俳優の江口のりこが主演を務める映画『愛に乱暴』(8月公開)のWEB限定ティザービジュアル(2種)と特報が解禁となった。本作は、『悪人』『さよなら渓谷』『怒り』など、映画化された作品も多い吉田修一氏の同名小説が原作。監督は森ガキ侑大。江口からにじみ出る“怪優”オーラが隠しきれない画像&映像となっている。

 ティザービジュアルは、江口扮する桃子の日常から、ゴミ捨て場のふとした瞬間の姿と、裏庭で慈しむようにスイカを抱える姿の2種。これから彼女に降りかかる事件を予感させる、不穏な空気漂うミステリアスなビジュアルとなっている。

 本作は、人間の複雑な感情とその裏に隠された本質を鋭く炙り出してきた原作者の吉田氏が、愛のエゴと献身、孤独と欲望の果ての暴走を描いたヒューマンサスペンス。

 森ガキ監督は、物語に隠されたある仕掛けから、映像化は難しいと思われた小説を繊細にアレンジし、フィルムを使って主人公の背後からまとわり付くようなカメラワークで撮影、息もつかせぬ緊迫感をもって江口ふんする主人公を追い詰めていく。

 夫の実家の敷地内に建つ“はなれ”で暮らす桃子(江口)は、義母(風吹ジュン)から受ける微量のストレスや夫(小泉孝太郎)の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる「丁寧な暮らし」に勤しみ毎日を充実させていた。

 そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、度々表示される不気味な不倫アカウント…。桃子の平穏な日常は、少しずつ乱れ始める。

 特報映像は、桃子が夕暮れ時に一人鼻歌を歌いながら線路沿いを歩く様子が切り取られている。口ずさんでいるのは、エリック・サティの有名曲「ジュ・トゥ・ヴ~あなたが欲しい~」。 電車が通過する轟音にかき消されるまいと、桃子の鼻歌は徐々に叫びのように大きくなっていく。わずか20秒の映像ながら、江口の存在感と “桃子”という狂気をはらんだキャラクターを強烈に印象付け、魅了する映像となっている。一体桃子に何があったのか?そしてこの後何が起こるのか――?