◆『夜汽車の男』(2002年/主演:大杉漣/演出:鈴木雅之)
駅弁の食べ方だけで17分。そんな突拍子もないテーマを、ここまで可笑しく、狂気的に、そしてどこか切なく魅せられるのは「奇妙」ならでは。主演は、今は亡き名優・大杉漣。惜しくもこの世を去られた今なお、人々の記憶に深く刻まれている大杉は、『世にも奇妙な物語』最多出演を誇る、まさに「奇妙」のレジェンドであり、ストイックで繊細な演技も必見。視聴後、あなたも駅弁の順番に悩み出すこと間違いなし。異色だけど、なぜか心に残る。静かな怪作、ここに復活。
(あらすじ) 乗客の少ない寂れた夜汽車に乗り込んできた謎の男(大杉漣)は、ただ黙々と弁当を食べ始める。彼は何の変哲もないおかずの一品一品を無駄に高い洞察力で分析し、ご飯の割り振りや食べる順序のプランを立て、食べ進めていく。その姿は異様でありながらも、どこか引き込まれるものがある。やがて、彼の行動にはある意図が隠されていることが明らかになり、物語は予想外の展開を迎える。
『世にも奇妙な物語』は、1990年4月にレギュラードラマとして放送を開始し、その後は特別編という形で年に2度放送。