2011年、初のテレビドラマ監督作でもある『short cut』、13年放送の第2弾『大空港2013』以来、12年ぶりの第3弾。主演は、19年公開の映画『記憶にございません!』以来6年ぶりの出演で、三谷作品初主演となる田中圭が務める。
昨年秋に撮影された本作は、海辺を舞台に、太宰治を敬愛する男が時代を超えて奮闘するタイムスリップコメディ。
田中が演じるのは、主人公・小室健作。健作は太宰治を敬愛する平凡な会社員。妻の美代子と一緒に出席した披露宴の帰り道、偶然、太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作は、止められたにも関わらず暗い洞窟を進んでいく。その先にいたのは、なんとあの太宰治に瓜二つの男!健作は太宰の生きた時代にタイムスリップしてしまったのか!?
太宰に惚れ込んでいる恋人・矢部トミ子役で小池栄子、健作の妻・小室美代子役で宮澤エマ、健作と出会う漁師・打雷次郎役で、三谷が監督した全ての映画に出演している唯一の俳優・梶原善が出演。梶原は、次郎の双子の兄・四郎、父親の四郎次郎と合わせて1人3役を演じる。さらに、注目の集まる太宰治役は、太宰の同郷・青森県出身の松山ケンイチが務める。
膨大なせりふがある上、約100分間一度もカメラが止まらないという“NG”が許されない極限の緊張感。そんな過酷な撮影の中、個性あふれるキャストたちは、三谷作品らしい一癖も二癖もある役どころをどのように演じ切るのか。