシリーズ「沖縄受験最前線」の記事一覧はこちらから。県内のインターナショナルスクール人気や興南中学・高校の難関大進学コース新設などを取り上げています。
青森で震度6強　初の「後発地震注意情報」

強い地震があった青森県東北町で陥没した道路。「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表された＝９日

　深夜、寝る間際に続々と入るニュースに驚いた人も多いのではないでしょうか。8日夜、青森県で震度6強の地震がありました。気象庁は巨大地震の発生可能性が平常時より相対的に高まったとして「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を、2022年12月の運用開始後、初めて発表しました。対象は北海道から千葉県の7道県182市町村。1週間程度は社会活動を継続しつつ、すぐに逃げられる態勢の維持など「特別な備え」が必要としています。
【記事を読む】初の「後発地震注意情報」　1週間の「特別な備え」呼びかけ　青森で震度6強、51人けが　北海道・三陸沖でM7.5

　「東日本大震災がよぎった」「怖かった」－。地震から一夜明け、青森県内に住む沖縄出身者2人が本紙の取材に緊迫した状況を語りました。300キロある冷蔵庫が動いたことが、地震の大きさを物語っています。高台のどこに避難するか、非常食やモバイルバッテリーなど何を持っていくか。平時からルールを決めておく大切さを、私も再認識しました。
【記事を読む】「怖かった」　泡盛や皿が店に散乱、300キロの冷蔵庫動く　青森在住の沖縄出身者、津波恐れ家族と高台避難

地震で調理器具や食器などが床に落ちて散乱した厨房＝８日夜、青森県八戸市の「琉球カフェちゅら亭」（玉城翔多さん提供）

NAHAマラソン　今年も熱い人間ドラマ

「ヤングマン」の曲に合わせてＹＭＣＡのポーズで走るジョガー＝７日、豊見城市嘉数

　7日に行われた第39回ＮＡＨＡマラソンでは、2万3800人以上のジョガーがそれぞれの思いや決意を胸に、沖縄本島の南部路をひた走りました。自分自身と向き合う長い道のり。病気や困難と闘う家族が、ゴールへ向かう背中を後押ししました。沿道の市民、大会を支えたボランティアも一体となり、今年も師走のドラマをつくりました。
　私が胸を打たれたのは、亡き親友の思いを背負って完走した21歳女性のエピソードです。
【記事を読む】「けんけんの分まで」 急逝した友思い、完走へ　涙浮かべ力走
　サッカーとビーチサッカーの選手を経て、マラソンに魅せられたランナーもいます。偶然にも当日は娘の誕生日。家族のために走る姿に共感しました。
【記事を読む】3度目出場で293→75→10位 娘2歳の誕生日に贈るNAHAマラソン入賞 「骨をうずめるつもり」で沖縄移住、岐阜出身の名城優飛さん
　その他のHANAマラソンの関連記事はこちらから読めます。一人一人の力走の軌跡を記した完走者名簿や写真購入サイトへのリンクは、下記に掲載しています。
【完走者名簿】第39回NAHAマラソン別刷り特集を発行　全1万6808人の記録掲載！
「心が震えた」デフリンピック取材後記

 

【記事を読む】眞謝の決断、豊里の涙　手話を学んだ記者が追った心震える12日間　デフリンピック沖縄県勢の物語＜取材後記＞
　日本初開催となった聴覚障がい者の国際スポーツ大会「東京デフリンピック」。大会前の連載を含め、精力的に取材した大庭紗英記者は、選手との向き合い方について、記事の冒頭でこう振り返っています。
　大会取材を通して、いろいろな人に出会った。自身のことを「ろう者」「難聴者」「耳の重い人」と表現する人や、「自分は聞こえなくてよかったと思っている」とインタビューに笑顔で話す選手も。それぞれの形で、音を必要としない世界にアイデンティティーを持つ人たちはとても魅力的だった。だからこそ期間中、私の言葉が彼ら彼女らを不必要に社会の弱い立場に寄せてしまわぬように記事を書くと決めていた。
　
　手話が飛び交う大会はとてもにぎやかで、感動的な場面を毎日目の当たりにした。閉会式から１週間が過ぎたが、今も心の震えは収まっていない。県勢の勇姿をそばで見て、喜び、泣いて、撮って、書きつづった１２日間は私にとっても大きな経験だった。
　若手記者の熱量と視点をつづった取材後記を読んで、私も胸が熱くなりました。人間として、記者として、多くのことを学ばせてもらいました。
週末は人気の「久米島フェア」へ！

多くの買い物客でにぎわう「２０２５久米島町　観光・物産と芸能フェア」＝１２日、那覇市久茂地・タイムスビル

　週末のイチオシイベントは、那覇市久茂地のタイムスビルで開催中の「2025久米島町　観光・物産と芸能フェア」。町内外の15事業所が久米島みそや車エビ、国指定重要無形文化財の久米島紬（つむぎ）など、島の逸品を展示・販売しています。フェアは14日まで。天気は崎濱綾子さんのコラムでチェックしてからお出かけを。今週のデジ編チョイスは新里健が担当しました。