『シティーハンター』は、北条司氏が1985年(昭和60年)に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載を開始した漫画が原作。東京・新宿を拠点にし、裏社会でのさまざまなトラブル処理を請け負う超一流のスイーパー(始末屋)、冴羽リョウの活躍を描いた。Netflix映画『シティーハンター』の舞台は、現代の新宿。冴羽リョウ(鈴木亮平)と槇村香(森田望智)の出会い、そして2人が唯一無二の相棒となるきっかけの物語を、オリジナルエピソードを交えて描く。
■赤いミニクーパー
漫画はもちろん、アニメシリーズでも頻繁に登場していたのが、冴羽の愛車、赤のミニクーパー。
鈴木は「脚本が固まってから、まずマニュアルの運転免許を取りました。僕の免許はオートマ限定だったので、ミニクーパーを運転できるように」と役づくりを明かしている。
車の鍵のキーホルダーにも注目。原作漫画でおなじみの呆れたシーンのトンボが描かれている。
■ガンアクション
本作の監督は、『キサラギ』『ストロベリーナイト』の佐藤祐市。鈴木と作品についてとことん話し合い、原作を大切にしながら、実写映画としてのリアルさ、面白さを追求した。また、アクション監督の谷本峰とも『シティーハンター』らしいガンアクションや肉弾戦を通して、誰もが驚く身体能力と戦闘力を持ちながら、美女の前ではだらしない冴羽リョウの魅力的な二面性を再現した。
鈴木は、ガンアクションの準備も余念なし。「撮影では6種の銃を扱っているので、モデルガンを買って、全部の銃をノールックで操れるよう常に練習していました」と明かす。
撮影で使われたリョウの銃コルト・パイソンには、原作漫画に登場するガンスミス(銃工)の真柴憲一郎の「MK」のイニシャルが入っている。モデルガンメーカーが入れた遊び心であり、鈴木もすぐに気づいたそうだ。新宿にあるリョウが住むマンションの地下にある、銃の練習をするための射撃場と銃のコレクション倉庫も今回の映画で再現されている。
■冴羽リョウの部屋
原作者の北条氏が撮影現場を見学しに訪れ、感心していたのがリョウの部屋のセット。
北条氏が驚いていたように、リョウの寝室はほぼ原作と同じ構図。インテリアには作品愛にあふれたアイテムがちりばめられている。
また、リョウが隠していた“資料”のセクシービデオのパッケージは全て美術スタッフの手作り。事務所に飾られた槇村兄妹の記念写真は、原作漫画にあるカットと同じ構図。写真たての横には槇村が書いた「17歳の香へ」という槇村家五箇条の誓いも置かれている。なお、名刺にある冴羽商事の住所は架空のもの(歌舞伎町3丁目は存在しない)。