ツアーセミファイナル、名古屋の対バン相手はWiennersとは以外にも初共演だというヤバTことヤバイTシャツ屋さん。ザ・エンターテイメントとユニークとセンスとナンセンスと音楽愛をポップにごちゃ混ぜした「THIS IS ヤバT」な真骨頂バキバキなライブは、分かってはいたけれどWiennersと相性あっちゃう感じ。
「セミファイナルだから蝉をプレゼントする」「引っ越しをWiennersの∴560∵さんに手伝ってもらった」というありぼぼワールド炸裂なMCから何故か∴560∵と付き合ってる疑惑が飛び出すゆるいトークもヤバTらしい。そんな中、こやまは「いつもの6倍の音量で!」と体力配分全く無視で「陽」なWiennersも真っ青な「ちらばれ!サマーピーポー」でギンギンの太陽を嫉妬混じりに叩きつけ、「あつまれ!パーティーピーポー」では酒はなくとも踊れなくてもロックすることは出来るぜとこれまた嫉妬混じりに大きな声で叫ぶ。
Wieenersとの初対バンに「楽しすぎてキレそう」と満面の笑みで漏らすこやま。この数年、対バンイベントが出来ない状況も続いたし、ライブハウスでライブをすることにも観ることにも後ろめたさを感じないといけない状況だったことは事実としてあって、そんな時代に何度もキレそうになったけど、それを超えて楽しすぎてキレるところまでライブハウスが戻ってきたことが溜まらなく嬉しいし、WiennersがこのツアーにヤバTを誘ったことも何もかもが最高だなって思った。「全員ヤバTのファンにしにきた」と宣言し披露した「Give me the Tank-top」はタンクトップというワードに隠したライブハウスに対する思いがドバドバ零れ落ちていて拾うのに必死。
今回の『TREASURE TOUR 2022』がどれだけ充実したツアーだったかはステージに飛び込んできたWiennersの表情を見たら一目瞭然だ。音楽という目に見えないものがはっきりとこの目に見えちゃうのはWiennersが怒りも悲しみも全てを抱きしめて光に変えた上でポジティブを連打するライブをするから。
ライブで「みんなひとつになろう」という言葉をよく聞くけれど、ひとつになろうとしてなるんじゃなくて、結果としてひとつになることが大事な気がしているのだけれど、Wiennersのライブはまさにそれ。今回のツアーの対バンをもう一度思い出し欲しい。さっき「天下一武道会みたいな」なんて言ったけど、ひとつの天の下、つまり太陽の下で生まれた太陽の子供たちが音楽で繋がっていく。それがこのツアーでWiennersが掴もうとしたものなのかもしれないし、その欠片を今日で19個集めたWiennersが最後のピースを埋めるのが来たるツアーファイナルなのかもしれないけど、そうやって旅してきたバンドだから放てる光が確かに名古屋で金ピカに輝いていることを「SOLAR KIDS」が体現していた。「GOD SAVE THE MUSIC」だってそう、「よころびのうた」だってそう。
しかしここにきてWiennersはとんでもなく大爆発しているなと思う。そのひとつの要因としてあるのが覚醒したアサミサエの存在感だ。
Wiennersは『TREASURE TOUR 2022』で確実に何かを見つけたと思うし、バンドがそれをしっかり掴んできたのは火を見るより明らかだ。いよいよ今月末9月30日には東京・Spotify O-EASTにてでんぱ組.incを迎えたツアーファイナルが行われる。光り合いっこ、最終決戦、全国各地を行脚してきたWiennersが発する光を全身で浴びて眩い光線をバンドに、地球に、未来に解き放ってほしい。
Text:柴山順次(2YOU MAGAZINE)
Photo:かい
【ライブ情報】
■『TREASURE TOUR 2022』
※終了公演は割愛
9月30日(金) 渋谷Spotify O-EAST
w/ でんぱ組.inc
■コンセプトワンマンツアー『春雷行脚』
10月24日(月) 名古屋Tokuzo
10月25日(火) 京都磔磔
10月29日(土) 新宿BLAZE
■『Wienners × SPARK!!SOUND!!SHOW!!『びりびり!』』
11月08日(火) 東京・渋谷近未来会館
11月10日(木) 愛知・名古屋RAD HALL
11月11日(金) 大阪・Music Club JANUS