舞台は広島・尾道市。
そして、しまなみ海道の玄関口である向島で、昭和中期に建てられた築61年の中古物件を見つけた。70坪の土地に建つ、和の趣のある家を破格の70万円で購入できたという。そんな家を「広く!明るく!ウィスキング!」というテーマでリノベーションを行った。
家の外に建つ小屋は、ヒノキで作られた本格的なサウナ。サウナ好きが高じて、自宅の庭にサウナ小屋を作った。「ウィスキング」とは「ウィスク」という植物の束で体を叩いたり、なでたりするリラックス法。夫妻はウィスキングの資格まで取り、サウナでウィスキングをするため島に移住したのだった。
家の中は暗く、物であふれていたが、予算を抑えるためできるところは夫妻でDIY。
家の中に入ると、明るい玄関土間が広がる。井戸端会議ができる腰掛けや妻のワークスペースがあり、その奥が3.5帖のキッチン。サウナに予算をかけすぎてしまったので、業務用のキッチンで安く仕上げたが、シンクに深さがあるのでサウナの道具を洗うのに最適なのだそう。サウナから土足で出入りもできて便利な土間スペースだが、キッチンから食事をするリビングまでの動線が長いことが唯一の不満だという。
土間から靴を脱いで上がるのは、もともと2部屋だった和室の壁と天井板を取っ払った開放感のある居間。以前はふすまで仕切られていたが、光を採り込むため昭和型板ガラスにはめ替えた。さらに、農機具などの物置だったスペースはサウナ用の更衣室にリノベーション。サウナ小屋の外の水風呂は、この家にあった五右衛門風呂を再利用した。サウナとともにある暮らしを満喫する夫妻だが、サウナに入るとその後仕事をする気がなくなってしまうのが欠点なのだとか。